スーパーフォーミュラ 第3戦:鈴鹿

「僕の読み違いが全て」王者野尻智紀、3年ぶりリタイアは大湯都史樹との接触。自らの非を認め、気持ちを切り替えGT富士へ|スーパーフォーミュラ第3戦

スーパーフォーミュラ第3戦で、大湯都史樹と接触してリタイアに終わった野尻智紀。彼はアクシデントにおける自らの非を認めており、今後に向けて気持ちを切り替えられるようにしたいと語った。

戎井健一郎

公開日時: 2023/04/23 11:50

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Tomoki Nojiri, TEAM MUGEN

 2021年、2022年のスーパーフォーミュラ王者である野尻智紀(TEAM MUGEN)。今季は第1戦で2位、第2戦で優勝と盤石の強さで鈴鹿に乗り込んだ絶対王者のレースは、大湯都史樹(TGM Grand Prix)との接触でリタイアというまさかの形で幕を下ろした。

 野尻はレースウィーク初日から苦しんでいた。予選Q1では他車のトラックリミット違反に助けられる形でカットラインギリギリでQ2進出を果たし、3番グリッドを確保。決勝では、レースペースが上がらず、やや順位を落として3〜5番手辺りを争っていた。

 そして19周目に首位を走っていた大湯がタイヤ交換を済ませてピットアウトすると、すでにレース序盤の段階でタイヤ交換を済ませていた野尻の前でコースに復帰した。野尻はタイヤの冷えた大湯に迫ってプレッシャーをかけるが、ステアリングを左、右とリズミカルに切るS字カーブを抜けて逆バンクへと向かう左カーブに差し掛かった時、大湯のリヤに追突。2台は外側のスポンジバリアに吸い込まれるような形でクラッシュし、揃ってリタイアとなった。

 これについて野尻は、自らに非があったとして、大湯や彼のファン、そしてTGM Grand Prixに申し訳ないとコメントした。競技団もこのインシデントは野尻に非があったと判定しており、彼に対して競技結果に30秒加算、ペナルティポイント1点追加という罰則を科した。

 接触時の状況について、野尻はこう振り返る。

「感覚的には、あそこで差していこうという感じではなくて、あそこでついていって逆バンクで仕掛けていこうという展開を考えていました。その中でギリギリを突いて、車間ゼロくらいでついていかないとチャンスはないと思っていましたが、その距離感が違っていたため接触を招いてしまいました」

「近い距離にいたので、多少なりとも(大湯車に)吸い込まれた部分もあるのかもしれませんが、それも含めて自分の判断ミスで生まれてしまった接触だと思います」

「僕の読み違いが全てだと思うし、それ以外のものは何ひとつないと思うので、大湯選手とチームの皆さん、彼のファンの皆さんにも申し訳ない気持ちです。ただ自分自身としても、『やってしまった』という気持ちを長引かせずに、しっかり気持ちを切り替えていかないといけません」

「自分の立場的にも『何をやってるんだ』というお声もあるかと思いますが、しっかりと心に刻みながら、またひと回り大きくなるために頑張っていきます」

 ここ数年、非常に高いレベルで安定した成績を続けてきた野尻。2021年以降、6位よりも下のリザルトを記録したことがなかった。リタイア、無得点はタイヤトラブルに見舞われた2022年最終戦富士以来で、自身のミスが絡んだリタイアは、2019年SUGO戦の1コーナーでコースオフを喫して以来となる。

 今や絶対王者の立場となり、そういったインシデントが人一倍許されない立場にあるということも、彼にとっては重責となってのしかかっているようだ。しかし、これを機に自身のドライビングが消極的になってしまわないためにも、時間をかけながらも気持ちの整理をしたい構えのようだ。

 また大湯と野尻と言えば、スーパーGTのARTA8号車のチームメイト同士でもある。スーパーフォーミュラでトップクラスの速さを見せるふたりのコンビとあって開幕から注目を集めているが、今回のインシデントから約1週間半後にはスーパーGT第2戦富士が控えている。

 野尻はこのレースでわだかまりなく戦うためにも、大湯とはしっかりコミュニケーションをとっていきたいと語った。

「彼ともう一度しっかりと話をして、ひとつひとつ積み重ねていきながらわだかまりなくGTを戦いたいです」

「もちろん、それをどう受け取ってくれるかは彼次第ですが、僕の気持ちをしっかり伝えながら、富士で良いレースがしたいです」

 

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