レッドブル代表「メルセデスのPUパワーアップには驚かされた」低ダウンフォース仕様で対抗も限界か?
レッドブルはタイトル争いのライバルであるメルセデスが、エンジン出力の面で“驚くべき”前進を果たしていることに悩まされていると語った。
2021年シーズンのF1タイトル争いは、メルセデスとレッドブルの一騎打ちとなっている。しかし第16戦トルコGPではメルセデス勢が速さを見せ、レッドブルを引き離す速さを見せた。そのためマックス・フェルスタッペン(レッドブル)はバルテリ・ボッタス(メルセデス)にプレッシャーをかけることができず、逃げ切りを許す結果となった。
レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、ここ数週間でメルセデスとのタイトル争いの状況が変化しつつあると話す。曰く夏休み明けのベルギーGPからメルセデスが投入したパワーユニットにより、ストレートスピードが向上したと考えているのだ。
パワーの面で優位に立つ相手に対し、これまでレッドブルはマシンのダウンフォースを削減することで空気抵抗を抑えて対峙してきた。しかし今では、そうした対抗策では2チーム間の差は埋めがたいほどに大きな物となっているという。
実際、トルコGPでもメルセデスの速度は図抜けており、ルイス・ハミルトンはよりダウンフォースの発生するタイプのリヤウイングを装備していたにも関わらず、バックストレートでセルジオ・ペレス(レッドブル)を追い越すことができていた。
「彼らのストレートスピードは、最近になり大きく向上してきた。我々は彼らに対して、これまではより小さなウイングを装備することで対抗することができていた。だが今は近づくことができないんだ」
ホーナー代表は、メルセデスが持つアドバンテージについて訊かれると、そう答えた。
「特にこのサーキットではそれが見られた。ルイスはより大きな(ダウンフォースをつけた)リヤウイングを装着していても、ストレートで大きなアドバンテージを手にしていた」
「我々は自分たちのパッケージから最大限の力を引き出すことが必要だ。そして先程話したように、彼らがパワーユニットの面で大きな前進をしてきたことには驚かされた」
そのメルセデスは今季、パワーユニットの信頼性の問題に悩まされていたが、トルコGPではハミルトンに4基目のICE(エンジン)を投入。これによってPUの寿命にも余裕ができ、残るレースに向けた懸念は大幅に解消されたと言えるはずだ。
そしてトルコGPでのメルセデスの強さは、次戦アメリカGPでの彼らの強力さを予感させるものでもある。舞台となるサーキット・オブ・ジ・アメリカズは、ここ数年メルセデスが強力なパフォーマンスを示してきたサーキットだ。ただその後には、レッドブルに有利と見られる、高地で行なわれるメキシコGPとブラジルGPとが控えている。
ホーナー代表は現在の状況は予断を許さないものであり、チームとしていかなるチャンスも逃すことはできないということを示していると話した。
「次はここ数年ハミルトンの“庭”とも言えるオースティンで行なわれる」
「だがその先はメキシコ、そしてブラジルと、過去に我々がかなりの強さを示してきた場所であり、その傾向が(今年も)あることを願っている。そして、終盤3戦でどうなるかは我々にも予測がつかない」
「とても興味深いレースになるだろう。だが我々は最高のパフォーマンスを示さねばならない」
「ここトルコでは、素晴らしいピット作業や良い戦略によって、最大限の結果を得ることができた。その点はポジティブなことだった。このコースはメルセデスにとって、完璧なペースのある場所だったからね」
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