メルセデス、ハミルトンICE交換の理由を説明「過去数年と比べ、出力の低下が激しい……」
メルセデスのトト・ウルフ代表は、ルイス・ハミルトン車のエンジンの性能低下を懸念した結果、グリッド降格ペナルティを受け入れることを決めたと明かした。
写真:: Zak Mauger / Motorsport Images
メルセデスは、サンパウロGPのフリー走行1回目の開始直後に、ルイス・ハミルトンが今季5基目のエンジン(ICE)を使用したことにより、5グリッド降格のペナルティを受けると発表した。
レッドブルのマックス・フェルスタッペンと熾烈なタイトル争いを展開し、残り4レースで19ポイントの差を縮めなければならないハミルトンにとって、このペナルティは大きな痛手だ。
メルセデスはここ数ヵ月、ICEの信頼性に苦しんでおり、メルセデスのカスタマーチームも含めて規定数を超えたコンポーネントを導入し、ペナルティを受けざるを得なかった。ハミルトンのチームメイトであるバルテリ・ボッタスは、4レースで3度ペナルティを受けている。
ハミルトンは第16戦トルコGPでICEを交換し、10グリッド降格ペナルティを受けた。だがメルセデスのトト・ウルフ代表は、前戦メキシコGPの週末に「特定の問題が解消されたため、ハミルトンがさらなるペナルティを受ける必要はないかもしれない」と語っていた。
にも関わらず、ハミルトンがサンパウロGPでペナルティを受けたのはなぜなのか。ウルフ代表はFP1の後、ICEの性能低下が顕著だったことから、変更を決断したとSky Sports F1に説明した。
「我々のエンジンは、シーズン終了までパワーが落ち続けるというデグラデーションを抱えている」
「それがなぜなのかはまだ分かっていないが、徐々に性能が下がっているのは事実だ」
「走行距離が1000kmを超えると、エンジンが劣化し出力が落ちるのを過去何年も見てきた。だが我々のエンジンは過去数年の平均値よりもはるかに劣化が激しく、週末ごとにその影響が大きくなっている」
「だから、もしエンジンをそのままにしておけば、(シーズン最後の2レースである)サウジアラビアとアブダビでは確実に競争力を失うことになるだろう」
ウルフは、今季残りの4レースで新しく導入したものとこれまで使ってきたもの、計2基のICEが使用できると述べている。トルコGPで導入したICEは、すでに3レース使用してきており、フリー走行やパワーの重要度が低いレースで使用していくことになりそうだ。
サンパウロGPは、スプリント予選レースが行なわれるフォーマットだ。ハミルトンは金曜日のノックアウト予選でトップタイムをマークしたが、スプリント予選レースのフィニッシュ位置から5つポジションを落とし、決勝レースをスタートすることになる。
ウルフは、今回グリッド降格ペナルティを受けることで、チームにチャンスがあると捉えているサウジアラビアGPに良い状態で臨めることから、チャンスにつながる可能性があると期待しているようだ。
「サウジもいいチャンスがあると思うが、その時までにパワーが落ちていたはずだと考えている」
「だから我々のシミュレーション的に、ここはそう(ICEを交換)する適切な場所なんだ」
ただ、ハミルトンのマシンはDRSの技術規定違反の疑いが出ている。土曜日午前に行なわれるヒアリングを経て、違反が認められればスプリント予選レースを最後尾からスタートしなければならない可能性もある。
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