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“日本発女性フォーミュラ”KYOJO CUP、変革初年度は「想像以上の出来栄え」と関谷氏。今季はレースをさらに面白くする取り組みも?

KYOJO CUPのファウンダーである関谷正徳氏は、フォーミュラカーを採用した昨年の同シリーズは「想像以上の出来栄え」であったと総括。2026年シーズンに向けた構想なども語った。

Start action

写真:: KYOJO CUP

 女性ドライバーによって争われる『KYOJO CUP』は、フォーミュラカーによるカテゴリーとなって2年目を迎える。注目を集めた“KYOJOフォーミュラ”の初年度の評価と今後の展望を、シリーズ創設者である関谷正徳氏に聞いた。

 長らく男女が同じフィールドで戦ってきたモータースポーツ界において、女性ドライバーがより活躍できる環境を与えるべく、関谷氏が女性専用カテゴリーのKYOJO CUPをスタートさせたのが2017年。2025年にはVITAからフォーミュラカーへと車両をスイッチし、国内最高峰スーパーフォーミュラとの併催も手伝って今まで以上に注目を集めることになった。

 現在のKYOJOで使用されているのは、FIA F4規格の『KC-MG01』。フォーミュラカーに車両が変わることで、参戦する女性ドライバーがそれを乗りこなせるのかと、その技量を心配する声もあったようだが、関谷氏は「想像以上の出来栄え」だったと笑顔を見せる。

「当初は、女性ドライバーがフォーミュラカーを乗りこなせないのではという意見が多かったです。だけども練習をしっかりとこなすことで(乗りこなせた)。VITAとフォーミュラの繋がりを感じることもできましたし、VITAで速く走れる子はフォーミュラでも速く走れるという感触を得ましたし、本当に想像以上の出来栄えですね」

 昨シーズンのレースでも、フェアで白熱したバトルが富士スピードウェイの各所で繰り広げられていて、ファンからも女性ドライバーたちの戦いぶりに対して好意的な声が多く寄せられていた。関係者たちの懸念も、おおかた晴れたのではないだろうか。

写真: KYOJO CUP

 ただ、フォーミュラカーは空力的にオーバーテイクが難しくなるという面も往々にしてある。実際現場では「VITAよりもスリップストリームが効きづらい」 と話すドライバーもいた。

 そのため関谷氏は、レースをより面白くするために、車両にテコ入れすることでオーバーテイクを促進することも検討していると明かす。

「スリップストリームの効果が出るように、既にリヤウイングにパーツをつけたりしているのですが、まだ足りないと思っています。もう少しドラッグ(空気抵抗)を増やしてレースを面白くするようなデバイスを考えているところです」

 また面白いレースという点で個人的にも実現してほしいのが、グリッドからのスタンディングスタート。昨シーズンはスーパーGTのように、2列縦隊でのローリング方式でスタートが切られていた。やはりフォーミュラカーレースの魅力は各車入り乱れるスタンディング方式であり、見る者の興奮の度合いも違うのではなかろうか。

 昨シーズンにスタンディングスタートが見送られたのは、ハード面での懸念があったからではないかとパドックで噂する声もあったが、関谷氏はこの件について「色々な問題がありました。彼女たちの技量も含めると、まだちょっと早いなというところでした」と説明する。ただドライバーたちが1年間経験を積んだこと、そして開幕前に3回のテストが実施できるということも鑑みて、今シーズンはスタンディングスタートを実施する意向であることも明かしてくれた。

 また、“ドライビングアスリート”として純粋な技量を競い合うためのイコールコンディション化という点でも前進が見られている様子だ。

 KYOJOフォーミュラでは車両をシリーズ側が一括で管理する体制で可能な限りのイコールコンディションを担保しようとしているが、開幕当初は車両の性能差を訴えるドライバーもいた。しかし、『KC-MG01』に搭載されるハイブリッドシステムを切ることで、中間加速や最高速といった各車の走行データが揃ってきたとのこと。このことから、シーズン途中にはハイブリッドシステム不使用という措置がとられた。

 関谷氏としても、ハイブリッド車両の運用の難しさを痛感している様子。今シーズンに向けてはモーター類を下ろした状態でのレースになる可能性がありそうだ。

 先日も有名美容ブランド『ReFa』がKYOJOチームを発足してKYOJO CUPのシリーズパートナーにも就任するなど、女性最速をかけた戦いへの注目度は相変わらず高い。ReFaの参戦発表会の際には、美容系・ファッション系媒体など、自動車・モータースポーツ以外のメディアも多く集まった中で、モータースポーツ業界の現状や、モータースポーツが果たす社会的な意義についても熱く語っていた関谷氏。自身の目指す、「女子プロゴルフのような世界」の実現にまた一歩近付いたという感覚はあるかと関谷氏に尋ねると、こう答えた。

Team ReFa with AIWIN

Team ReFa with AIWIN

写真: Motorsport.com Japan

「ひとつひとつ階段を上がってる段階です。いきなり大ジャンプができるほど、世の中も簡単ではありません。もっともっと皆さんにモータースポーツを理解していただきたいと思っています」

 2026年のKYOJO CUPは、先日エントリーリストがアナウンスされ、そこには国内外から20名の女性ドライバーがラインアップされている。またそれに加えて未発表(TBN)のドライバーもひとりおり、それが誰なのかも注目だ。2月12日(木)、13日(金)には最初の合同テストが控えており、その後追加で2回テストを実施。開幕戦は5月9日(土)、10日(日)に開催される。

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