オコン、“スランプ”脱し初優勝。シャシーの変更が奏功も、アルピーヌは不調の原因を完全解明できず
アルピーヌのエグゼクティブディレクターであるマルチン・ブコウスキー曰く、チームはエステバン・オコンが一時的なスランプに陥った原因を完全には把握できなかったようだ。
波乱のハンガリーGPを制し、F1初優勝を挙げたエステバン・オコン(アルピーヌ)。彼は今季ここまで順風満帆なシーズンを送っていたわけではなく、中盤から厳しい状況に直面していた。
オコンは第4戦スペインGPで予選5番手を獲得したが、続くモナコ、アゼルバイジャン、フランスでは予選Q2敗退。その後状況はさらに悪化し、オーストリアで行なわれた2連戦では共にQ1落ちの憂き目にあってしまった。
アゼルバイジャンから4戦連続無得点に終わるなど、“スランプ”に陥ってしまったことにアルピーヌもオコン自身も困惑していたが、彼らは第10戦イギリスGPを前に、シャシーを含めた様々なパーツを交換するなど、抜本的な変更を実施した。
その結果、オコンは再びマシンとの一体感を感じられるようになり、イギリスGPは9位に入り久々のポイント獲得。ハンガリーではQ3に進出し、荒れたレースを生き残り前述の優勝を手にすることになった。
アルピーヌはオコンを取り巻く状況が好転し、ハンガロリンクで優勝のチャンスを掴むに至ったことを嬉しく思っているが、その一方で彼がなぜスランプに陥ったのかを完全に把握することができていない。フロントサスペンションには小さな問題が見つかったとのことたが、それだけでは大きなパフォーマンスの向上を説明することができない。
アルピーヌのエグゼクティブディレクターであるマルチン・ブコウスキーは、motorsport.comに対して次のように語った。
「何が問題だったのか、我々は正確には分からなかったと言っていい」
「マシンに問題があり、ドライバーとマシンのコンビネーションがうまくいっていなかったのは明らかだった」
「そのため我々はマシンにできる限り変更を加えることを決めた。原因が分かっていなくて、パーツを変えられるなら、そうしない理由がないだろう?」
「シャシーを変えていくつかテストを行なったが、剛性の面でも、シャシーに問題がある時に見られるようなものは何も確認できなかった。フロントサスペンションに小さい問題が見つかっただけで、それは軽微なものだった。ただ、そういった小さなことが重なって、エステバンが言っていたような症状に繋がったのだろう」
「それがラップタイムに影響を与えるようなものだったかまでは分からない。でも実際には、些細なことでマシンが不安定になり、結果としてドライバーが自信を失ってコンマ数秒のロスに繋がってしまうことはある」
「実際のところ、完全な答えを出すことはできない。しかし、我々が小さな異常を見つけたのは確かだ」
オコンのスランプがどのようにして起こったのか、正確な理由を把握することはできていないアルピーヌだが、チームとしてはオコンがベストな状態に戻れたことが何よりも大事なことだとブコウスキーは語る。
「変更を施し、エステバンがマシンに対する自信を取り戻せたことで、彼は競争力も取り戻すことができた」
「それが今後に向けて重要なことだと思う。彼はシルバーストンのフリー走行からマシンに満足していた。そして以前彼が言っていたような問題はもうないと感じていたんだ」
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