ピエール・ガスリー、ベルギーGP最大の問題は視界「ウォータースクリーンを減らす必要がある」
アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーは、F1ベルギーGPが悪天候に見舞われ、視界が悪かったことについて、F1マシンが生み出すウォータースクリーンの量を減らす方法を検討する必要があると語る。


F1ベルギーGPは、悪天候によりレーススタートが3時間以上延期され、さらにセーフティカー先導によってようやくスタートした後も、コンディションは改善していなかったため赤旗中断……そのままレース終了となった。
この原因は、セーフティカーの速度で走行しても、前のマシンのリヤライトが見えないほど視界が悪かったことにある。アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーは、F1マシンの後方に発生するウォータースクリーンを減らすための方法を検討すべきだと主張する。
F1マシンが走行すると、マシンの後方には水が跳ね上がり、その高さは数十メートルに及ぶことになる。そして路面の水の量が増えれば増えるほど、跳ね上げられる水……つまりウォータースクリーンの量も増え、それに応じて視界が悪化してしまう。
「残念ながら、隊列の中で走っている時には視界が非常に悪く、(レースを中止する以外に)選択肢はなかったと思う」
セーフティカー先導のレースで6番手を走っていたガスリーはそう語る。
「クラッシュなど何らかの理由によってマシンがコース上で止まってしまっても、その他のマシンはすぐ後ろまで来ている。その後の結果は言うまでもない」
「問題は、前のいる全てのマシンが 順調に走り、同じ速度で走っているということに頼るしかない点だ。でも誰かが停まってしまい、そこに200〜250km/hで接近していても……視界は約30mくらいしかなかった」
「200〜250km/hでマシンが見えても、減速する方法はない。このコースでは、これまでにも恐ろしい事故を見てきた」
ガスリーは、マシンが発生するウォータースクリーンの問題に対処することが、今回起きたことを繰り返すのを防ぐために、最善の方法であると語った。
「マシンの後のウォータースクリーンを減らすために、努力する必要があると思う。メディカルカーが走っていたのを見た時、確かに僕らよりもはるかに遅いスピードで走っていたけど、ウォータースクリーンはF1マシンよりもはるかに少なかった」
「だからこれは、F1が今後数年間注視すべき課題のひとつだ。ウォータースクリーンを減らして視認性が向上すれば良いと思う。コンディションがとてもトリッキーならば、ハイドロプレーニングが起きたり、滑ったり、速度が落ちるかもしれないけどね」
「でもグリップの限界にどう対処するかは、僕らドライバー次第だ。ウォータースクリーンさえ減っていれば、少なくとも僕らは前が見えている。そして今回の日曜日に最大の問題だったのは視界だ」
F1の空力パッケージは、来年大きく変更される予定だ。この新規則により、マシンの後方に発生する乱流を減らし、そしてマシンが乱流にとって受ける影響を減らすことが期待されているが、そのことがどんな影響を与えることになるのかは、まだ分かっていない。
ウォータースクリーンの発生には、タイヤも当然影響する。セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)曰く、以前のタイヤサプライヤーであるブリヂストンの方が、現在のタイヤサプライヤーであるピレリよりもウォータースクリーンが小さかったと仄めかした。
2007年、富士スピードウェイで行なわれたF1日本GPの決勝も雨に見舞われた。当時のレースに出走していたベッテルは、今年のベルギーGPと比較して、次のように語った。
「当時(2007年日本GP)もセーフティカーの後で長い時間を過ごした。でも、当時はタイヤが違ったんだ。この意味が分かるかい?」
ベッテルはまた、予選Q3の方が、決勝レースの時よりもコンディションは悪かったと言う。
「跳ね上げられる水の量は(予選の方が)多かったが、単独走行だ。レースでの問題は、それぞれのマシンが接近して走ることだ。マシンの間隔を15秒も開けてレースをスタートすることなんてできない」
「土曜日はコース上の水の量が多かった。日曜日には少し少なくなった。それでも、ウォータースクリーンはなくならない」
「誰もが、誰かが怪我をするのを望んでいない。マシンに乗っている時に怪我をしたり、観客に怪我をさせたりしたくはないんだ」
「そのことは、常に最優先事項だ。レースをしないというのは、おそらく一般的な決断ではないだろう。でも基本的には、今回のコンディションに応じた正しい決定だった」
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