メルセデスのふたつ目の抗議も棄却。フェルスタッペンの王者獲得が確定……しかしメルセデスは上訴の意向

F1アブダビGPのレーススチュワードは、メルセデスによって提出されたセーフティカーラン解除時の手順についての抗議について、棄却することを決定。これによりフェルスタッペンが正式に勝者となり、2021年のドライバーズタイトルを確定させたことになる。

メルセデスのふたつ目の抗議も棄却。フェルスタッペンの王者獲得が確定……しかしメルセデスは上訴の意向

 メルセデスは、F1最終戦アブダビGP決勝のセーフティカーラン終了時の手順がFIAのF1スポーティングレギュレーションに違反しているとして抗議を提出したが、聞き取り調査を行なった結果、FIAのレーススチュワードはこの抗議を棄却することを決定。これにより、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)のアブダビGP優勝と、2021年のドライバーズタイトル獲得が、事実上決定したことになる。

 F1アブダビGPのレース終盤、ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)のクラッシュによりセーフティカーが出動。このセーフティカーは残り1周というところで解除され、同セーフティカーラン中にタイヤを交換したフェルスタッペンが、それまで首位を走っていたルイス・ハミルトン(メルセデス)をオーバーテイクし、トップチェッカーを受けた。

 しかしメルセデスは、セーフティカー解除時の手順がF1スポーティングレギュレーションに違反していると主張し抗議。レース終了から2周前の時点での順位を最終結果とするよう求めた。

 スチュワードが発表した声明(ドキュメント58)によれば、メルセデスは「先頭車両に周回遅れにされていたすべての車両は、先頭車両と同一周回(リードラップ)にいる車両およびセーフティカーを追い越すことが求められる」そして「最後に追い越された車両が先頭車両を追い越したら、セーフティカーは次の周回の終了時点でピットへ戻る」とスポーティングレギュレーション第48条12項で規定されているが、今回の手順はそれに違反していたと主張したという。

 事実今回のレースでは、セーフティカーラン解除時には首位ハミルトンと2番手フェルスタッペンの間にいた周回遅れのマシン5台のみがセーフティカーを抜いてリードラップに戻るように指示が出された。そしてフェルスタッペンはハミルトンの真後ろにつくことができ、最終ラップのオーバーテイクに繋がったわけだ。

 メルセデスはこれが守られていれば、ハミルトンがレースに勝ったはずだと主張。FIAの国際モータースポーツ競技規則の下、レース結果を修正するように要求したのだ。

 スチュワードはこれに対し、その条文は完全には適用されなかった可能性があると述べたものの、第48条13項の条文で12項の条文を無効にできるとした。

 第48条13項には、次のように記されている。

「競技長がセーフティカーを呼び戻しても安全であると判断した時は、”SAFETY CAR IN THIS LAP(セーフティカーはこの周回で入る)”のメッセージが公式メッセージ送信システムにより全競技参加者に送信され、セーフティカーはすべてのオレンジ色の灯火を消す。これはセーフティカーがその周回が終了した時点でピットレーンに入ることの競技参加者およびドライバーへの合図となる」

 またF1のレースディレクターであるマイケル・マシも聞き取りに出席し、レースをセーフティカー先導ではなく、できるだけ”グリーンフラッグ”の状態でフィニッシュさせることが非常に望ましいということは「全てのチームが長いこと合意していたこと」だと語ったという。

 またスチュワードは、次のような理由を語り、メルセデスの抗議を棄却した理由を明確にした。

「メルセデスはスチュワードに対し、最後から2番目の周回が終わった時点でのポジションをレース結果に反映させることにより、問題を修正することを求めた。これはスチュワードにとっては、レースを遡り、短縮することになると感じられるステップだ。従ってこれは適切ではない」

「そのため、抗議は棄却される」

 なおメルセデスは、セーフティカーラン解除直前に、首位を走るハミルトンを2番手のフェルスタッペンが一時的に追い抜いたとも主張。これについても抗議を提出していたが、同様に棄却されている。

 このふたつの抗議が棄却されたことで、フェルスタッペンのアブダビGP優勝と、2021年のF1ワールドチャンピオン獲得が事実上決まった。

 ただメルセデスは、この抗議棄却を不服として上訴する構えを見せている。同チームの広報担当者は、「我々はドキュメント58のチームの抗議を棄却するというスチュワードの決定に対して、上訴する意向を提出した」と語っている。

 この手続きを継続し、FIAに正式に上訴するするかどうかについては、メルセデスに96時間の猶予が与えられることになっている。

 
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