アルピーヌ、ル・マン優勝の秘策は”1スティント12周”走行。「ペースもトヨタとそれほど変わらないはず」

アルピーヌは、ル・マン24時間レースの優勝を狙うために必要な”1スティント12周走行”の遂行に自信を持っており、トヨタ勢と遜色ないペースを維持できると考えている。

アルピーヌ、ル・マン優勝の秘策は”1スティント12周”走行。「ペースもトヨタとそれほど変わらないはず」

 いよいよスタートが迫る第89回ル・マン24時間レース。ハイパーカークラスに参戦しているアルピーヌは、総合優勝を狙うためにある秘策を用意しているようだ。それが、1回の給油(1スティント)で12周を走ることだ。

 レースの舞台となるサルト・サーキットは、1周13.626kmととても長い。そのため、1スティントを1周長くするのは簡単なことではない。しかしピットイン回数が30回以上にもなる長丁場のレースで、1スティントあたり1周多く走ることができれば、最終的にピットストップ2回分以上の違いが生まれることになる。

 アルピーヌは昨年までレベリオン・レーシングが使用していたLMP1車両で戦っている。もちろん今季はLMH(ル・マン・ハイパーカー)規定の導入に伴い、LMP1マシンも車重増加などの性能調整を受けており、昨年とは大きく状況が異なる。だが参考までに昨年のデータを付け加えるなら、レベリオンは24時間で382周走行し、ピット回数は36回。単純計算で1スティント11周も走れていない。

 今季も、1スティントで12周走行するのはかなり難しい目標のようだ。アルピーヌのチーム代表であるフィリップ・シノー曰く、フリー走行では設定された性能調整に従った上で、1スティント12周を走れる手応えを掴んでいるという。

「我々は何度も”12周”を達成している」とシノーは語った。

「とはいっても、それは数値上での話だ。しかし、我々の目標は13周ではない。12.1や、12.2といった数値には届くかもしれないが、我々の目標は12でありそれ以上ではない」

 ニコラ・ラピエール、マシュー・ヴァクシビエール、アンドレ・ネグラオの3人が乗るアルピーヌ36号車が、フリー走行で実際に12周連続で走ったことはない。しかしシノーは「1スティント12周を確実に達成するためのツールがすべて揃っている」とし、その中には、燃料を節約するために、ル・マンの複数の長いストレートでドライバーにリフト&コースト(アクセルオフし、慣性走行すること)をさせることも含まれているとした。

 シノーは今年のWEC開幕戦と比較して、アルピーヌの1スティントの走行距離が伸びたことについて、「性能調整のおかげだ」と述べた。この発言は彼が以前に発言した内容と重なる部分があるが、詳細は明らかにしなかった。

 発表されている性能調整によると、アルピーヌのマシンが1スティントあたりに使用できるエネルギー量(つまり搭載できる燃料量)は918MJから844MJに削減されている。しかしこれは、アルピーヌのマシンである『A480』がオレカのLMP2マシンをベースに開発されたLMP1規定のマシンであり、燃料タンク容量が75リットルしかないことを考慮した変更だと思われる。

 A480は割り当てられているエネルギー量に相当する燃料を搭載できておらず、WEC開幕戦ではトヨタのGR010 HYBRIDとスティントの長さを揃えることができなかったのだ。プレス資料によると、トヨタのGR010は90リットルの燃料タンクを搭載している。

 また、トヨタ7号車の小林可夢偉が予選ハイパーポールで記録したタイムから1.6秒遅れの3番手で予選を終えたにもかかわらず、アルピーヌ36号車が決勝ではトヨタ勢と同じペースで周回できることを期待している。

「(決勝では)差は縮まると思う。平均して、同じようなタイムになるはずだ」と語った。

 シノーはトヨタ勢が有利だとしつつも、アルピーヌが「完璧なレース」をすることが重要だと説明している。

「トヨタが有利なのはわかっているし、彼らと戦おうと思ったら大きな間違いだ」

「まずは完璧なレースをしなければならず、その後が勝負だ」

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