MotoGP オーストリアGP

スリック“ギャンブル”で雨制したブラッド・ビンダー「何度もおしまいだと思った」

MotoGP第11戦オーストリアGPで今季初優勝を果たしたブラッド・ビンダー。彼は雨で濡れた路面をスリックタイヤで走りきって勝利を手にしたが、終盤は“最悪だった”と語っている。

Lewis Duncan

Lewis Duncan

編集: 2021/12/22 9:23

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

Brad Binder, Red Bull KTM Factory Racing

 MotoGPのレッドブルリンクでの2連戦2レース目、第11戦オーストリアGPは波乱の展開となった。優勝したのはマシンを乗り換えることはせず、スリックタイヤで濡れた路面中を走り続けたKTMのブラッド・ビンダーだったが、彼は終盤のコンディションはひどいものだったと振り返っている。

 オーストリアGPは、レーススタート直前にごく少数ながら国際中継のカメラに雨粒が写り始めたが、ドライレースが宣言される中決勝レースのスタートが切られた。しかしながらスタートしてすぐ、マシン乗り換えを許可する白旗が振られた。

 ただ雨は散発的な降り方で、マシンを乗り換えるライダーがいないまま、レースはフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)を先頭としたトップ争いが繰り広げられる形で終盤まで進行した。

 節目が変わったのは残り5周というレース終盤。雨が強まってきたこともあり、ジャック・ミラー(ドゥカティ)とアレックス・リンス(スズキ)がレイン用のマシンへと乗り換えることを最初に選んだ頃だった。

 バニャイヤらトップグループ5台も次の周にピットインし、マシンの乗り換えを選択した。

 しかし当時6番手を走行していたビンダーは、トップグループがピットインした後も、スリックタイヤでの走行を継続。雨脚が強まる中、時にはブレーキングに苦労する姿を見せつつも、最後までスリックタイヤで走り切り、後続に12秒以上の大差をつけて勝利を手にした。

 レースを振り返ったビンダーは、最終ラップでは何度もマシンをうまく減速する事ができず、“おしまいだ”と思っていたこと、そしてコースに留まるのは不可能だと思っていたと認めた。

「話すことは多くない。最悪だったよ」と、ビンダーは言う。

Brad Binder, Red Bull KTM Factory Racing

Brad Binder, Red Bull KTM Factory Racing

Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images

「(ホームストレートの)ボードを見るとプラス9秒とあった。後ろとの差がそのくらいの差なら、ウエット用のタイヤを履いているライダーなら捕まってしまう、スリックなら捕まらないだろうと思っていた」

「僕はただ自分のベストを尽くして、マシンを確実に減速しようとした。コーナーを回って、ストレートをまっすぐ走ることだけをしようとしていたんだ」

「つまり、最終ラップはコース上に留まるのも事実上不可能だった、というわけだ」

「実際に僕は何度も“終わった”と思ったよ。ターン3ではなかなか減速せず、リヤブレーキだけが多少効くような状態だったからね」

「リヤブレーキを使っていたんだけど横滑りしていたし、ステアリングも上手く効かなかった。でもなんとかマシンを減速して、コースに留まることができた」

「その後も、長い右コーナーでは前に進んでくれないし、同じ所にずっと留まってしまうような状態だった」

「誰かに後ろから抜かれるのも覚悟していた。でもチェッカーフラッグを見た時は安心したし、その一方で勝ったとは信じられなかった」

 なおビンダーはリヤのミディアムタイヤのグリップが不足していたことで、ドライコンディションでも“最悪だ”と感じていたと認めている。ただそうであっても雨の中をスリックタイヤで走る“ギャンブル”を選んだのは土壇場での決断だったという。

「雨が降り始めたのを見た時、僕は先頭集団に近づいていた。そして残り4周で、マルクが後方を確認したから、彼らはピットに入るだろうと思った」

「僕は(スリックのまま)行くか、それともピットに入るか決められていなかった。そして先頭集団がピットに入った最後の瞬間に、僕はトライしてみることにしたんだ」

「(ステイアウトした)1周目は良かった。でもそれからの2周はちょっと別物だった」

「残り2周という時点では、なんとか走れた。でも最終ラップはブレーキが完全に冷えてしまって、タイヤもダメだった」

「だから減速できなかったんだ。ブレーキレバーをいくら強く引いても何も起こらない。だから減速しなければ……という場面でも、文字通り滑っていっているようだった」

「コースに留まるのには本当に苦労した。でも時にはギャンブルもしなくちゃいけないし、今日はうまくいったよ」

 

Read Also:

あなたの意見が聞きたい!

Motorsport.comで何を見たいですか?

5分間のアンケートにご協力ください。

- Motorsport.comチーム

コメントを読んで投稿する

関連ニュース :

記事をシェアもしくは保存

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

前の記事 【リザルト】2021MotoGP第11戦オーストリアGP 決勝レース結果

次の記事 MotoGPオーストリア決勝:ビンダーが雨を“スリックで”制す! 降雨によるフラッグトゥフラッグで波乱展開

Top Comments

コメントはまだありません。 最初のコメントを投稿しませんか?

View More & Comment

More from

Lewis Duncan



ジョアン・ミル「パフォーマンス面で今年一番難しい日だった」ドイツGP初日全く良いトコなし

MotoGP

MotoGP

ドイツGP

2024/07/06

ジョアン・ミル「パフォーマンス面で今年一番難しい日だった」ドイツGP初日全く良いトコなし



転倒続出ドイツGP、要因は特異なレイアウトとタイヤ・気温。「すぐフロントタイヤの温度が下がってしまう」

MotoGP

MotoGP

ドイツGP

2024/07/06

転倒続出ドイツGP、要因は特異なレイアウトとタイヤ・気温。「すぐフロントタイヤの温度が下がってしまう」



クアルタラロ、来季プラマック・ヤマハのライダーにディ・ジャンアントニオをプッシュ「彼のようなライダーが必要」

MotoGP

MotoGP

ドイツGP

2024/07/06

クアルタラロ、来季プラマック・ヤマハのライダーにディ・ジャンアントニオをプッシュ「彼のようなライダーが必要」

最新ニュース



メルセデス、もうフェルスタッペンに興味ない? 新星アントネッリ出現で必要性減少と元F1チーム代表指摘

機能

F1

ライブテキスト

評価

機能

F1 1 時間前

オランダGP

メルセデス、もうフェルスタッペンに興味ない? 新星アントネッリ出現で必要性減少と元F1チーム代表指摘



圧勝ウェーレイン、懸念していた”チームプレイ”の恩恵を享受し「僕が決めることではない」

機能

フォーミュラE

ライブテキスト

評価

機能

フォーミュラE 1 時間前

ロンドンE-Prix レース1

圧勝ウェーレイン、懸念していた”チームプレイ”の恩恵を享受し「僕が決めることではない」



ここで乗らなきゃいつ乗るんだ! ラッセル、2020年メルセデス代役で文字通り無理を通した過去明かす

機能

F1

ライブテキスト

評価

機能

F1 2 時間前

オランダGP

ここで乗らなきゃいつ乗るんだ! ラッセル、2020年メルセデス代役で文字通り無理を通した過去明かす



「我々は二輪版のF1ではない!」リバティ傘下になったMotoGP、しかしF1とは違う独自路線を目指すと主張

機能

MotoGP

ライブテキスト

評価

機能

MotoGP 3 時間前

イギリスGP

「我々は二輪版のF1ではない!」リバティ傘下になったMotoGP、しかしF1とは違う独自路線を目指すと主張

Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.

フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。

次の 2 つのオプションがあります。

購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします

広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード

お知らせの管理

登録