2021年のF1シンガポールGP、開催中止へ。代替レース開催を検討中も前途多難
2021年シーズン第16戦に予定されていたF1シンガポールGPが、新型コロナウイルス蔓延に伴う渡航規制によって開催中止が決定し、F1側は代替案を模索することになった。
写真:: Joe Portlock / Motorsport Images
マリーナベイ市街地コースで行なわれる予定だったF1第16戦シンガポールGPが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う渡航規制によって中止が決定したようだ。
このニュースはBBCによって最初に報じられたが、motorsport.comが情報筋に確認を取ったところ、シンガポール当局は、渡航制限がある状態でレースを実施することはできないと判断したという。
新型コロナウイルスの蔓延を防ぐため、シンガポールは厳しい入国規制を敷いており、数千人規模のナイトレースを開催することは不可能だと結論づけたようだ。
シンガポールGP開催可否に関する公式発表はまだないものの、F1の広報担当者は、F1の商業権者がプロモーターと協力して、全てのスケジュールを履行出来るように尽力していたと明らかにしている。
「流動的な時期ではあるが、我々はすべてのプロモーターと協力を続け、必要に応じた対応を取るために多くの選択肢をもっている」と広報担当者は語る。
F1側はシンガポールGPの代替案を複数持っていると言われているが、その中のどれを採用するかについてはまだ決定が下されていない。
今年の最初の段階で中止が決まったトルコと中国が候補に挙がっているほか、アメリカでの2レース目の開催もあり得る。
シンガポールGPは当初、第15戦ロシアGPと第17戦日本GPに挟まれる形で、3連戦のひとつとして10月3日に組み込まれていた。したがって、もしシンガポールGPの代替レースが10月3日に開催されるのであれば、地理的な面も考慮する必要がある。
ただし、日本GPを一週間早めて10月3日に開催することができれば、その2週間後である10月17日にアメリカ・オースティンでのレースを開催し、10月24日のアメリカGPと合わせてオースティン2連戦にするということも理論上は可能だ。しかし10月3日はツインリンクもてぎでMotoGPの日本GPが予定されているため、それは現実的ではないかもしれない。
現在では複数の国において、渡航制限をはじめとする諸問題に直面しており、F1側もフライアウェイ戦が続くシーズン後半に向けて、カレンダーを確定させることが難しい状況が続いている。
ブラジル、トルコ、アラブ首長国連邦は現在イギリスの“レッドリスト”(渡航などを制限する国のリスト)に入っている。F1では多くのチームがイギリスに拠点を構えているが、仮にレッドリスト対象国でグランプリが開催される場合、チームスタッフはレース後イギリスに帰国する際に10日間の検疫を受ける必要がある。
またオーストラリアも海外からの渡航者の受け入れには慎重な姿勢を見せており、11月21日のオーストラリアGP開催日までの間、どのくらいこの状況が続くのか、注目が集まっている。
トルコGPの中止を受けて、6月下旬から7月上旬にはオーストリアのレッドブルリンクでの2連戦が予定されているが、F1が昨年同様にヨーロッパの同一サーキットでの2連戦を組み込んだのは、後半に予定されているレースのいくつかが開催不能となる可能性を鑑み、できる限りのレース数を確保しようとした結果の動きであると考えられている。
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