スーパーフォーミュラ 第1戦・第2戦もてぎ
トップ走行の大湯都史樹はなぜ、セオリーに反した“10周目ピットストップ”を敢行したのか。「色々な要素があります」と詳細に説明
スーパーフォーミュラ第2戦で大湯都史樹は、スタートでトップに立ちながらもライバルより先にピットインする戦略を選んだ。その理由について、様々な要素があったと本人が説明した。
戎井健一郎
編集: 2026/04/06 23:02
Copy link
Viberでシェア
Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

写真:: Masahide Kamio
スーパーフォーミュラ第2戦もてぎのドライバー・オブ・ザ・レースに選ばれた大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)。久々のフロントロウスタートから一時首位に立つなど、ルーキーイヤー以来の勝利が近付いたかに思われたが、最後は防戦一方となり5位に終わった。
予選で2番グリッドを手にした大湯は、スタートでポールシッターの太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)に襲い掛かり、2コーナーでトップに浮上。太田の猛攻に遭う時間帯もあったがなんとか抑え切り、トップのまま10周目を迎えた。
10周目はタイヤ交換義務の消化が可能となるピットウインドウオープンのタイミング。ここでトップの大湯はピットに滑り込んできた。ただ、このタイミングで入ったのは上位陣では大湯だけ。代わって首位に立った太田はクリーンエアを得て好ペースで周回を重ね、一方で大湯はまだピットに入っていない集団に早々に追いついてしまうなど、戦略で明暗分かれたような印象であった。
そもそもトップを走るドライバーは、順位を争うライバルの出方を伺える立場とも言える。その中で大湯は、ピットイン可能な最小周回で自ら先んじてアクションを起こした格好。しかもこれは岡島慎太郎エンジニアと事前に話し合ったプラン通りであったといい、トップに立ったことを受けて戦略を変更したりはしなかったわけだ。
この戦略判断は、様々な考えがあってのことだったようだ。大湯はレース後、それについて少し言いにくそうにしていたが、最終的には「色々な要素があります」として、詳細に背景を説明した。
「まず、僕たちはピット作業にあまり自信がありませんでした」
「(ライバルとピットのタイミングを)合わせると、ピット作業勝負になっちゃうんですよね。ピット作業が遅れると、アウトラップで抜かれてしまうリスクがあります」
「その中で、格之進は僕に合わせることはない、引っ張るだろうということは分かっていました。であれば(10周目にピットインした場合は)仮にピット作業でタイムをロスしてもコース上で取り返せるというメリットがありました」
またこの大湯の戦略は、再舗装路面によってタイヤデグラデーション(性能劣化)がほとんどなく、レース中の各車のペースがほとんど変わらないであろうという前提の下に成り立っている。大湯としては、早めにピットストップして太田と同等かそれ以上のペースで走り、終盤にタイヤ交換を終えてピットアウトしてきた太田をコールドタイヤのアウトラップで攻略し、そこから抑え込む……そんなシナリオを思い描いていたという。もちろん、途中のトラフィックが懸念事項であることには変わりないのだが。
「ピットストップを遅らせた人は、一瞬オーバーカットする(ライバルの前に出る)ことができても、アウトラップでライバルに普通に抜かれてしまいます。じゃあ、そこから抜き返せるほどのペース差があるのか、という話です」
しかし大湯の目論見は、そもそものペース不足によって破綻してしまった。ただそれはタイヤの摩耗によるものではなく、とあるものが「壊れていった」ことが原因だという。大湯は何が壊れていったかについては言及を控えていたが、いずれにせよどのサーキットでも安定したレースペースを実現するために、一定の確信を得たセットアップを持ち合わせているようで、「“いつもの大湯都史樹”みたいになっちゃっている」理由は上記のトラブルによるものだという。
他と比べて明らかにペースが遅い中、複数台によるトレインを形成しながらも、後続を抑え切って5位でフィニッシュした大湯。「レース後はただただ嘆いていましたね。優勝を確信していたので。なんでみんな普通に走れていて、俺だけなんでこんなに遅いの?って」と残念がった。
関連ニュース:
スーパーフォーミュラ太田格之進、スーパーフォーミュラ開幕ラウンド連勝も、最終ラップに頭を過った2年前の”悪夢”「最後は極力シフトチェンジしないようにした」
スーパーフォーミュラ岩佐歩夢を襲った、異常なマシンの挙動「曲がらないんだけど、ただ曲がらないのとは違う……」 もてぎ開幕ラウンドで勝てず
スーパーフォーミュラブラウニング、ついに本領発揮だ! 21番グリッドからの4位フィニッシュに笑顔「マシンが最適な状態なら良い走りができると証明できた」
あなたの意見が聞きたい!
Motorsport.comで何を見たいですか?
5分間のアンケートにご協力ください。
- Motorsport.comチーム
関連ニュース :
記事をシェアもしくは保存
Copy link
Viberでシェア
前の記事 ブラウニング、ついに本領発揮だ! 21番グリッドからの4位フィニッシュに笑顔「マシンが最適な状態なら良い走りができると証明できた」
次の記事 福住仁嶺、ROOKIE Racingにスーパーフォーミュラ初表彰台をもたらす「でもやっぱり優勝を目指さなきゃいけない」
More from
戎井健一郎

2連続ポールの秘訣は“グランツーリスモ走り”だった? イゴール・オオムラ・フラガに聞く、SF富士で見せた他とは違うシフトチェンジ
スーパーフォーミュラ
スーパーフォーミュラ 13 時間前
2連続ポールの秘訣は“グランツーリスモ走り”だった? イゴール・オオムラ・フラガに聞く、SF富士で見せた他とは違うシフトチェンジ

GR GT3がついに実戦登場! TEAM ENEOS ROOKIE、スーパーGTもてぎ大会でGR GT3 conceptを特認オープン参加へ
スーパーGT
スーパーGT
news
1 日前
GR GT3がついに実戦登場! TEAM ENEOS ROOKIE、スーパーGTもてぎ大会でGR GT3 conceptを特認オープン参加へ

SFライツ参戦終了のトムス、次なる野望にFIA F3、FIA F2を挙げる「ワールドスタンダードなレース活動をしたい」
SFライツ
SFライツ 5 日前
SFライツ参戦終了のトムス、次なる野望にFIA F3、FIA F2を挙げる「ワールドスタンダードなレース活動をしたい」
最新ニュース

誹謗中傷に声を挙げたコラピント、自身を揶揄するブラックジョークを意に介さず「この状況を改善したい。みんなの力が必要だ」
F1
F1 F1
アメリカGP
56 分前
誹謗中傷に声を挙げたコラピント、自身を揶揄するブラックジョークを意に介さず「この状況を改善したい。みんなの力が必要だ」

フェラーリ、ダブル表彰台逃したふたつの痛恨の瞬間。バスール代表「ペースは確かにあった」と手応え
F1
F1 F1
アメリカGP
12 時間前
フェラーリ、ダブル表彰台逃したふたつの痛恨の瞬間。バスール代表「ペースは確かにあった」と手応え

標高2200mのメキシコ……空気が薄い環境でパフォーマンスを発揮できるかが鍵。ホンダF1折原エンジニア「MGU-Hがない今年、ターボがより重要」
F1
F1 F1
メキシコシティGP
12 時間前
標高2200mのメキシコ……空気が薄い環境でパフォーマンスを発揮できるかが鍵。ホンダF1折原エンジニア「MGU-Hがない今年、ターボがより重要」

2連続ポールの秘訣は“グランツーリスモ走り”だった? イゴール・オオムラ・フラガに聞く、SF富士で見せた他とは違うシフトチェンジ
スーパーフォーミュラ
SF スーパーフォーミュラ 13 時間前
2連続ポールの秘訣は“グランツーリスモ走り”だった? イゴール・オオムラ・フラガに聞く、SF富士で見せた他とは違うシフトチェンジ
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
次の 2 つのオプションがあります。
- サブスクライバーになります。
- 広告ブロッカーを無効にします。
購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします
広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード
お知らせの管理
登録