ウイリアムズが支援する15歳がフォーミュラ挑戦! 松井沙麗、KYOJO CUP初年度の目標はチャンピオン……来季F1アカデミー参戦目指す
今季からKYOJO CUPに参戦する松井沙麗は、初年度からシリーズチャンピオンを目指して戦い、来季はF1アカデミーに参戦するのが目標だと語った。
写真:: Motorsport.com / Japan
スーパーフォーミュラ開幕戦が行なわれたモビリティリゾートもてぎで、今季2大会でスーパーフォーミュラと併載されるKYOJO CUPの記者会見が実施。今季からの参戦で注目される松井沙麗らが出席し、来たる2026年シーズンへの意気込みを語った。
フォーミュラカーによるカテゴリーとなって2年目を迎えるKYOJO CUPは、国内外から新たな女性ドライバーの参戦もあり、一層活気を増している。中でも注目なのが、先日KONDO RACINGからの参戦がアナウンスされた松井だ。
松井は2024年から2年間、ウイリアムズF1チームのドライバー育成プログラム『ウイリアムズ・ドライバー・アカデミー』の一員としてヨーロッパでカートレースを戦ってきた。日本人選手がホンダやトヨタと繋がりのないF1チームの育成ドライバーとなること自体、異例と言える。
2026年のアカデミードライバーの中に松井の名はないが、今年も依然としてウイリアムズのサポートを受けているという。「今年はウイリアムズのアカデミーには所属していない形にはなりますが、まだウイリアムズ・レーシングの契約下にありまして、年に数回ファクトリーでフィジカルトレーニングやシミュレータトレーニングを行なわせていただく形でサポートいただきます」と彼女は説明した。
ウイリアムズの息がかかっていることもさることながら、15歳という若さで日本のシングルシーターカテゴリーに挑戦するという点も特筆すべき点だ。往年のモータースポーツファンとしては、16歳になるとJAFの限定Aライセンスを取得でき、そこからフォーミュラレースにデビューする……というイメージが強いかもしれないが、実はこの規定は2023年に改正されており、条件付きで15歳でも限定Aライセンスが獲得できるようになっている。
また申請にあたってはカート競技会での実績が必要。早くからヨーロッパに渡っていた松井は指定された条件をクリアできていなかったものの、その条件に準ずる実績を残していること、そしてウイリアムズから推薦状が出されたことを受けて、審議にかけられた結果、今季全日本カート選手権への出場という条件付きでライセンスが発給されたようだ。
そんな松井に対しては、KONDO RACINGの近藤真彦監督も大きな期待をかけている。「僕は日本が大切にしないといけない宝物を預かってしまった。チャンピオンを獲らせるしかないという思いで頑張っております。この宝石をギラギラ光らせるようなレースをしたい」と意気込んだ。
松井は既に、KYOJO CUPの車両での走行も経験している。カートとフォーミュラカーの違いについては「フロントブレーキがあることや、色んなところが違うのですが、何より荷重移動がカートと全く違うので、そこに苦戦していると感じます」とのこと。しかし今後のステップアップに向け、1年目から優勝やシリーズチャンピオンを狙っていくという。
自身の思い描くキャリアパスについて尋ねると、松井はこう語った。
「今年のKYOJO CUPではもちろんシリーズチャンピオンを目指します」
「来年以降のスケジュールに関しては、F1アカデミーに参戦してシリーズチャンピオンを獲ることが目標です。そこからF3、F2とステップアップして、F1に近付いていくのが理想です」
女性ドライバーを取り巻く環境の変化に「嬉しいですね」と斎藤愛未
そんな松井のライバルのひとりになるであろうドライバーが、2024年のKYOJOチャンピオンである斎藤愛未。車両がフォーミュラカーになった2025年は探り探りの部分もあったというが、ランキング3位に食い込み実力を誇示した。
2024年のスーパーフォーミュラ王者・坪井翔の妻でもある斎藤は、女性ドライバーがプロとして活躍できる機会を願ってきたひとり。世界的にも女性ドライバーの活躍機会は増えてきているが、KYOJO CUPが様々な企業の参画によって盛り上がってきていることを喜んでいるようだ。
左から2人目が斎藤
写真: Motorsport.com Japan
会見冒頭で、「こういった記者会見の場もKYOJO CUPとしてはあまりなかったので、こうやってお話しさせていただく機会も選手としてはすごく経験値になると思います。KYOJO CUPの若い子たちがプロを目指していく中で、スーパーフォーミュラさんにも助けていただきながら、たくさんの経験を一緒にさせていただけたら嬉しいです」と語った斎藤。自身が松井と同じくらいの年齢だった時の女性ドライバーを取り巻く環境はどうだったかと尋ねると、次のように答えた。
「私が15歳でレーシングカートをしていた時は、まず女性が4輪カテゴリーにステップアップすること自体本当に異例な世界でした」
「当時の私も『この先どこに行ったらいいんだろう』とキャリアを不安に感じていましたが、その中で『このままじゃよくない』と思っていたし、松井沙麗ちゃんのような若い子がどんどん増えてほしいという思いでレースをしてきました」
「私たちが頑張っていけば、こういう環境が築かれるだろうと希望を抱きながら15歳からずっと走ってきたので、今嬉しいですね」
2026年のKYOJO CUPは全5大会が富士スピードウェイで開催。開幕戦は5月9日(土)、10日(日)に行なわれる。
追加取材:田中健一
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