最強エンジンを手にしたレッドブル、しかしそのせいで逆に八方塞がりに……フェルスタッペン「スパでも同じように苦労すると思うよ」
電気エネルギーの使用量が多いサーキットは、レッドブルにとって大きな課題となっており、スパ・フランコルシャンやモンツァでも同じような課題に直面するとローレン・メキーズ代表は予想している。
Max Verstappen, Red Bull Racing
写真:: Sam Bagnall / Sutton Images via Getty Images
レッドブルは、初めて自社で開発したエンジンの出力に関しては全メーカー中トップとなったが、電動部分に関しては課題を抱えているようだ。
マックス・フェルスタッペンによれば、特に電気エネルギーの使用量が多いサーキットではその課題が顕著になり、よりエネルギーマネジメントが重要になるという。
先日行なわれたイギリスGPでフェルスタッペンは、リヤウイングのアクティブエアロの不具合が原因と見られるスピンを喫し、決勝レース終盤にリタイア。しかしそれまでは3番手を走っていた。外部から見ればかなり有望な走りにも思えたが、フェルスタッペンとしては全く満足いく内容ではなかったようだ。
「たとえ3位でフィニッシュできていたとしても、まったく実力には見合わないよ」
そう語るフェルスタッペンが苦労していたのは、マシンのバランスとパワーユニット(PU)。そのため、イギリスGPの決勝に向けてPUを交換、セッティングも変更して、ピットレーンからスタートすることを進言していた。しかしそれ以上に、レッドブルの今季マシンには、シルバーストンのコースレイアウトが合わなかったと、フェルスタッペンは語っている。
その理由は主にふたつある。レッドブルは高速コーナーを得意としていないが、シルバーストンにはそういうコーナーが数多く存在する。
そしてレッドブルは、エンジンこそハイパワーだが、エネルギーマネジメントやオペレーションの面では効率的とは言えず、その点がスパでも問題になる可能性がある。
スパ・フランコルシャンは、長いストレートと高速コーナーがコースの大部分を占める一方で、エネルギー回生に役立つブレーキングポイントは限られている。そういう意味ではレッドブルにとっては厳しいコースと言えるだろう。
「スパとモンツァは素晴らしいレースになるだろうね」
フェルスタッペンは皮肉を込めてそう語った。
「スパは僕が大好きなサーキットのひとつだから、本当に残念だ。でも、今年は全く違う感じになるだろうね」
■エンジンが最強であることが足枷に??
Verstappen felt a podium finish at Silverstone would have been undeserved, given all the problems Red Bull had faced
Photo by: Andy Hone/ LAT Images via Getty Images
ローレン・メキーズ代表も、レッドブルにとってスパ・フランコルシャンが厳しい試練となるだろうというフェルスタッペンの予想に同意した。
「1週間前(オーストリアGP)は優勝争いをしていた」
そうメキーズ代表は語った。
「その数日後、ここシルバーストンでは、マシンの性能を最大限に発揮できないほどの大きな制約に直面した」
「シルバーストンのようなコースでは、その影響がさらに大きくなると思う。エネルギーが不足するようなコースでは、我々は特に苦戦しているようだ」
「エネルギーが不足する可能性の強いコースでは、ライバルに比べて苦戦しているように見える。その点では、スパもおそらく同じカテゴリーに入るだろう」
当然レッドブルは、シルバーストンのデータを分析し、同サーキットにおけるPUのエネルギーマネジメントを最適化するために尽力した。しかしメキーズ代表は、2週間以内に状況が劇的に変わる可能性は低いだろうと認識している。
「諦めて次に進むという意味ではない」
そうメキーズ代表は付け加えた。
「遅かれ早かれ、改善が必要になるということだ。360度あらゆる面で改善していく必要がある。それが我々が日々取り組んでいることだ。今週末は、このようなサーキットで少しでも前進するために活用したい。スパに向けて、少しでも前進できていることを期待している」
とはいえレッドブルにできることには限界がある。
前述の通りレッドブルが使っているレッドブル・パワートレインズのPU”DM01”は、エンジンの出力が最高であると認定された。そのため、ADUOによるアップデートを実施できない。ADUOはICEの出力のみを計測して対象/非対象が判断されるが、ADUOの対象となった場合には、エンジンのみに限らず電動部分に関してもアップデートが可能だ。
レッドブルが今後も最強エンジンの座を維持すれば、行き詰まってしまうことになるだろう。電動部分に課題を抱えていたとしても、彼らには改善するための手段がないのだ。さらに悪いことに、レッドブルが首位の座を失うかどうかは、ライバルがADUOのアップデートによってエンジン出力をあげてくるかどうかにかかっている。
つまりレッドブルにとっては短期的な解決策などなく、スパとモンツァは大きな試練となるだろう。
ただレッドブルは、低速コーナーが連続し、PUへの要求が少ないハンガロリンクに期待をかけている。
「チームは非常に早いペースで学習していると信じている。まだ1年目だから。今後はエネルギーが不足するコースでもうまく攻略してくれるだろう」
そうメキーズ代表は楽観的な見方を示した。
「ハードウェアの制約はあるかもしれないが、我々が高速コーナーでのコーナリングに長けていることは分かっている。スパではもう少し良い状態になれることを願っているが、おっしゃる通り、コース特性という点ではシルバーストンとかなり似ているはずだ」
「そしてブダペストでは、違った結果を見せてくれることを期待している」
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