「考えれば考えるほどプレッシャーになるので」“最後の戦い”が続くKCMGリザーブ野中誠太。後半戦シート確保に向け、邪念捨て走りに全集中
野中誠太はリザーブドライバーとしてスーパーフォーミュラに参戦を続けている。未だ次戦以降のシートは未定だが、全力を尽くしてチャンスに繋げたい構えだ。
Seita Nonaka, KCMG
写真:: Masahide Kamio
カッレ・ロバンペラのスーパーフォーミュラ参戦中止によってシートが1席空いたKCMGは、開幕のもてぎラウンドからリザーブドライバーの野中誠太を起用している。第3戦オートポリス、第4戦・第5戦鈴鹿とシーズンが進む中で後任は決まらず、野中は先行きが不透明な状況のままレースを戦っている。
ロバンペラの後任ドライバーの選定にあたっては、基本的にKCMGはトヨタの判断を仰ぐ形となっている。これはロバンペラの起用自体がトヨタマターだった事とも無関係ではないだろう。そして後任のドライバーが決まるまでは、チームのリザーブである野中が乗るという流れになっているが、決定にはやや時間を要している。
KCMGの土居隆二代表もオートポリス戦の際、「僕も鈴鹿は野中で継続の方が無難かなと思っています」と話していたため、鈴鹿戦での野中起用は驚くべきことではない。一方、7月に行なわれる次の富士ラウンドに向けては事前の合同テストも行なわれるため、まだ見ぬ後任ドライバーがニューカマーの場合は、富士テストからの合流が絶好のタイミングと言える。
野中にとっては今回の鈴鹿戦が最後のチャンスとなる可能性もあるが、本人としては開幕戦からずっと「これが最後かもしれない」というプレッシャーの下で戦ってきた。その中でも、チームと提携するハイテックのファクトリーに出向いてシミュレータを使って準備を進めるなど、やれることはやってきた結果、徐々にパフォーマンスも上向いている感触もあるという。
ハイテックのスタッフとコミュニケーションをとる野中
写真: JRP
ここまでの予選最上位は15番手。まずはQ2に進めるパフォーマンスを見せたいところだが、鈴鹿戦のFP2では1コーナーのブレーキングでスピンしてクラッシュを喫してしまい、後手に回った。
「午前中はずっとショートランをやっていて、午後に燃料を積んだ状態でユーズドタイヤで(ロングランに)いきました。もちろんフルプッシュしているわけではありませんでしたが、予想以上にバランスを失いました。これからデータを分析しますが、フィーリングとは異なる動きだったので、原因を慎重に分析したいです」
クラッシュについてそう説明した野中。ハイテックが参画するKCMGの9号車は、セットアップはエンジニアに任せ、ドライバーは走りに集中するという“ヨーロピアンスタイル”だが、車両の特性としてリヤが極端にナーバスというわけではなく、「ロングランに向けたもので機能しなかったものがあるかもしれません」と野中は言う。
土日に行なわれる2回の予選・決勝で挽回したいところだが、次戦以降シートを確保できる可能性は現実的にどのくらいあると思うかと尋ねると、野中は「そこは正直全くわからない」と話す。それでも、チャンスを掴むべく、全力を尽くすことに集中する構えだ。
「もてぎもオートポリスも、次のチャンスがあるかどうか不透明な状態でしたし、この先どこまでレースできるのか話をされたこともありません。その都度決まっていることなので、意識したことはありません」
「ただ、少なくとも結果を出すことによって、現状を変えられる可能性はあると思います。未来に関しては不透明すぎて気にすることではないので、ドライバーとしてはそこに集中します」
「そこに集中していかないと、今の状況では考えれば考えるほどプレッシャーが出てきてしまうので、あまり考えすぎないようにしています」
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