F1エミリア・ロマーニャGP緊急任務! イモラのヌシ『フォルムリーノ君』を攻略せよ

F1第2戦エミリア・ロマーニャGPの舞台となるイモラ・サーキットには、パドックのヌシがいる。彼に気に入られることが、このレースを制する鍵になるかもしれない……。

F1エミリア・ロマーニャGP緊急任務! イモラのヌシ『フォルムリーノ君』を攻略せよ

 3週間前にバーレーンで行なわれた2021年の開幕戦は、メルセデスのルイス・ハミルトンとレッドブルのマックス・フェルスタッペンが激闘を繰り広げた。両チームは今シーズンを通じて、僅かな差が結果を左右する可能性があると認識しており、幸運をもたらす存在は大歓迎だろう。

 欧米では黒猫を不吉の象徴とする迷信があり、特にイタリアではその傾向が強い。一方、イギリスの一部地域では逆に幸運の象徴ともされている。だがイモラで愛されている”幸運の象徴”は全世界対応。それがグレーのトラ猫、フォルムリーノ君だ。

 コロナ禍の影響で昨年、14年ぶりにF1グランプリが開催されたイモラ。それまで、フォルムリーノ君のことはあまり知られていなかった。しかし木曜日になってパドックで様々な準備が行なわれ始めると、彼は各チームのガレージの常連になった。そして、”自分のパドック”に入ってくる人たちに目を光らせていたのだ。

 当時フェラーリのドライバーだったセバスチャン・ベッテルは、スカイスポーツの取材を受けた際、プレゼンターのテッド・クラビッツに「彼があなたを見に来ています。幸運ですよ」と、背後を歩くフォルムリーノ君について話を向けられた。

 しかしベッテルはそれほど乗り気ではなかった。「僕は猫が好きじゃないんだ」と答えたのだ。

「あげられるモノは何も持ってないしね。彼は少し太り気味みたいだし……」

 

 一方、フォルムリーノ君にはるかに気に入られていたのが、ハミルトンだ。フォルムリーノ君はハミルトンにすぐに挨拶をしに行き、ハミルトンも彼の身体や頭を撫でていた。

 フォルムリーノ君の興味が薄れてきたことを察したハミルトンはその場を立ち去ったが、猫を相手にする上ではそれも正解だったのかもしれない。メルセデスはチームのツイッターに『イモラの猫に祝福された』とツイートした。

 

 そして行なわれた決勝レースの結果を見るに、フォルムリーノ君は幸運をハミルトンにもたらしたと言ってもいいかもしれない。

 ハミルトンはスタートでひとつポジションを落とし3番手。しかし、第1スティントを伸ばしていた彼にとって絶好のタイミングでバーチャルセーフティカーが出るという展開が味方し、フェルスタッペンとチームメイトのバルテリ・ボッタスを逆転、優勝を飾った。

 一方、ベッテルは不運に見舞われた。ホイールナットのトラブルによりタイヤ交換で10秒以上タイムロス。フェラーリで戦うイタリア最後のレースを12位ノーポイントで終えた。

 フォルムリーノ君の”実績”はまだ1レースだが、レースの行方を左右する力を持っているのかもしれない。ツイッターでは、ベッテルとフォルムリーノ君のライバル関係は今週末に決着をつけなければならない戦いのひとつだと話題になっている。

 

 昨年のイモラでの活躍以来、フォルムリーノ君はハミルトンの愛犬ロスコー君や、アレクサンダー・アルボンがインスタグラムに投稿している愛らしい動物たち(筆者のお気に入り)のように、F1界の有名ペットの仲間入りを果たした。

 イモラのオーナーを自称するフォルムリーノ君のインスタグラムアカウント(@formulinotheking)には、今年のグランプリ開催に向けたミーティングに参加している写真があがっている。サーキットのオーナーが近くにいる時、そのコースで良いレースをしたいなら、最適な行動をとることが求められるのは当然だろう!

 

 今週末のレースに向けて、F1はフォルムリーノ君に特別なVIPパドックパスを用意した。周知のように、パドックへの出入りは、新型コロナウイルスの規制によりかなり厳しく規制されている、しかし、フォルムリーノ君は自由に出入りすることができる。彼を止めることができる者はいないのだ。

 フォルムリーノ君のパスには、イモラのスタッフ関係者と記載されており、彼のポジションはずばり『キャット』。イベントの全日程に参加できる。パスの印刷されている写真もバッチリ決まっている。

 イモラでは、各チームのアップグレードやフロア、ハイレーキとローレーキのマシンの違いなどが話題に挙がるだろうが、フォルムリーノ君はそれらのどれよりも強力な話題だと言える。さて、フォルムリーノ君はもう一度ハミルトンのもとを訪れ、祝福を授けるのか。それとも、フェルスタッペンが新たに幸運をおすそ分けしてもらえるのだろうか? 日本のファンとしては、F1デビュー2戦目を迎える角田裕毅(アルファタウリ)が猫アレルギーではないことを祈るべきなのかもしれない。

 
 

 

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この記事について

シリーズ F1
執筆者 Luke Smith