FIA、F1ドライバーが着用する耐火性アンダーウェアの取り締まり強化へ。新レースディレクター就任でルール厳格化進む
FIAは、F1オーストラリアGPでの協議を経て、安全性強化のために認可済みアンダーウェアの着用義務を強化する計画を立てている。
写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
FIAは、アクシデント発生時の負傷リスク低減のため、認可済み耐火性アンダーウェアの着用義務に関する取り締まりを強化するという。
4月8日(金)の夜にF1オーストラリアGPを開催しているアルバート・パーク・サーキットで行なわれたドライバーズ・ブリーフィングでFIAレースディレクターのニールス・ウィティヒは、マシン乗車時にレーシングスーツの下に着用するアンダーウェアに関する取り締まりを強化していくと説明した。
この強化に向けた動きは、一部のドライバーが競技規則で認可されていない耐火性アンダーウェアを使用していたことが関係している。
レーシングスーツの下に着る耐火性アンダーウェアは、火災発生時にドライバーを守る目的のため、着用が義務付けられている。一番の懸念は、2020年のバーレーンGPでロマン・グロージャンに起きた大クラッシュに伴うマシン炎上のようなケースで、認可を受けていないアンダーウェアを着ていた場合には生死に関わる大やけどを負う可能性があるのだ。
FIA国際モータースポーツ競技規則の付則L第3章第2条には、F1ドライバーはFIA基準に従って公認されたオーバーオール(レーシング用つなぎ)、長袖・長ズボンのアンダーウェア、バラクラバ帽、ソックス、シューズおよびグローブの着用が義務付けられていると記載されている。
Fireproof underwear in the F1 Experiences garage
Photo by: Sutton Images
ウィティヒは今年始めにF1のレースディレクターに就任して以降、こうしたルールの厳格化を行なっている。オーストラリアGPに先駆けては、アクシデント発生時のさらなる負傷リスク低減を目的に、走行中のピアスや指輪などのアクセサリー類着用はルールで禁止されていると改めて強調した。
ミーティングでは使用するアンダーウェアの取り締まり計画について、ドライバーから反対の声が上がったことが確認されている。レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、「楽しいドライバーズ・ブリーフィングだった」と皮肉を耳にしたと語っていた。
FIAは認可済みアンダーウェアの着用義務強化に関し、抜き打ち検査を積極的に行なっていくとしている。しかし違反したドライバーにすぐさま罰則を科すことはなく、猶予期間が設けられるとみられている。
2018年にウルグアイで行なわれたフォーミュラEのプンタ・デル・エステePrixでは、当時アウディに乗っていたルーカス・ディ・グラッシが、競技規則で認可されていない耐火性アンダーウェアを装着していたとして、1万ユーロ(約135万円)の罰金とペナルティポイント3点を科された。
また同シーズン末のニューヨークePrixでも、テチータのジャン・エリック・ベルニュとアンドレ・ロッテラーが、認可されていない耐火性アンダーウェアを装着していたとして罰金を科されている。
Be part of Motorsport community
Join the conversationShare Or Save This Story
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
Top Comments