F1に向けて、これからも成長する……森山冬星、新生ホンダ・レーシングスクールのスカラシップ獲得

　11月30日、ホンダレーシングスクール鈴鹿フォーミュラ（HRS-Formula）のスカラシップ選考会最終日を迎え、スーパーFJ鈴鹿シリーズのチャンピオンである森山冬星（19歳）がスカラシップを獲得した。

　佐藤琢磨や角田裕毅など、国内外で活躍する多くのトップライダー、ドライバーをモータスポーツ界に送り出してきた鈴鹿サーキットレーシングスクール（SRS）。2022年からホンダレーシングスクール鈴鹿（HRS）として新たにスタートを切った。

　フォーミュラクラスは7月に修了式を迎え、そこで選ばれた清水啓伸（16歳・長崎県出身）、森山冬星（19歳・大阪府出身）、佐藤樹（19歳・神奈川県出身）、島影柊麿（20歳・香川県出身）の受講生4名がスカラシップ選考会に参加。11月30日がその最終日となった。

　この日は朝から鈴鹿サーキット国際レーシングコースを用いて、スクール専用マシンにて30分間のフリー走行、予選形式の15分間の計時走行2回、決勝レース形式の12周のセット走行2回が行なわれた。走行したのは4名の受講生と、スーパーフォーミュラ2年連続チャンピオンの野尻智紀講師、スーパーフォーミュラのルーキーながらも第9戦鈴鹿で3位表彰台に登った佐藤蓮講師、FIA-F4ドライバーの小出峻、三井優介、西村和真と計5名の卒業生の、合計9名である。

　計時走行では野尻講師がぶっちぎりの速さをみせ、セット走行のポールポジションを獲得。FIA-F4チャンピオン小出峻がそれに続いた。受講生では森山が計時走行2回目で野尻に次ぐタイムを記録したが、1回目にミスを犯しタイムが伸びず、受講生最上位ながらも5番グリッドからのスタートとなった。

　セット走行は、1回目は野尻講師、2回目は小出がトップチェッカー。受講生では森山が2回ともスタートポジションと同じ5位でチェッカーを受けた。

　午後から行なわれたスカラシップ発表会では、佐藤琢磨プリンシパル（校長）が「ここで得た経験は掛け替えのないものなので、しっかりと活かしてさらに高みを目指して頑張って欲しい。みんな出来ることがまだまだいっぱいある。時間と機会を無駄にしないように」と受講生にエールを送った。

　そしていよいよスカラシップの発表。例年、2名選ばれるケースが多かったが、佐藤琢磨プリンシパルの口から告げられたのは1名のみで、森山が見事スカラシップを獲得した。

「スカラシップが取れたことにはホッとしていますが、琢磨校長にもっとやれることがあったと言われて、悔いの残るスクールになってしまいました。ここからステップアップしていって、トップアスリートになれるように頑張ります。小さい頃から目指していたF1に向けて、これからも成長します」と森山。反省しながらも今後の成長を誓った。