スーパーフォーミュラ 第3戦:鈴鹿

勝てそうな時に勝てなかった宮田莉朋、勝てなさそうなレースで初優勝「感極まって涙が出た」

スーパーフォーミュラの第3戦鈴鹿で悲願の初優勝を手にしたVANTELIN TEAM TOM’Smの宮田莉朋は、チェッカーを受けた瞬間に感極まって涙が出たと明かした。

編集: 2023/04/23 11:29

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Ritomo Miyata, VANTELIN TEAM TOM’S

 鈴鹿サーキットで行なわれた2023年のスーパーフォーミュラ第3戦。優勝したのはVANTELIN TEAM TOM’Sの宮田莉朋。宮田はこれが同シリーズ初優勝となった。

 宮田は予選で5番手タイムを記録したものの、トラックリミット違反により当該ラップタイムは抹消されてしまい、12番手からのスタートを強いられることになった。そのため宮田本人も、まさか優勝できるとは思っていなかったという。

「ようやく優勝することができました。チームやスポンサーの皆さん、いつも応援してくれるファンの皆さんを、長くお待たせしてしまいました。フル参戦3年目ですが、ようやく優勝できて、すごく嬉しいです」

 優勝後に記者会見で、宮田はそう語った。

「予選が残念な結果だったので、今日はポイントが獲れればいいなと思っていました。まさかトップ争いをすることができるなんて思っていなかったので、本当に嬉しいし感謝しています」

 今回のレース、宮田には運が向いたのも事実だ。約半数のマシンが、10周を走ったあたりでタイヤを交換し、義務を果たした。そんな中で宮田莉朋は、タイヤ交換を後半に行なう戦略を採り、ステイアウト。すると、大湯都史樹(TGM Grand Prix)と野尻智紀(TEAM MUGEN)の接触事故が起き、セーフティカーが出動。このタイミングでピットに飛び込んだ。これで順位を大きく上げた宮田は、残り2周というところで坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)をオーバーテイク。トップでチェッカーを受けることになった。坪井はレース序盤にピットインを行なっていたため、すでにかなりタイヤを使ってしまっていたのも、宮田には追い風となった。

「今年のタイヤは、鈴鹿で行なわれたテストでかなり厳しい印象でした。そのため、10周目でピットインするマシンがほとんどだと思っていたんです。それにクルマとドライビングでどう対するかという気持ちで、今日のレースに臨みました」

「でも、僕の前にもステイアウトしているマシンがいました。ただ、(前にいた)大湯選手は常に近づいてきているように見えましたし、後方の平川(亮/ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)選手を引き離せていました」

「ピットインを先延ばしにして、残り10周となったところでタイヤを交換すれば、僕らはフレッシュタイヤを履いているので追い上げるチャンスがあるという状況でレースをしていました」

 ポールポジションを獲れそうで獲れず、決勝でも勝てそうで勝てなかった宮田。しかし、今回は勝てそうもない時に勝ててしまったのはなんとも皮肉な話だ。

「スーパーフォーミュラは、最少周回数でピットインするのか、あるいは引っ張るのかというどちらかの戦略しかありません。その中での走りを、ドライバーとしてこうと決めても、マシンが期待通りに動いてくれなかったりとか、色々と悩みを抱えてきたんです。昨年もクルマとドライバーがなかなかリンクせず、予選から決勝に向けてパフォーマンスを落としてしまうことも多かったです」

 そう語る宮田は、ついに勝てたことでも心境の変化はないという。というより、それ以前に自信を深められていたと明かす。

「レースの組み立て方の部分では、レースを重ねていくうちに自信がどんどん出てきました。前回の富士では、ようやく良いセットアップだという印象がありました。今回の鈴鹿でも、それを反映できているという確認ができて、決勝に臨みました」

「そして周回を重ねるうちに、雰囲気が違うというか……富士と同じような自信を持ちながら走れました。今回自信を得たというか、富士で得られたことを、鈴鹿にしっかり活かせたということを感じ取れました。次にも、しっかりと繋げていけたらと思います」

 しかしついに勝利に手が届いた瞬間、涙が出たことを宮田は明かす。

「チームの士気は高いんですが、また2位かという空気もありました。そして昨日の予選では僕の認識ミスで、後方からのスタートになってしまった……気分的には落ち込んでいました」

 宮田はそう語る。

「そんな中で勝てるなんて、想像していませんでした。僕はF3からずっとTOM'Sにお世話になっていて、その方々の想いというか、支えていただいたことへの感謝の想いが強すぎて、泣きました。チェッカーを受けた瞬間です」

「スーパーフォーミュラはみんな同じクルマを使っていることもあるので、ドライバーの技量で勝負が決まる部分も大きい。そしてハイレベルなレースも続いているので、しんどい部分もありました」

「そういう部分も含め、喜びもあったし、感極まって涙が出てきました」

 

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