F1 バーレーン・プレシーズンテスト

メルセデス、ロケット技術を応用して新しい”超小型”サイドポンツーンを実現した?

F1の最高技術責任者であるパット・シモンズは、メルセデスはロケット技術を応用した冷却技術を採用することで、W13の超小型サイドポンツーンを実現することができたと語った。

Adam Cooper

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編集: 2022/03/12 5:56

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George Russell, Mercedes W13

 メルセデスがF1バーレーンテストに持ち込んだマシンのサイドポンツーンは、バルセロナテストの時のモノとは大きく異なり、非常に小型で、革新的なデザインだった。

 これについてレギュレーション違反であるという声は現時点ではそれほど大きくなく、最大のライバルであるレッドブルも「合法だ」と認めている。しかしそれ以上に疑問なのは、これだけ小さなサイドポンツーンで、必要な冷却を行なうことができるのかという点だ。

 かつてはベネトンやルノーなどで活躍したエンジニアであり、現在ではF1の最高技術責任者を務めるパット・シモンズは、このメルセデスW13について説明。航空宇宙産業から派生したデザインにより、超効率的な冷却システムをパッケージ化したことで、メルセデスは超小型のサイドポンツーンを生み出すことができたと語った。

「これは非常に斬新なアプローチだ」

 シモンズはF1 TVのインタビューでそう語った。

「私は、斬新な解釈を目にするのが大好きだ。今回のモノは、我々が予想していたモノではないと言わざるを得ない。そして、私はまだ、彼らがマシンを冷却するために空気を通している方法については、本当に感銘を受けている。彼らはそれをやってのけたんだ」

「ライバルたちは、レギュレーションを見直すことになるだろう。そして、そこでメルセデスが何をしたのかを理解するはずだ」

 シモンズは2022年のテクニカルレギュレーションを作成した主要人物のひとりだ。しかし彼は昨年、2022年マシンのフルサイズモデルを作成した際には、より大きなラジエター用吸気口が必要だと考えていたことを認めた。

「我々が考えていたよりも、少し過激だったと思う」

「このレギュレーションの空力を開発する上では、ダウンフォースだけではなく、ブレーキの冷却やタイヤのオーバーヒートなど、多くのことを検討する必要があった。特にエンジンの冷却には、目を向ける必要があったんだ」

「そのため我々は、W13よりも大きな冷却用の開口部を想定していた。メルセデスは、この点で役立ついくつかの小さなトリックを用いたんだ」

「例えばインタークーラーは、非常にスッキリしたデバイスだ。それは水や空気で冷却するものであり、もちろんメルセデスはしばらくの間使っている。でも、今回採用されたモノはそれとは少し違うと思う」

「だからこそ、他のマシンよりも少しだけこのマシンを小さくすることができたのだろう」

 このインタークーラーについてシモンズは、さらに次のように説明する。

「このインタークーラーは、オックスフォードシャーのリアクション・エンジンズからもたらされたモノだと思う。彼らは、吸気式のロケットエンジンなどを手掛けている人たちだ。そしてF1向けに派生させ、非常に効率的な熱交換技術が出来上がったのだ」

「それが彼らが今回のマシンを生み出すことができた理由の一部だと思う」

 シモンズは、全てのチームがサイドポンツーンを小型化することに注力していると語った。

「それは我々が目にしているトレンドのひとつだ。新しいレギュレーション特有のモノではないと思うが、サイドポンツーン内部をパッケージ化するのは、非常に難しいことであるのが分かる」

「サイドポンツーンの中には何があると思う? ラジエターや熱交換器が置かれているだけだろうか?」

「実際にはサイドポンツーンの内部には、他にもたくさんの電子機器が存在する。一部のチームは、それらの電子機器を別の場所に移動させていると思う」

 シモンズ曰く、メルセデスのW13は、サイドポンツーンとその冷却を除けば、予想された範囲内のモノであるという。

「その他の部分はかなり伝統的な形状であると思う。フロントウイングの処理などは、我々が予想していたモノだ」

「リヤウイングについてもそうだ。多くのチームが採用しようとしている、下部のビームウイングと呼ばれるリヤウイングの下部には、少し角度の変化はあったけどね。でもこれも、他のチームもやろうとしていることだ」

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