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ハミルトン、衝撃的な“3輪チェッカー”の一部始終を語る「心臓が止まるかと思った!」

F1イギリスGPで優勝したルイス・ハミルトンは、最終ラップでパンクに見舞われた時、「心臓が止まりそうになった」と語った。

Race Winner Lewis Hamilton, Mercedes-AMG F1 looking at the damages tyre on hic car in Parc Ferme

Race Winner Lewis Hamilton, Mercedes-AMG F1 looking at the damages tyre on hic car in Parc Ferme

Steven Tee / Motorsport Images

 いつものように、比較的単調な展開で進んでいたF1第4戦イギリスGPは、ラスト数周でとんでもないドラマが待っていた。

 フロントロウからスタートしたメルセデスの2台は、先頭のルイス・ハミルトンを2番手のバルテリ・ボッタスが追いかける形で、終始ワンツー体制をキープしていた。3番手のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に対して10秒以上、4番手のシャルル・ルクレールに対しては40秒以上のリードを築いており、ボッタスがタイヤのバイブレーションを訴える場面こそあったが、ワンツーフィニッシュは確実なものと思われていた。

 しかしながら、残り3周でボッタスの左フロントタイヤが突如パンク。後退を余儀なくされた。これで2位は確実と見たフェルスタッペンはピットイン。ファステストラップのボーナス1ポイントを獲得するために、ソフトタイヤを履いてコースに戻った。

 そんな中、ファイナルラップではなんとトップのハミルトンもパンクに見舞われた。彼はパンクした左フロントタイヤを引きずりながら、残り半周を3輪で走行。幸いフェルスタッペンがピットストップしたことにより30秒以上のマージンがあったため、なんとか首位を守り切ってチェッカーを受けた。

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 トップのマシンが3輪でチェッカーフラッグを受けるという、歴史上類を見ないドラマチックなフィニッシュとなったが、レース後にハミルトンは興奮気味にこう語った。

「最終ラップまでは、全てが順風満帆だったんだ」

「タイヤのフィーリングは最高だった。でも、バルテリは信じられないほどプッシュしていたんだ。僕はタイヤのマネージメントをしながら走っていたのに、まるで彼は何も気にしていないかのようにプッシュしてきた」

「彼のタイヤがダメになったときた時、僕のタイヤを見てみたけど状態は良さそうだった。マシンもちゃんと旋回していたし、問題なかった。だから大丈夫かなと思っていたんだ」

「最後の数ラップ、ストレートを走る時に(タイヤの)空気が抜けていって、形が変わっていくのに気付いたんだ。ブレーキを踏んだらどうなるか分からないし、タイヤがリムから離れていくのが見えたので、ハラハラしていたよ」

「そこからはとにかく走って、スピードを保とうとした。僕はただ、ちゃんと回れるように、これ以上遅くならないように祈っていた」

「最後のふたつのコーナーはほとんど曲がれなかったけど、無事にチェッカーを受けることができて良かった。チームに感謝している。最終的には、タイヤが剥がれているのが見えたらストップした方が良かったのかもしれないけどね」

 ハミルトンのレースエンジニアであるピーター・ボニントンは、ファイナルラップを通してフェルスタッペンとの差を伝え続けた。ハミルトンはボニントンのおかげで突然の出来事にも冷静に対処することができたと語った。

「もしかしたら驚かれるかもしれないけど、僕はなぜか最後の方でかなり冷静だったんだ」

「ボノ(ボニントン)がギャップについて教えてくれていたんだ。確か30秒くらいあった差がどんどん小さくなっていったけど、僕は頭の中で『よし、じゃあ最後の方にはどのくらい(の差)になるだろう?』と考えていた」

「でもありがたいことに、マゴッツとベケッツの間はうまく曲がってくれたよ。ただターン15(ストウ)では苦しんだから、ギャップが19秒から10秒になったと聞こえた」

「だからターン15と16の間は全開でいったんだけど、そうすると(直後のブレーキングで)止まれなかった。その後の最終コーナーではアンダーステアが出ていて、『(フェルスタッペンとの差が)9、8、7(秒)』と彼が言うのが聞こえたんだ」

「なんてことだ……最終ラップでこんなことを経験したのは初めてだ。心臓が止まってしまうかと思ったよ」

「心臓が止まりそうだったということは、ある意味ではそれくらい僕が冷静だったということなのかもしれないね」

 

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