角田裕毅、18インチタイヤに「コントロールしやすくなった」と好印象。新規則で”楽しいシーズン”望む
アルファタウリの角田裕毅は、バーレーンでのプレシーズンテストを前に2022年のF1マシンに対する印象を語った。
写真:: Red Bull Content Pool
F1参戦2年目のシーズンを迎える角田裕毅(アルファタウリ)が、レギュレーションが大きく変わった2022年マシンの印象について語った。
今季のF1はマシン同士がより近い距離でレースができるようになるよう、レギュレーションを大きく変更。グラウンド・エフェクトを活用してダウンフォースを生み出す、昨年までとはコンセプトが全く異なるマシンが生まれた。
「よりエキサイティングで、見応えのあるレースになるんじゃないかと思います」
オンラインでメディアの取材に応えた角田は、新レギュレーションでの変化について訊かれそう語った。
「オーバーテイクができるようになれば自分としても楽しみですし、見てるお客さんにとってももっとエキサイティングになると思います。それがどこまでバーレーンで反映されるかは楽しみですね」
各F1チームは、すでにバルセロナで3日間のプレシーズンテストを実施。角田自身もテスト初日にチームの新マシン『AT03』で121周を走り込んでいる。
その際に、「昨年よりは(他車の)後ろにつきやすいな」という印象を持ったという。
ただレギュレーションが変わったことで、各チームがマシン開発をする余地はこれまでよりも大きくなる。角田は、どこかのチームが頭ひとつ抜け出る可能性を危惧しつつも、楽しいシーズンになることを期待している。
「昨年は2~3年かけて開発しきったクルマを全チームが使っていたので、その分差は小さかった。ただ今年は全く新しくなるので、その分どこかのチームが抜けて速いというのはあるかもしれません」
「ただ全体的には楽しいシーズンになると思います」
またバルセロナのテストでは、ほとんどのチームが”ポーポイズ現象”と呼ばれるマシンの上下動に悩まされた。
アルファタウリでは、この現象を”バウンシング”と呼んでいるという。角田は「チームによってバウンシングの仕方は違うので、詳しくは言えない」としつつ、「速度が上がると少しずつクルマが跳ねてきて、クルマ全体が縦に揺れている感じになる」と話した。
「特に1コーナーのブレーキだったり、ハイスピードでブレーキングする時はバウンシングが影響するコーナーもあります。ひどい時は視界も見えづらいくらい揺れるので、コーナーが見えづらくなります」
「特にレースで、それがコンスタントに続いてしまうと、ドライバーとしても集中して走れないし、頭痛が起きたりするので、解消したいリミテーションではありますね」
この現象をいかに制御するかは、シーズン序盤の勢力図を占う上で重要なファクターになってくるだろう。
2022年のF1が大きく変わったのは、マシンの空力だけではない。ホイールリムが18インチ化し、それに伴ってタイヤも変更されているのだ。
角田は、この点での変化は大きかったという。本人的には、ポジティブな方向の変化が多かったようだ。
「そこでの変化はすごく大きかったです。今までのクルマは、特に高速コーナーでリヤが滑り出したらなかなかコントロールが難しかったんですけれども、18インチになってそういうところがコントロールしやすくなったり、トラクションが良くなったりしています」
「まだ分からないですけど、その分重くなるのでピットストップが遅くなったり、メカニックさん達への影響が出るかなと思います。あとはブレーキのパフォーマンスだったり、いろんなネガティブな影響が出るかもしれませんが、今の所はブレーキングの感触は変わりませんね」
その他の変化について訊かれた角田は「まだバルセロナしか走っていないので、はっきりは分からないですけど、見た目は良くなりましたね!」と語った。
「シンプルになって、カラーリングも全チームかっこいいですしね。今のところはそれくらいしか分からないです」
3月10日からは、開幕戦が行なわれるバーレーンで2回目のプレシーズンテストが開始される。今のところは新マシンに好印象を感じている様子の角田。バーレーンでのテストでしっかりと走り込み、オーバーテイクを連発し世界中に衝撃を与えた昨年の開幕戦バーレーンGPを再現してほしいものだ。
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