フェラーリF1、ポーパシング解消の解決策を見つけた? オーストラリアで小変更されたディフューザーをテスト
今季開幕3戦で2勝を挙げ、絶好の形でシーズンをスタートさせたフェラーリ。しかし彼らもまた、ポーパシングに苦しめられている。これを打開するため、オーストラリアGPではディフューザーに小さな変更を加えていた。
Ferrari F1-75 diffuser detail, Australian GP
Giorgio Piola
ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
Analysis provided by Giorgio Piola
2022年シーズンも3戦を終え、フェラーリが高い競争力と安定性を示している。ここまでの3戦でシャルル・ルクレールが2勝を挙げ、ランキング首位。速さの面では直近のライバルと言えるレッドブル勢が信頼性の問題で苦しんでいるため、まさに絶好の形でのシーズンインとなったと言えるだろう。
しかし彼らもまた、ライバルと同じようにポーパシングに悩まされている。ただこれを打破するためにフェラーリは、オーストラリアGPのフリー走行で若干の変更を加えたディフューザーを試していた。これが目指していた効果を発揮しているのであれば、フェラーリの強さは揺るぎないモノになっていくかもしれない。
レギュレーションが大変更された2022年のF1。フェラーリのF1-75はテストから高い戦闘力を発揮し、大きなアップデートを行なっていないにもかかわらず、シーズンが開幕するとより強く、速くなったようにも感じられる。
チームは、第4戦エミリア・ロマーニャGPではスプリント予選が行なわれるためフリー走行が少なく、アップデートを投入するのには適していないと判断。大規模な新開発パーツの投入は、さらに先になる見込みだ。
しかしそんな中でも、細かいアップデートは常に施されている。フェラーリは速さを見せているとはいえ、他の多くのチームと同様、ポーパシングに悩まされており、この解決が現在の最大の焦点であることは間違いないようだ。
チーム代表のマッティア・ビノットは、このポーパシングを解消するために、微調整を施していることを示唆する。
「これまでに抱えている問題を軽減するように努めている」
そうビノット代表は語る。
「週末のパフォーマンスに影響を与えた、ポーパシングとバウンシングについて考えているところだ」
「だから我々は、その特定の部分に取り組もうをしている。しかし、アップグレードなど……大規模なモノの投入は、シーズン後半になるだろう」
ビノットの示唆する問題軽減のための秘策は、どうもディフューザーにありそうだ。オーストラリアGPのフリー走行1回目では、シャルル・ルクレールのマシンに小さな変更が加えられたディフューザーが取り付けられていた。
通常、ディフューザーの中央部は、フロア下のプランクが取り付けられている箇所から、衝撃吸収構造の後端に沿うような形で上方に続くような形状になっている。しかしフェラーリはこの微調整版のディフューザーで、その中間地点に緩やかな段差を付け加えてきたのだ。
おそらくこの変更の目的は、リヤエンドの安定性を高めるというところにあるだろう。おそらく、絶対的なダウンフォース量は犠牲になるはずだが、変更された形状により、特定の車高になった時などには、ダウンフォースを増加させる場合も考えられる。ひいては、ポーパシングを抑えることにもひと役買っている可能性もある。
このディフューザーの効果が、フェラーリが期待した通りのモノであるならば、次のレースでは2台に搭載される可能性がある。
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