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花道を飾るタイトル奪取へ……フォーミュラE第14戦を制したディ・グラッシ、アウディの撤退を考えると「フクザツな気持ち」

フォーミュラE第14戦ベルリンで勝利を遂げたルーカス・ディ・グラッシ(アウディ)は、アウディが今季限りでフォーミュラEから撤退することもあり、複雑な感情を抱いていると語った。

Lucas Di Grassi, Audi Sport ABT Schaeffler, 1st position, celebrates

Andrew Ferraro / Motorsport Images

 ドイツ・ベルリンのテンペルホーフ空港で開催されたフォーミュラE第14戦ベルリンを制したのは、アウディのルーカス・ディ・グラッシだった。最終戦でのタイトル獲得に向け大量得点を手にしたが、今季限りでのアウディの撤退という決定事項に複雑な感情を隠せないでいる。

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 第14戦でディ・グラッシは、フロントロウからスタートしたDSテチータのジャン-エリック・ベルニュとアントニオ・フェリックス・ダ・コスタを交わすと、アタックモード起動で先行されたベンチュリの2台を抜き去りトップチェッカーを受けた。ディ・グラッシとしては2020-2021年シーズン2勝目となる。

 彼が所属するアウディと同じくドイツメーカーのBMWは、昨年12月に今季限りでのフォーミュラE撤退を発表。ベルリンで行なわれる第14戦、第15戦の2連戦をもち、フォーミュラEのグリッドから姿を消すことになる。撤退するアウディは、世界耐久選手権(WEC)のLMDh規定下でのスポーツカーレース復帰、ダカール・ラリーのEVクラス参戦にリソースを回すという。

 アウディはフォーミュラEが発足した2014年からアプト・シェフラーチームと共に参戦し、2017-2018年シーズンからはワークス体制を敷き存在感を強めていた。

 2021年からアウディのマシンには初となる独自開発のパワートレインが搭載されているが、カスタマーチームであるヴァージンとの契約延長に伴い、来季もアウディのパワートレインが使用されることとなっている。

 因みに、アウディ撤退に加えてアプト・シェフラーがシリーズ参戦権を確保できなかったことで必然的にシートを失うディ・グラッシは、ルーキーのノーマン・ナトーの後任としてヴェンチュリへの移籍が噂されている。

 全7シーズンへ参戦しベルリンでキャリア12勝目を挙げたディ・グラッシは、優勝の感想を聞かれるとこう答えた。

「はじめに、ベルリンへ戻って来られてとても嬉しい。今年は凄いタイトル争いだ。(アウディと共に)このチャンピオンシップを戦えないと思うと寂しくなるね」

「年明けからアウディがフォーミュラEから撤退するというニュースが流れた。僕にとっては、望んでいないのに、交友関係を切られた感じかな。7年もチームと一緒にいたワケだからとっても悲しかった。僕らは共に素晴らしい成功を収めてきたからね」

「アウディが撤退するから、今週末は悲しさが感情に入り混じっていた。でもとにかく、僕らは数々の勝利と苦楽を共にしてきた。無論アプトともね。実際にはアウディよりもアプトとの関係の方が長かったが、そのふたつがひとつになった。第14戦はとても特別な1勝になった」

「僕らはまだ成功できるし、共に勝てると言える。色々な感情が入り混じっていて、100%飲み込めてはいないけどね」

Lucas Di Grassi, Audi Sport ABT Schaeffler, Audi e-tron FE07,  Edoardo Mortara, Venturi Racing, Silver Arrow 02

Lucas Di Grassi, Audi Sport ABT Schaeffler, Audi e-tron FE07, Edoardo Mortara, Venturi Racing, Silver Arrow 02

Photo by: Simon Galloway / Motorsport Images

 レースを中盤まで支配したのはDSテチータの2台だったが、ベルニュがダ・コスタに首位の座を譲った18周目にペースダウン。レース後、譲った側のベルニュはチームオーダーによって勝利が手から滑り落ちたと怒りを顕にしていた。

 ディ・グラッシは、エネルギー管理とタイヤの激しい摩耗に苦戦したダ・コスタを抜き去りトップへ浮上したものの、アタックモード起動によって後退した。

 しかし、ディ・グラッシは前へ出たヴェンチュリ2台のアタックモードが時間切れになったタイミングを狙いオーバーテイク。最後はエドアルド・モルタラ(ヴェンチュリ)に迫られるも、0.141秒差でディ・グラッシが逃げ切った。

 DSテチータやヴェンチュリとのバトルについて尋ねられたディ・グラッシは、アタックモードの戦略が勝因だと答えた。

「レース序盤はDSテチータ勢について行って、彼らの後ろで極力エネルギーをセーブしようとしていた。でも僕の後ろでエド(編注:モルタラの愛称)も同じようなことをしていて、とても強かった」

「DSテチータに大きなアドバンテージがあったけど、ヴェンチュリのマシンと激しいバトルになることは分かっていた」

「だから、彼らの背後でアタックモードを3、4分多く使ったんだ。その時この作戦が良い方向に進むと実感できた。もしペースが良ければ、レースに勝てるぞってね」

「アタックモード(を使う瞬間)を待って、そこから(彼らを)抜き去った。その後エドとの差を開こうとしたけど、僕のマシンはオーバーステアがひどかった」

「最後は苦戦していて、エドの方が断然速かった。最終コーナーでも頑張って持ちこたえたが、最後は大勝負になった。戦略のお陰で僕らは勝てたんだ」

 第14戦を制したことで、ディ・グラッシはランキングトップのニック・デ・フリーズから8ポイント差の6番手に浮上。2016-2017年以来のタイトル獲得に向けて大きな弾みをつけた。

 しかし、最終戦を直前にトップから14番手のマキシミリアン・ギュンター(BMW)までがタイトル獲得のチャンスを持っていることもあり、ディ・グラッシは慎重な姿勢を崩さない。

 今シーズンのタイトルを決定づける第15戦に向け、第14戦での勝利は良い兆しなのではと聞かれたディ・グラッシはこう答えた。

「もちろん、モチベーションは高まった。でも、僕らは毎レース、サーキットへ来て、この入場ゲートをくぐり、ガレージを通る。24人の全ドライバーがベストを尽くして、勝利を目指すんだ。僕にとっては、明日も今日も変わらない」

「第15戦へ向けた目標はタイトルではなく、今日のようにベストを尽くすことだ。ミスなくレースをこなせば、上位に食い込めるだろうね」

 2020-2021年シーズンを締めくくる第15戦ベルリンは、第14戦で用いられたコースレイアウトを”逆周り”で周回する。今シーズンからFIA直轄の世界選手権へと昇格したこともあり、チャンピオンには「世界王者」の肩書が付与されるため、見逃せない1戦になるだろう。

 

※訂正

最終戦を前に、フォーミュラE 2020-2021年シーズンのタイトル獲得権を持つドライバーはトップから13番手と表記していましたが、正しくは14番手まででした。深くお詫び申し上げます。

 

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