スーパーフォーミュラ 第9戦・第10戦富士
チャンピオンは気持ちよく決めたい……攻めのレースで2度の接触の末リタイア。SF王者決定持ち越しの太田格之進「少しエゴが出てしまった」
スーパーフォーミュラ第10戦をリタイアで終えた太田格之進。タイトル確定がかかったレースだったが、気持ちの良い形で決めたいというエゴが出てしまったと反省した。
公開日時: 2026/10/11 12:22
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Igor Fraga, PONOS NAKAJIMA RACING, Kakunoshin Ohta, DOCOMO TEAM DANDELION RACING
写真:: Masahide Kamio
富士スピードウェイで行なわれたスーパーフォーミュラ第10戦で、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は2戦を残した状態で2026年シーズンのシリーズタイトルを決められる可能性があった。レース展開としても、その可能性は十分あったはず……。しかし結果はリタイアでノーポイント。初王座は11月の鈴鹿に持ち越しとなった。
太田はランキング2番手のイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)に対して、45点リードした状態で第10戦の決勝レースを迎えた。フラガはポールポジション、太田は4番グリッドからのスタートだが、太田が優勝すれば無条件でタイトル確定。太田2位、フラガ3位という結果でもチャンピオンになれる条件だった。
迎えた決勝レースで、フラガは序盤の出足がやや悪く、1周目に岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)に首位の座を譲ると、4周目には3番手に上がっていた太田が迫り、1コーナーのブレーキングでオーバーテイクを許した。太田2番手、フラガ3番手という、このままのポジションでフィニッシュすれば王座確定のシチュエーションだ。
太田は上位陣では最初となる17周目にピットイン。ただタイヤ交換で少しロスがあったことで、ピットアウト後にはアンダーカットを狙う大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)が背後に迫った。この大湯に詰まってしまうと、自身の戦略が狂ってしまう……そう考えた太田は、コカ・コーラ・コーナーでアウトから抜きにかかった大湯と並走し、エイペックス付近で接触してしまった。
この接触で、大湯はスピン。太田は走行を続けた。審査委員会の判定としては、大湯に警告の黒白旗が出されたが、太田としては「正直僕が悪いかなと思うくらいの接触だったので、(レース後に)セルモに行って謝罪をしました」と明かす。
これを好機と見たのがフラガ陣営だった。大湯との接触で太田がタイムロスしたことを受けて、NAKAJIMA RACINGはフラガをピットに呼び寄せた。一旦は太田の前でピットアウトしたフラガだったが、コールドタイヤということもあってセクター3では太田との接近戦に発展した。
そして最終コーナー手前のGR GTコーナーで、2台のラインが交錯。前を走るフラガは大外からターンインした一方、太田はイン側をコンパクトに旋回して抜きにかかった。しかしこれで2台は接触……フラガは走行を続けられたが大きく順位を落として勝負権を逸し、太田はその場でリタイアとなった。
フラガは当時のバトルについて、自分にできることはなかったとして残念がった。
「Bコーナー(ダンロップコーナー)で一旦抜かれた時もちょっと強引気味でしたが、しっかり引いて対応していました」
「14コーナーでもう1回仕掛けてきたタイミングは、すごく距離感があったし、前には来られないだろうと思いつつ、1台分……多分1台以上のスペースを残したつもりでしたが、接触があり、そこで勝負権がなくなっちゃいましたね」
「(映像を)見返しても、僕にこれ以上やれることはなかったんじゃないかと思います。自分が避けられるところでは避けたつもりですし。ポールポジションからスタートして良いレースをしたかったのですが、結果に繋がらず残念です」
接触でダメージを受けたフラガのマシン
写真: Masahide Kamio
このアクシデントについては、太田に非があったとしてレース結果に10秒加算のペナルティが科されている。太田からも謝罪があり、フラガとしてもわだかまりは残っていないという。
そして太田もレース後のミックスゾーンで、フラガとの接触を「間違いなく自分のミス。イゴール選手に対して申し訳ない」と語った。先日の第9戦の記者会見でも「勝って(王座を)決めたい」と意気込んでいた太田。自分の納得いく形でタイトルを獲るために、アグレッシブに行きすぎた部分があったという。
「ポイント的に余裕があるのに、なんでそんなに無理するのと言われますが、ただチャンピオンを獲るだけじゃなく、気持ちよく獲りたいというエゴが少し出てしまったなと思います」
「タラレバは色々あると思います。あそこでイゴールをパスして勝てていたらヒーローだっただろうし。長期的に見ると何が正解だったかは分からないですが、今日に関してはリタイアになってしまったので残念ですし、相手のことを考えても、チャンピオンを獲れなかったことを考えても残念です」
「ただ、依然としてチャンピオンシップのリードは十分ありますし、鈴鹿は得意なコースなので、1回ここで気持ちを引き締め直して、2戦連勝できれば、それはそれでかっこいいんじゃないかと思うので、そこに向けて頑張ります」
今回はピットウォールとのコミュニケーションも含めて、反省点が色々出たと振り返る太田。ランキング2番手には今回優勝した岩佐が躍り出たが、残り2戦で32.5ポイントの差がついている。
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