アブダビGPの論争に終止符。メルセデスF1代表、レースコントロールの「必要不可欠な」体制変更に満足
メルセデスF1でCEO兼チーム代表を務めるトト・ウルフは、昨年の最終戦アブダビGPでの混乱に関するFIAの調査に基づくレース運営体制の変更に「前向き」だとして、体制の変更は「必要なモノ」だったと考えている。
メルセデスF1のトト・ウルフ代表は、F1のレースコントロールに関する体制変更は「必要なモノ」だったと考えている。
FIAは、ルイス・ハミルトン(メルセデス)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)のふたりによる昨シーズンの“頂上決戦”が物議を醸す形で決着したことを受けて、その原因となったレース運営体制に関する調査を実施。モハメド・ビン・スレイエム会長は調査結果から、レースコントロールの体制に多くの変更を加えることを発表した。
2022年シーズンはマイケル・マシに代わり、ニールス・ヴィティヒとエドワルド・フレイタスがレースディレクターに就任。ふたりが交代でレースディレクターを務め、新設のバーチャル・コントロールルームが裁定判断をサポートする。
マシの前任である故チャーリー・ホワイティングの“右腕”として長くホワイティングを支えたハービー・ブラッシュも、シニア・アドバイザーとして復帰。なお、昨年レースをある意味賑わせたチームとレースディレクターの直接的な無線は2022年シーズンから禁止されることとなった。
メルセデスは当初、レース最終盤のセーフティカー運用によってハミルトンのタイトルが“奪われた”ことからレース結果に抗議を行なっていたが、FIAが調査と改革を行なう計画を示したことで、抗議を取り下げた。
2月18日(金)、メルセデスの新車発表会に出席したウルフは、レース運営体制の変更は「正しい手順が踏まれた」として「実施された変更については前向き」だと語った。
「確かに、レースディレクターの役割は簡単ではない。非常に経験豊富なふたりが就任したのは良いことだ」とウルフは言う。
「とは言え、彼らの周りにサポート体制を築くことは不可欠だ。レースディレクタールームだけでなく、レースディレクターが意思決定のプロセスを容易にするために、フィードバックやインプットを得られるリモート・コントロールルームも設けられた」
「ここ数年、レギュレーションの解釈に若干の揺らぎが見られるようになったと思っている。だから、そう……私は新会長によって実施された変更に満足している」
Michael Masi, Race Director
Photo by: Simon Galloway / Motorsport Images
またウルフは、マシの退任とメルセデスの抗議取り下げには関係はないとしたものの、昨シーズン随所で見られた裁定による混乱は、変更の必要性を示していたと語った。
「F1における裁定判断の方法や競技面、技術面での判断において組織再編は必要だった」とウルフは言う。
「昨年は素晴らしいシーズンではあったが、必ずしも分かりやすいとは言えない裁定によって、多くの対立が生まれた」
当事者であるハミルトンは、アブダビGPでのF1側の裁定に幻滅したことで、オフシーズン中は一時的にF1から距離を取るという決断に至ったと金曜日の新車発表会で語っていた。
ウルフは、アブダビGPでの裁定が「衝撃的」で「前例のない」モノだということに変わりはないとしながらも、ハミルトンの8度目のタイトル、メルセデスの9連覇を目指す2022年シーズンに集中する必要性を強調した。
「我々はそこ(アブダビGPでの一件)から前へ進む必要がある」とウルフは言う。
「私としては、それは過去のモノだ。先日モハメドによって発表された方針を受けて、我々はそれを脇へやるべきだ」
「ただ、我々が忘れることはない。そうすることは単純に不可能だからだ」
「しかし、我々は2022年に目を向ける必要がある。特に今日はニューマシンを発表したし、今が前へ進むべきタイミングなのだ。FIAが行なった変更によって、我々は勇気を持って新シーズンに乗り込むことができる」
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