フォーミュラEは運要素が大きすぎる……“急速充電”導入を前に2度王者が不安視。SCとのダブルパンチで順位がひっくり返る?
様々なギミックを導入してきたフォーミュラEは、さらに“急速充電”を実施するピットブーストを追加しようとしている。しかしチャンピオンのひとりはその影響を不安視している。
2度のフォーミュラEチャンピオンであるジャン-エリック・ベルニュ(DSペンスキー)は、2月のジェッダE-Prixで初導入される急速充電“ピットブースト”について、意図しない結果を招く可能性があると警戒している。
フォーミュラEは2024-25年シーズンに向けて、スポーティングレギュレーションとテクニカルレギュレーションを大幅に更新し、最新車両Gen3 Evoを発表した。マシンはソフトなハンコック製タイヤを履き、デュエル予選やレーススタート時、アタックモードでは2輪駆動から4輪駆動となった。ラップタイムは大幅に向上し、開幕戦サンパウロE-Prixのポールポジションタイムは約3秒、第2戦メキシコE-Prixでは2.3秒速くなった。
そして2月14日〜2月15日のジェッダE-Prixからは、待望のピットブーストが2年以上の開発期間を経てフォーミュラEのダブルヘッダーラウンドに導入される。各ドライバーはレース中に定められた周回数の間にピットストップを行なうことが義務づけられ、600kWのプラグインチャージャーを経由して約30秒でバッテリーに10%充電することができる。
「未知の部分が大きくなりそうだ」
ベルニュはそう語り、コースによってはセーフティカー出動時にレースリーダーが一転して周回遅れになる可能性があると懸念した。
「ピットストップのウィンドウが開いた瞬間から、色々なことが起こるだろう。ピットストップをしたマシンはアンダーカットを狙ってハードにプッシュし始めるだろうし、後からピットストップをするマシンは阻止するためにプッシュするだろう」
Jean-Eric Vergne, DS Penske
Photo by: Joe Portlock / Motorsport Images
「ピットストップ(にかかる時間)はかなり長く、コースによっては周回遅れになることもありえる。FIAとフォーミュラEがピットストップをもう少し短くして、レースを理解しやすくしてくれることを期待している。トップが1周遅れでピットアウトして、そこでセーフティカーが入ったら……ちょっと厄介なことになるかもしれない」
「運の要素が強くなりすぎている。セーフティカーでさえそうだけど、ピットストップのタイミングではさらに重要な要素になるだろう。あるドライバーが最後にピットストップをしてセーフティカーやフルコースイエローが出たとする。そうすると彼はフリーストップの機会を得て、30秒前でコースに出てくる」
一方、フォーミュラEのアタックモードは今季から4輪駆動化によってより強力となったが、ベルニュはこのシステムを誰にとっても公平なモノとするために解決策を見つける必要があると考えている。
「サンパウロとメキシコで、アタックモードを起動させた1分後にフルコースイエローが出て6分間のアタックモードが台無しになるということが2回続けて起きた」
開幕2戦を9位と5位で終えたベルニュは語った。
「このモードがどれほど重要で、それによってどれだけのパフォーマンスや順位を得られるかを知っているだけに、大きな問題だ。不運にも、レース中で間違ったタイミングで作動させてしまったら、大きな代償を払うこととなる」
「最後の1000分の1秒を追い求め、レースでのチャンスを最大化しようとする僕達のような仕事では、運が大きなファクターとなる。問題を解決する方法はあると思うし、いつ解決策が講じられるのか様子を見てみよう」
同じくフォーミュラEのチャンピオンであるセバスチャン・ブエミ(エンビジョン・レーシング)も同意見だ。
「ジェブ(ベルニュ)の指摘に同意する。アタックモードは以前あまり効率的ではなかった。今はその恩恵が大きく、使いこなせないと最終的に結果を大きく損なうことになる」
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