天候不良の中、ドライバーたちは何を訴えていた? スーパーフォーミュラ第3戦SUGO、レース当日の無線交信を振り返る

天候不良とそれに伴うアクシデントの影響で途中終了となったスーパーフォーミュラ第3戦SUGO。レース当日の各チーム・ドライバーの無線交信を『SFgo』で振り返る。

Tomoki Nojiri, TEAM MUGEN

Tomoki Nojiri, TEAM MUGEN

写真:: Masahide Kamio

 スポーツランドSUGOで行なわれたスーパーフォーミュラ第3戦は、当初は51周のレースが予定されていたが、天候不良の影響からアクシデントが立て続けに発生。14周目に赤旗が出された後はレースが再開されることなく終了した。本稿では、レース中のチームとドライバーのやり取りを『SFgo』で公開されている無線交信で振り返る。

 決勝当日は雨の影響で路面が濡れていた他、コース周辺には霧が立ち込めているコンディションであった。そのためレースはまずセーフティカーの先導によってスタートし、そこからセーフティカー解除のタイミングを伺うような形となった。

Lap1 小林可夢偉(Kids com Team KCMG)

チーム「視界が悪いので、現在セーフティカーは80km/hと遅めで進行中。視界を保つために、若干隊列が乱れても構わないので確認をしっかりして、前の視界が見えるところで走ってください」

Lap2 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)

岩佐「レースをするには難しいコンディションです」
チーム「了解」
岩佐「コースのコンディションは全く良くなっていません」

Lap2 野尻智紀(TEAM MUGEN)

チーム「SCはこの周(3周目)から100km/hくらいをターゲットにするそうです」
野尻「100km/h了解。めちゃめちゃ助かります」
チーム「コンディション的には走れそう?」
野尻「ひとりだったら全然走れるけど……って感じですね。でもとりあえずタイヤは全然温まらない」

Lap3 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

牧野「なんか、最初より見えなくなってますけど、周り」
チーム「了解。ここから見ると、1コーナーの先、ハイポイントとレインボーの方が全然見えない」

Lap3 大嶋和也(docomo business ROOKIE)

チーム「視界含めてコンディション的に、レースするのに対してどう?」
大嶋「全然見えてないけど。ちょっとでも加速されたら」

Lap4 小林

チーム「次の周から、スタートに向けてセーフティカーのスピードを通常の速度まで上げます。問題なければ、馬の背、バックストレート付近で(セーフティカーが)ライトを消す予定です」
小林「これがTVにどう映ってるか分からへんけど……なかなか、面白いね」
チーム「14号車の大嶋の位置でも何も見えないというドライバーの訴えがWowTalk(チームとプロモーター・オーガナイザー間のコミュニケーションツール)にも来てます」

Lap5 福住仁嶺(Kids com Team KCMG)

チーム「セーフティカー、ライト消しました」
福住「マジかよ。全然見えないけど」

 ドライバーからはコースコンディションに対してネガティブな声が上がっていたが、レースは6周目にスタートが切られることになった。しかし最終コーナーで大嶋がクラッシュしたことによってすぐさまセーフティカーが再出動することになった。

Lap6 大嶋

大嶋「ごめん。やっちゃった……。ごめんなさい、クラッシュ」
チーム「了解。身体は大丈夫?」
大嶋「大丈夫。ごめん」
チーム「OK。オンボード見た。身体大丈夫なら良かった」

Lap6 福住

福住「ごめん、何も見えない。やばいやばい! 本当にわからない」
チーム「セーフティカー、追い越し禁止」
福住「何のセーフティカー?」
チーム「最終コーナーでクラッシュ」
福住「そりゃそうだよね!」

Lap6 笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)

笹原「ホームストレート全く見えない」
チーム「ごめん、こっちからも右京がどこにいるか全く見えなかった」

Lap6 小高一斗(KONDO RACING)

小高「信じられないくらい前が見えない」

Lap6 三宅淳詞(ThreeBond Racing)

三宅「これレースできない気がするんですけどね。タイヤ的に。危ない気がする」

Lap6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

太田「これやっちゃダメだよ。危なすぎる」

Lap6 国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

国本「本当に危険な状態なので、伝えてくださいね」

Lap6 阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)

阪口「全然グリップしない。なんだこれ」

 大嶋のアクシデントの後、多くのドライバーたちがレース続行不可能なコンディションであると語気を強め始めていた。中でもKCMGはドライバーからの訴えを受けてコントロールタワーに直接アピールに向かったようだ。

Lap6〜10 小林、福住

小林「ほんまに危ないから。何がしたいか分からへん」
チーム「WowTalkで報告済です」
小林「WowTalkで言ってください。レッドカードですよって。リスタートしてるの」
チーム「かなりのチームから、ドライバーからの訴えをガンガン伝えてるけど、相変わらずセーフティカー」
小林「免許剥奪した方がいいよ。これでレース再開させようとしてるなんて。人が怪我するの時間の問題だよ」

チーム「タワー直接行ってきた。『本当に考えてくれ』って(伝えた)」
福住「了解。ありがとう」
福住「今ここで仮に1台が、朝(フリー走行)の歩夢みたいにスピンしたら、本当に終わる」
チーム「『身体が大丈夫ならまたレースは次できるから』って。『本当に命の危険がある』って言ってきた」
福住「やる以上は全力で頑張るから」
チーム「セーフティカーがライト消したらまた伝えます」

 そんな中でもレースは13周目に再開されたが、今度は阪口のマシンがクラッシュ。大嶋と同じ最終コーナーでのアクシデントだった。これでレースは赤旗が出されることになった。

Lap13 阪口

チーム「晴南大丈夫?」
阪口「ちょっと頭当たったけど……一応降りない」

Lap14 牧野

チーム「赤旗、最終で晴南クラッシュ。赤旗になります」
牧野「いい加減学べよマジで、やめろよ! マジで怪我人出てからじゃ遅いって」

Lap14 三宅

三宅「これ、霧とかじゃなくて、タイヤ的に危ないと思う。霧があろうがなかろうが、そういうところじゃないと思う。みんな全然タイヤがグリップしてない。特にリヤが」
 
Lap15(中断中) 山下健太(KONDO RACING)

山下「レースやめた方がいいと思いますけどね。いつまでやるか知らないけど」
チーム(近藤真彦監督兼JRP会長)「ドライバーちょっと落ち着いといてな。たぶんレースないと思います。交渉してきますし、ガードレールも潰れてますので、これ以上は不可能だと思います」

 結果的にレースはこの赤旗をもって終了に。近藤会長は「ガードレールの修復に時間がかかること」と「ドライバーの安全を担保できないこと」をレース終了の理由として説明した。またレース後のドライバーのコメントでは、雨量が比較的少なかったため、セーフティカーランでレースを開始するという判断には理解を示しつつも、大嶋のクラッシュの時点でレースを止めるべきだったという声も挙がっている。

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