スーパーフォーミュラ 第1戦・第2戦もてぎ

トップ走行の大湯都史樹はなぜ、セオリーに反した“10周目ピットストップ”を敢行したのか。「色々な要素があります」と詳細に説明

スーパーフォーミュラ第2戦で大湯都史樹は、スタートでトップに立ちながらもライバルより先にピットインする戦略を選んだ。その理由について、様々な要素があったと本人が説明した。

戎井健一郎

編集: 2026/04/06 23:02

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

Toshiki Oyu, SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING

写真:: Masahide Kamio

 スーパーフォーミュラ第2戦もてぎのドライバー・オブ・ザ・レースに選ばれた大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)。久々のフロントロウスタートから一時首位に立つなど、ルーキーイヤー以来の勝利が近付いたかに思われたが、最後は防戦一方となり5位に終わった。

 予選で2番グリッドを手にした大湯は、スタートでポールシッターの太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)に襲い掛かり、2コーナーでトップに浮上。太田の猛攻に遭う時間帯もあったがなんとか抑え切り、トップのまま10周目を迎えた。

 10周目はタイヤ交換義務の消化が可能となるピットウインドウオープンのタイミング。ここでトップの大湯はピットに滑り込んできた。ただ、このタイミングで入ったのは上位陣では大湯だけ。代わって首位に立った太田はクリーンエアを得て好ペースで周回を重ね、一方で大湯はまだピットに入っていない集団に早々に追いついてしまうなど、戦略で明暗分かれたような印象であった。

 そもそもトップを走るドライバーは、順位を争うライバルの出方を伺える立場とも言える。その中で大湯は、ピットイン可能な最小周回で自ら先んじてアクションを起こした格好。しかもこれは岡島慎太郎エンジニアと事前に話し合ったプラン通りであったといい、トップに立ったことを受けて戦略を変更したりはしなかったわけだ。

 この戦略判断は、様々な考えがあってのことだったようだ。大湯はレース後、それについて少し言いにくそうにしていたが、最終的には「色々な要素があります」として、詳細に背景を説明した。

「まず、僕たちはピット作業にあまり自信がありませんでした」

「(ライバルとピットのタイミングを)合わせると、ピット作業勝負になっちゃうんですよね。ピット作業が遅れると、アウトラップで抜かれてしまうリスクがあります」

「その中で、格之進は僕に合わせることはない、引っ張るだろうということは分かっていました。であれば(10周目にピットインした場合は)仮にピット作業でタイムをロスしてもコース上で取り返せるというメリットがありました」

 またこの大湯の戦略は、再舗装路面によってタイヤデグラデーション(性能劣化)がほとんどなく、レース中の各車のペースがほとんど変わらないであろうという前提の下に成り立っている。大湯としては、早めにピットストップして太田と同等かそれ以上のペースで走り、終盤にタイヤ交換を終えてピットアウトしてきた太田をコールドタイヤのアウトラップで攻略し、そこから抑え込む……そんなシナリオを思い描いていたという。もちろん、途中のトラフィックが懸念事項であることには変わりないのだが。

「ピットストップを遅らせた人は、一瞬オーバーカットする(ライバルの前に出る)ことができても、アウトラップでライバルに普通に抜かれてしまいます。じゃあ、そこから抜き返せるほどのペース差があるのか、という話です」

 しかし大湯の目論見は、そもそものペース不足によって破綻してしまった。ただそれはタイヤの摩耗によるものではなく、とあるものが「壊れていった」ことが原因だという。大湯は何が壊れていったかについては言及を控えていたが、いずれにせよどのサーキットでも安定したレースペースを実現するために、一定の確信を得たセットアップを持ち合わせているようで、「“いつもの大湯都史樹”みたいになっちゃっている」理由は上記のトラブルによるものだという。

 他と比べて明らかにペースが遅い中、複数台によるトレインを形成しながらも、後続を抑え切って5位でフィニッシュした大湯。「レース後はただただ嘆いていましたね。優勝を確信していたので。なんでみんな普通に走れていて、俺だけなんでこんなに遅いの?って」と残念がった。

関連ニュース:

 

あなたの意見が聞きたい!

Motorsport.comで何を見たいですか?

5分間のアンケートにご協力ください。

- Motorsport.comチーム

関連ニュース :

記事をシェアもしくは保存

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

前の記事 ブラウニング、ついに本領発揮だ! 21番グリッドからの4位フィニッシュに笑顔「マシンが最適な状態なら良い走りができると証明できた」

次の記事 福住仁嶺、ROOKIE Racingにスーパーフォーミュラ初表彰台をもたらす「でもやっぱり優勝を目指さなきゃいけない」

More from

戎井健一郎



次世代国産フォーミュラ『JMIA-DOME F113』が富士でデモラン! 開発ドライバーの大嶋和也も好感触「思ったよりも順調。楽しみです」

WEC

WEC

Fuji

20 時間前

次世代国産フォーミュラ『JMIA-DOME F113』が富士でデモラン! 開発ドライバーの大嶋和也も好感触「思ったよりも順調。楽しみです」



DENSO SARD、SUGO戦は今年も勝利まであと一歩届かず。「燃料の問題がなければ、優勝争いできたはず」とフェネストラズ

スーパーGT

スーパーGT

第6戦:SUGO

6 日前

DENSO SARD、SUGO戦は今年も勝利まであと一歩届かず。「燃料の問題がなければ、優勝争いできたはず」とフェネストラズ



タイヤ無交換で19番手から2位! GT300王座争い大量リードのリアライズ。しかしオリベイラ「こんな“ジョーカー”毎戦使うわけにはいかない」

スーパーGT

スーパーGT

第6戦:SUGO

7 日前

タイヤ無交換で19番手から2位! GT300王座争い大量リードのリアライズ。しかしオリベイラ「こんな“ジョーカー”毎戦使うわけにはいかない」

最新ニュース



マーベリック・ビニャーレス、日本GPでMotoGPに復帰へ「バイクに乗ってレースするのが待ちきれない」

MotoGP

MGP MotoGP

日本GP

1 時間前

マーベリック・ビニャーレス、日本GPでMotoGPに復帰へ「バイクに乗ってレースするのが待ちきれない」



レッドブルのマシン劣化問題に解決の糸口「改善できる領域を具体的に特定できるようになってきた」しかし来季の完全解決はない?

F1

F1 F1

アゼルバイジャンGP

2 時間前

レッドブルのマシン劣化問題に解決の糸口「改善できる領域を具体的に特定できるようになってきた」しかし来季の完全解決はない?



復帰戦でいきなり3位のハジャーを、レッドブルも称賛。“激情型”から卒業して精神的にも成熟?「さまざまな面で成長している」

F1

F1 F1

アゼルバイジャンGP

13 時間前

復帰戦でいきなり3位のハジャーを、レッドブルも称賛。“激情型”から卒業して精神的にも成熟?「さまざまな面で成長している」



WECフェラーリ、富士6時間は今季最悪のレースに「あらゆることがうまくいかなかった」残り2戦で逆襲目指す

WEC

WEC WEC

Fuji

13 時間前

WECフェラーリ、富士6時間は今季最悪のレースに「あらゆることがうまくいかなかった」残り2戦で逆襲目指す

Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.

フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。

次の 2 つのオプションがあります。

購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします

広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード

お知らせの管理

登録