F2モンツァ:レース1はミック・シューマッハーが今季初優勝。角田裕毅は4位
FIA F2第8戦モンツァのレース1が行なわれ、プレマのミック・シューマッハーが優勝した。
写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
FIA F2第8戦のレース1がイタリアのモンツァ・サーキットで行なわれた。優勝したのはミック・シューマッハー(プレマ)で、今季初優勝となった。
前日に行なわれた予選では、カラム・アイロット(ユニ-ヴィルトゥオーシ)がポールポジションを獲得。アイロットの予選トップタイムは今季8戦中4度目となった。そして2番グリッドにつけた角田裕毅(カーリン)は、アイロットと0.030秒差という僅差だった。一方、ポイントリーダーのロバート・シュバルツマン(プレマ)は15番グリッドに沈んだ。なお、佐藤万璃音(トライデント)は13番グリッド、松下信治(MPモータースポーツ)は16番グリッドからのスタートとなった。
30周のレースがスタート。まずはアイロットが好スタートを決め、トップのままターン1に。7番グリッドスタートのシューマッハーも目覚ましい動きを見せ、一気に2番手に上がってみせた。角田はターン1の時点で5番手に落ちたが、ルカ・ギオット(ハイテック)を交わして4番手でオープニングラップを終えた。
トップ5はアイロット、シューマッハー、クリスチャン・ルンガー(ARTグランプリ)、角田、ギオットが等間隔で続く。角田は3周目にファステストラップを更新してルンガーにプレッシャーをかけていき、5周目のターン1でオーバーテイクを決め3番手に浮上した。
超高速のモンツァ・サーキットで行なわれるこのレースでは、各所でスリップストリーム合戦が見られた。6周目のホームストレートでは、角田、ギオット、ルンガーが3台横並びに。互いに行き場をなくす格好となり、角田とギオットが軽く接触するが、両者大きなダメージはないようで、そのまま走行を続けていった。
8周目、角田の後ろ4番手を走っていたルンガーが、上位陣ではまず最初にピットイン。タイヤをソフトからミディアムに交換して戦列に戻っていった。
先頭のアイロットと角田は11周目にピットイン。しかし、アイロットはタイヤ交換を終えて発進する際にエンジンストールしてしまう。スターターを繋ぎなんとか再発進することができたが、大きくタイムロスしてしまった。シューマッハーも翌周にピットインすると、この時点でのタイヤ交換組の序列はシューマッハー、ルンガー、角田、ルイ・デレトラ(チャロウズ)という順となった。
レース距離前半の15周を消化した頃、トップはミディアムタイヤでスタートしたダニエル・ティクトゥム(DAMS)で、周冠宇(ユニ-ヴィルトゥオーシ)がそれに続いた。
17周目、ニキータ・マゼピン(ハイテック)のマシンがスローダウン。順位を大きく落としたが、その後ペースを取り戻し、隊列に加わっていった。
19周目、トップに立っていたユーリ・ヴィップス(DAMS)がピットインしたことで、全てのマシンがタイヤ交換義務を果たした。これでトップ5はシューマッハー、ルンガー、ギオット、角田、デレトラとなった。
ピットストップ時のエンジンストールで順位を落としていたアイロットは、レース終盤に猛プッシュを開始。シュバルツマン、デレトラを攻略すると、残り5周には4番手を走る角田のすぐ後ろまで迫ってきた。ただ角田もペースを上げ、これを寄せ付けない。結局アイロットはタイヤを使い切ってしまったのか、チームメイトの周にポジションを譲る格好となった。
残り3周、前の2台との差を一気に縮めていたギオットがルンガーに追いつき、ターン1への飛び込みでオーバーテイク。2番手に浮上した。
シューマッハーは最後までペースをコントロールし、トップでチェッカー。今季初勝利、そしてレース1での自身初勝利を挙げた。2位にはギオット、3位にはルンガーが入り、角田は終盤自己ベストを更新する走りで追い上げたが、4位に終わった。アイロットが6位、シュバルツマンは9位でポイントを加算した。
これにより、ポイントランキングに変動があった。アイロットとシュバルツマンは134点の同点に。このレースを制したシューマッハーが131点で3番手に浮上し、123点とした角田は4番手に落ちた。ただランキング上位4名が11点差以内にひしめく大混戦となったため、レース2の結果次第ではこの序列がまた変動する可能性がある。
順位 | ドライバー | チーム | 周回数 | タイム | 差 | 前車との差 | Mph | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ミック シューマッハー | プレマ | 30 | 25 | ||||
2 | ルカ ギオット | ハイテック | 30 | 3.100 | 18 | |||
3 | クリスチャン ルンガー | ARTグランプリ | 30 | 7.300 | 15 | |||
4 | 角田 裕毅 | カーリン | 30 | 9.200 | 12 | |||
5 | チョウ グアンユー | ユニ-ヴィルトゥオーシ | 30 | 12.500 | 10 | |||
6 | カラム アイロット | ユニ-ヴィルトゥオーシ | 30 | 15.100 | 8 | |||
7 | ダニエル ティクトゥム | DAMS | 30 | 15.200 | 6 | |||
8 | ルイ デレトラ | チャロウズ | 30 | 17.500 | 4 | |||
9 | ロバート シュバルツマン | プレマ | 30 | 18.200 | 2 | |||
10 | ユアン ダルバラ | カーリン | 30 | 21.100 | 1 | |||
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