ロレンソやエスパルガロの”二の舞い”が怖い…! ジョアン・ミル、ホンダ苦戦の日々に先達の末路幻視?
ジョアン・ミルは2023年からホンダへ加入したが、かつて同チームで苦戦して去っていったホルヘ・ロレンソやポル・エスパルガロと同じ失敗を繰り返してしまうことが「怖い」と認めた。
MotoGP2023年シーズンからレプソル・ホンダへ加入したジョアン・ミル。彼はホンダへの適応に苦戦しチームを去っていった先達達のようになることを恐れていると語った。
ミルはMotoGPに昇格してからスズキで戦ってきたが、スズキがMotoGP撤退を決定したことで、2023年からはレプソル・ホンダへと移籍。現在は新しい挑戦に立ち向かう日々となっている。
ただこれまで行なわれた5回のグランプリを見る限りでは、彼はホンダ・RC213Vへの乗り換えでかなりの苦戦に直面している。もっとも、ホンダへの乗り換えで苦戦するというのは、ミルが特段目立っているわけではなく、ここ最近の“トレンド”のようなものだ。
そしてミルとしても、ホンダで苦戦してチームを去ることになったホルヘ・ロレンソやポル・エスパルガロと同じ道を辿ることになる可能性は、恐ろしいモノとして感じられているようだ。
「確かに、怖いと思っている。だって僕は勝ちたいんだから」と、ミルは言う。
「僕のようなライダーにとって、今のポジションを認めるのは凄く難しいことだ」
「僕のモチベーションは、先頭集団で争いレースに勝つこと、そして表彰台を獲得することにある。それこそが僕自身の”ガソリン”なんだ。そして長い間、僕はその燃料を補給できていない」
Joan Mir, Repsol Honda Team
Photo by: Marc Fleury
ホンダはマシン改善に取り組んでいて、フランスGPでカレックス製のシャシーを実戦投入。マルク・マルケスはこのシャシーについて、バイクにはまだ多くのエリアで修正が必要だが、間違いなく改善されていると評価し、レースでは表彰台も争った。
一方でミルは、強さを再び発揮するためにホンダと自分が何をしなくてはならないのかも、分かっていないのだと厳しい状況を語った。
「僕がやりたいことが、できないんだ」
ミルはそう説明する。
「今のところ、チームは僕が強くなるために何が必要なのかを理解していないと思う」
「そしてまた、僕もこのバイクをより上手い形で乗り、パフォーマンスを引き出すために何をしなくてはならないのかを、理解できていない。様々なスタイルで乗ろうともしているんだけどね」
「今は僕本来のスタイルじゃない。コーナーに向けてスピードを維持して、スロットルを少し早く開けるような状態にはないんだ」
「毎回ワイドになってしまうし、ラインも開いてしまう。今のところは苦戦している。それが現実だ」
なおミルは各グランプリ初日のプラクティス1の段階で、既にバイクの限界に達しているとも付け加えている。ただ、2023年型のマシンをより自分に合わせて微調整することは可能なはずだと語った。
「これは調整できると僕は思っている」
「ル・マンではプラクティス1を走って、そのタイムを(プラクティス1以降で)改善する事ができなかった」
「すぐにタイムが出る乗り方は分かっている。でもそこからもっと強くなろうとすると、何もかもがより複雑になってくる」
「ライディングの何たるかを忘れているとかではなく、僕の馴染みのあるタイプのライディングを追求するために何が必要なのか、彼らに理解してもらう必要があるんだ」
「もちろん、ライダーとしていくつかのことを変えることもできる。でも何もかもを変えることはできないんだ」
「だからチームと僕が必要としているモノの、妥協点を見つけなくちゃならない。今、僕らは違うバイクに乗っていて、今回のライディングではそれを活かすことができていなかった」
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