F1 日本GP

日本人F1初優勝に近付く、角田のレッドブル加入。30年前トップチーム入り逃した片山右京「お前が戦犯と言われてきたけど……彼に変えて欲しい」

元F1ドライバーの片山右京は、レッドブル加入を果たした角田裕毅について、日本人ドライバーがF1で優勝できないという歴史に終止符を打って欲しいと期待を寄せた。

戎井健一郎

編集: 2025/03/31 3:23

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Ukyo Katayama, #4 グッドスマイル 初音ミク AMG

写真:: Masahide Kamio

 日本人ドライバーがF1トップチームに乗る瞬間がついに訪れた。角田裕毅が、第3戦日本GPからレッドブル・レーシングに加入することになったのだ。レッドブルは昨年マックス・フェルスタッペンがドライバーズタイトル4連覇を勝ち取った紛れもない強豪チームであり、角田にとっては大きなチャンスとなる。

 ただ、この人事を手放しで喜べないという声もある。そもそも角田が姉妹チームのレーシングブルズからレッドブルに移ることになったきっかけは、前任であるリアム・ローソンの大不振。ローソンもF1での経験が浅いとはいえ、決して評価の低いドライバーではない。そのローソンがほとんどのセッションで最下位付近に沈んでいることから、レッドブルRB21はフェルスタッペン以外乗りこなせないのでは……と心配してしまうのも無理はない。

 元F1ドライバーの片山右京も、角田のレッドブル移籍は喜ばしいとしながらも、程なく口をついて出たのは心配の言葉だった。

「ローソンのこと、ペレス(ローソンの前にレッドブルに乗っていたセルジオ・ペレス)のことを考えると、『あのクルマ大丈夫か』って」

「あのチームに乗れることは単純にすごいことで、ついにそういう時代が来たのかという思いです。ちょっと変な言い方だけど、こっちが緊張するというか、親心のような心配もあって……クルマ、チームが信用できないのもあります」

「ただ、シーズンを通してあんな最後尾の方になるとは思えない。最初から真ん中の方を走れば評価は上がるだろうし、そこからクルマが良くなってセッティングも決まってくれば、それこそみんなが待ち望んでいた、日本人が初めて勝つ日がいよいよ来るかもしれないでしょ? だからそこは楽しみでしょうがないね」

 片山が言うように、未だかつて日本人ドライバーがF1で優勝したことはない。最高位は鈴木亜久里、佐藤琢磨、小林可夢偉が記録した3位。しかし遡ること30年前、日本人がトップチーム入りして優勝を争うチャンスが生まれそうになったことがあった。

 片山がベネトンから1995年の参戦オファーを受けていたという話は、往年のF1ファンにとっては有名なエピソードだ。ベネトンは当時のトップチーム。1994年はミハエル・シューマッハーがドライバーズタイトルに輝き、ルノーエンジンを手にした1995年はシューマッハーとチームがダブルタイトルを手にしている。

写真: Motorsport Images

 首を縦に振りさえすればシューマッハーのチームメイトになれた片山。ただ、当時ベネトン、そして片山の所属チームであるティレルの両方に『マイルドセブン』のブランドでスポンサードしていたJTの意向を確認するため、ベネトン側から求められていた“即答”に応えられないという事情もあった。それ以上に、片山が前年にティレルで何度も上位争いに顔を出していたこともあり、やや戦闘力の劣るマシンで勝つことへのこだわりもあったという。そういった様々な思惑があり、片山のベネトン入りは実現しなかった。

 そんな片山は、世間的には『角田はレーシングブルズに残留した方が良かったのでは』という意見もある一方で、レッドブルに乗るべきだと語る。

「乗るには乗るべきだと思います。あれだけワールドチャンピオンをとっているドライバーが勝てない……そうなったら『あのクルマおかしいよ』と(いう論調に)なるし。でも乗っている限りチャンスは来るから、絶対行った方がいい」

「僕は変な理由で断っちゃったりで、最終的には(トップチームに)乗れなかったけど、そんな昔の話をしてもしょうがない。大谷翔平選手や三苫薫選手、色々なスポーツでスター選手が出ている時代に、F1でなぜ日本人が勝てないのか? そんな状況を打破しないといけません」

「僕が(ベネトンに)乗っていたら、ジョニー・ハーバートのように1回くらいは勝てたかもしれない。だから『お前が戦犯だ。その(未勝利の)系譜を絶ってたはずなのに』という言われ方をしたこともあったけど、ここで角田君に全て変えて欲しいですね」

「同じ日大三高出身だし(笑)。あとは祈るばかりだね」

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