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アントネッリ、4連勝でチャンピオン獲得も現実味? しかし本人は「まだ早い」と至って冷静……そしてふたりの王者経験者からアドバイス

メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリは、ここまで4連勝と絶好の強さを見せ、早くもチャンピオンの可能性も囁かれているが、本人はまだそのことについて考えたくないようだ。

Andrea Kimi Antonelli, Mercedes

 2026年のF1は、開幕からメルセデスが他チームを圧倒。中でもデビュー2年目のアンドレア・キミ・アントネッリの勢いが凄まじい。ここまで4連勝中で、ドライバーズランキングでも圧倒的首位に立っている。

 しかしアントネッリ本人は、今季のタイトルについては、まだ考えたくないようだ。

 2025年にメルセデスから、満を持してF1デビューを果たしたアントネッリ。その才能は、デビュー2年目になって完全に開花した。第2戦中国GPでF1初優勝すると、その後は連勝街道まっしぐら。第5戦カナダGPも制し、現在4連勝中である。

 そのカナダGPでは、チームメイトのジョージ・ラッセルと息を呑むような激しいバトルを繰り広げた。ラッセルはその道中、パワーユニットにトラブルが発生してリタイア。その後はアントネッリの楽勝とも言える。

 これによりアントネッリは、今季の獲得ポイントを131ポイントとした。2番手ラッセルは88ポイントであり、その差は43。まだ残りは17戦もあるが、早くもチャンピオン獲得の可能性についても語られるようになってきた。

 F1参戦2年目でのチャンピオン獲得に向け、少し余裕ができたのではないかと尋ねられたアントネッリは、こう語った。

「正直に言うと、チャンピオンシップのことは考えていない。今は1戦1戦に集中しているだけだ。その話をするのは、まだ早すぎると思うよ」

「もちろん、今はリードがある。だからと言って、気を緩めて楽をするわけではない。むしろレベルアップし続け、常に目標を高く設定していく必要がある。簡単なことではないし、ライバルもどんどん近づいてきている。ジョージだってとても速い。だから今は自分のことに集中し、ドライビングを楽しみ、できる限り速く走ることだけを心がけている」

 アントネッリが慎重な姿勢を崩さないのも無理はない。というのもカナダGPでは勝利を収めたものの、スプリント予選でも予選でも、最速だったのはラッセルの方だった。もし決勝でトラブルに見舞われなかったら、勝つのはラッセルだったかもしれない。

 なお4度のチャンピオン獲得経験を持つマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、アントネッリの今季の戦いぶりを賞賛。チャンピオンを狙えるチャンスが十分あると語る。

「彼は明らかに素晴らしい仕事をしている」

 そうフェルスタッペンはカナダGP決勝後に語った。

「もちろんチャンピオンシップは長い道のりだし、勝つためにはミスをせず、常に安定した走りを続けることが重要だ。彼はそれを理解しているから、毎週末、最大限の力を発揮し、チームメイトよりも良い走りをするために努力する必要がある。そうすれば、彼にはきっとチャンスがあると思う。まだまだ先は長いけど、彼の走りは本当にうまくいっている」

 フェルスタッペンがF1で初めてタイトル争いに加わったのは、2021年のこと。F1デビュー7年目であった。

 一方で現役ドライバーの中に、F1デビュー2年目でチャンピオンに輝いたドライバーもいる。それがルイス・ハミルトン(フェラーリ)だ。しかも彼は、デビュー1年目からタイトル争いを繰り広げた。

 ハミルトンは2007年にマクラーレンからF1デビューを果たした。チームメイトは前年ルノーで王者に輝いたフェルナンド・アロンソ。そのアロンソを相手に互角の戦いを繰り広げ、タイトルを争った。しかし骨肉のチーム内バトルを繰り広げている間に、フェラーリのキミ・ライコネンが同年のチャンピオンをもぎ取った。

 そのハミルトンは当時のことを振り返り、現在のアントネッリが置かれている立場の方が、自分のデビュー当初よりも健全だと語った。

「僕のことを言えば、2007年がチャンピオンを争った年のひとつだった。本当に大変だったよ」

 ハミルトンはそう語った。

「当時の僕は、キミよりも少し歳上で、22歳だった。でもあの頃は、今とはまったく状況が違っていたように感じるね。例えば僕が当時働いていた職場には、今彼(アントネッリ)が手にしているようなサポート体制はなかったと思う」

「トト(ウルフ/メルセデスのチーム代表)は、適切なサポート体制を整えるのに素晴らしい仕事をしている。僕はまったくそれを感じられなかった。チームのみんなは親切だったけど、僕を支え、精神的に安定させ、導いてくれるような要素は周りにはなかった」

「特に1年目は、本当に大変だった。でも、あの経験を変えたいとは思わないよ」

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