ハミルトン、F1王者バトン&ヒルによる”早期引退説”を歯牙にもかけず「今年が厳しい年になろうとも、僕はF1に残る」
ルイス・ハミルトンは、同郷で同じくF1世界チャンピオン経験を持つジェンソン・バトンとデイモン・ヒルから彼が引退に向かっているのではないかという指摘を、「全くの無意味」と突っぱねた。
1996年のF1世界チャンピオンであるデイモン・ヒルと2009年のF1世界チャンピオンであるジェンソン・バトンは、同郷のルイス・ハミルトン(メルセデス)について、2シーズン連続で競争力の無いシーズンを過ごすこととなれば、2024年以降もF1を戦う興味を失う可能性があると指摘した。
しかし、ハミルトンはこれを意に介していない。
ハミルトンにF1引退説が持ち上がるのは今に始まったことではないが、彼とメルセデスとの契約は2023年末に満期を迎えることもあり、シーズン開幕を前にして彼のF1における計画については憶測が飛び交っている。
その憶測のひとつであるバトンとヒルのコメントについて尋ねられたハミルトンは、次のように答えている。
「結局のところ、みんなが事実と関係なく噂を立てるのは、全くの無意味なことだ」
「ふたりとも分かっていると思っていたことだろう。でも僕は13歳の頃からメルセデスと一緒に仕事している。去年のように難しい年になったとしても、僕はここにいる。今年が難しい年であろうとなかろうと、僕はF1に残ると思う」
「僕はファイターで、チームとして戦うんだ。解決策を見つけるというチャレンジが好きだし、他のチームができないようなレベルにマシンを持っていくことができると今でも信じている。僕はチャレンジが大好きなんだ」
「もちろん、素晴らしいマシンでシーズンを迎えたいとは思っている。でも本当に大切なのは、その道のりだと思う。だから、僕らの契約については何の滞りもないよ」
Simon Lazenby, Sky TV, Jenson Button, Sky TV, Damon Hill, Sky TV
Photo by: Steven Tee / Motorsport Images
またハミルトンは、契約更新を締結するための猶予は充分に残されていると語っている。
「僕は常に落ち着いている。今この瞬間に契約しなきゃいけないとは思っていないんだ」
「僕はとても幸せな立場にいる。準備が整ったら、(契約を)締結すると思うよ」
「トト(ウルフ/チーム代表)やメルセデスとは素晴らしい関係にある。そして、お互いに完璧に支え合えている。僕は共に未来を築いていくことにもワクワクしているんだ」
「サーキット内外で行なっている仕事と、これからできる新たな可能性を心から誇りに思っているんだ。僕らの関係に何かが起きて、僕とトトがリングに上がらなくなる限りはね! そうならなければ、僕らは大丈夫だよ」
なお、ライバルであるレッドブルのマックス・フェルスタッペンがF1世界タイトルを2連覇していることで戦意を喪失した可能性があるか、と尋ねられたハミルトン。彼はタイトルを獲得しながらも、2015年当時のチームメイトであったニコ・ロズベルグがチームの主導権を握ったことを示唆しつつ、次のように語った。
「マックスについてはコメントできない」
「もちろん、アスリートとして常にそうなる可能性はあると思う。一度止めてしまえば、プレッシャーは別のモノに変わる。もっと眠れるようになるし、トレーニングもそれほどハードに行なう必要もなくなる。目標が切り替わるからね」
「でも彼はとても、とても自信を持っている。彼ら(レッドブル)は昨年素晴らしいマシンを開発し、ほぼ全ての記録を塗り替えた」
「彼らが最後まで全力を出していたとは思わないし、それでもかなりの差をつけていた。開幕から必ずしもその状況が変わるとは思っていないから、リラックスして臨んでいるかもしれない」
「すぐ後ろに迫るチームが、プレッシャーをかけ続けてくるかもしれない。フェラーリはかなりのパッケージを持ち込んでいるし、アストンマーチンもそうだ。でも、僕らも追う側だ」
そしてフェルスタッペンについて、彼は次のように語った。
「彼がしくじることはないと思う。彼は世界チャンピオンなんだからね」
「彼の決意や集中力は疑いようがない。彼はこれまでと同じように集中するだろうし、それに追いつくのが僕らのミッションだ」
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