レースレポート

スーパーフォーミュラ 第3戦:鈴鹿

宮田莉朋、ついに手にした初優勝。12番手発進から残り2周で坪井を逆転……PP大湯と王者野尻はまさかの接触リタイア|スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿

鈴鹿サーキットで行なわれたスーパーフォーミュラ第3戦の決勝レースは、宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)が初優勝を飾った。

戎井健一郎

公開日時: 2023/04/23 9:07

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Ritomo Miyata, VANTELIN TEAM TOM’S

 2023年スーパーフォーミュラ第3戦の決勝レースが鈴鹿サーキットで行なわれた。優勝を飾ったのは、VANTELIN TEAM TOM’Sの宮田莉朋。嬉しいシリーズ初優勝となった。

 富士スピードウェイで開幕した今季のスーパーフォーミュラは、前年王者のTEAM MUGENが速さと強さを見せた。第1戦はリアム・ローソンがデビューウィンを飾り野尻智紀とのワンツー、第2戦は野尻がポールトゥウィンを記録した。

 ただ、舞台を鈴鹿にかえて迎えた第3戦の予選では、TEAM MUGENがやや苦戦する形となった。野尻は予選タイムがQ1通過ラインに届かずあわやQ1敗退という窮地。小林可夢偉(Kids com Team KCMG)のタイム抹消により繰り上がりでQ2進出を果たして3番手に食い込んだが、やや慌ただしいレースウィークに。ローソンも4列目8番グリッドからのスタートとなる。

 そんな予選でポールポジションを獲得したのは、新興TGM Grand Prixの大湯都史樹。スピードスターの大湯が、チームに早くも初ポールをもたらした。その隣、2番グリッドにつけたのは3年ぶりの優勝を目指す坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)だ。2列目には野尻と、前戦で復活の表彰台を記録した山下健太(KONDO RACING)が並んだ。

 2輪の全日本ロードレース選手権との併催となる2&4レースは、15時45分にフォーメーションラップがスタート。気温21℃、路面温度36℃という快晴の下、31周のレースの火蓋が切られようとしていたが、5番グリッドの牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がエンジンストールし、フォーメーションラップが1周追加され、30周でのレースに変更された。

 そんな中、7番グリッドの佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)にもトラブル発生。無線で「クラッチが滑ってる」と訴え、ピットに戻ってマシンを降りてしまった。佐藤はまた、無線で「ドライブシャフトが折れたかもしれない」とも話していた。

 2台がグリッドから消えた状態(牧野はピットから再スタート)で、レースはスタートした。大湯、坪井、野尻という上位のオーダーは変わらないが、牧野、佐藤の脱落で前が開けたローソンが4番手までジャンプアップ。4周目にはチームメイトの野尻まで交わして3番手まで上がった。一方で野尻はペースが上がらず、山下にも抜かれて5番手に落ちたが、そこからはペースが回復して前を追いかけていった。

 ピットウインドウがオープンとなる10周目終了時、3番手のローソンら数台がピットインしてタイヤ交換を行なった。その動きを見てか、11周目には2番手坪井もピットに入ったが、ピットアウトでなんとかローソンの前に立ち、事実上の2番手を死守することに成功した。

 首位でステイアウトした大湯は、既にピットに入った坪井やローソンと同等のタイムを出せずにいたが、レース折り返しを過ぎてもコースに残り、タイヤ交換のタイミングを遅らせた。

 19周目終了時にピットインしてタイヤを換えた大湯は、坪井、ローソンの後ろでコースに出た。そこに野尻が襲い掛かるが、両車はS字〜逆バンクに向かう左カーブで接触。2台が絡み合うようにスポンジバリアに飲み込まれ、まさかのリタイアとなった。ここ数シーズン驚異の安定感を見せていた野尻にとっては、タイヤトラブルに見舞われた2020年最終戦富士以来となる3年ぶりのリタイア、無得点となった。

 このアクシデントによりセーフティカーが出されたが、これにより得をしたのがステイアウトをして好ペースを刻んでいた宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)と平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)。このタイミングでタイヤ交換を済ませたことで、坪井、ローソンの後ろに宮田、平川が続くこととなった。

 レースは残り7周、24周目に再開した。坪井はファステストラップを更新して逃げを打つが、26周目のホームストレートでローソンを攻略した宮田が猛ペースで坪井に接近。ふたりの意地と意地がぶつかり合う中、レースは最終盤に突入していった。

 勝負は残り2周のホームストレートで決した。坪井に並びかけた宮田が1コーナーで前に立ち、ついに首位浮上。そのまま逃げ切ってトップチェッカーを受けた。フル参戦3年目、その速さは既に証明済みだった宮田が、ついに初優勝という大きなマイルストーンを達成した。2位は坪井で、スーパーGTでもコンビを組むふたりが激戦の末ワンツー。3位はローソンを交わした平川だった。

 ポイントリーダーの野尻はまさかのノーポイントとなったが、42点でランキング首位をキープ。しかし宮田が38点、ローソンが35点、坪井が32点で肉薄することとなり、選手権は一気に混沌の様相を呈することになった。

 

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