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悪天候が続いたスーパーフォーミュラ、今後はスケジュール前倒しも含めフレキシブルな対応を検討へ「業界全体の理解の上でできれば」

スーパーフォーミュラは、今後レースウィークが悪天候に見舞われた場合にレース実施の可能性を少しでも高めるため、よりフレキシブルな対応を検討していくという。

JRP上野禎久社長

JRP上野禎久社長

写真:: Motorsport.com / Japan

 スーパーフォーミュラのプロモーターであるJRP(日本レースプロモーション)は、第4戦・第5戦が行なわれる鈴鹿サーキットで定例記者会見を実施。中止となった第3戦の代替レースの実施や、今後悪天候に見舞われた際の対応の指針などについて語った。

 今季シリーズ第3戦は元々、4月26日(日)にオートポリスで開催される予定だった。この週末には予選まで実施されたものの、決勝は雨が強く降ったこともあり、1周を走った段階で赤旗が出され、そのまま中止、レース不成立となった。

 レース中止が決定した直後の記者会見で、JRPの上野禎久社長は、代替レースの実施に向けて各サーキットと協議を行なう旨を明かしていた。そして今回、代替レースは7月の富士ラウンドの第6戦と第7戦の間、7月19日(日)の午前に実施されることが明かされた。グリッド順位はオートポリスでの予選結果を採用、タイヤ交換なしのスプリントレースで、通常レースの60%程度のポイントが付与される。

 上野社長は、“瑶⼦⼥王杯ウィーク”として開催される7月の富士ラウンドに代替レースを行なうことになった経緯について、こう説明した。

「オートポリス大会の中止を決定した後、すべてのオーガナイザー(開催サーキット)と個別に協議をしました。オートポリスの後には、ここ鈴鹿、富士、そしてSUGOでのレースが続きますが、できる限り早いタイミングで実施したいと考えていました」

「その中で、鈴鹿はサポートレースも含めてスケジュールがかなりフィックス(固定)されていた部分がありました。また鈴鹿での1大会3レースは昨年も実施しましたが、ドライバーの負担も大きかったです」

「そしてSUGO大会に組み入れるプランも検討しましたが、この大会は元々2デイ(土曜日から走行開始)での開催ですので、そこで2レースを行なうとなるとロジスティクス(移動・物流)面も含めてレースウィーク自体を大きく変えることになりますので、現実的ではありませんでした」

「その結果、富士スピードウェイさんで実施をしたいということで、協議を進めてきました」

 上野社長が言うように、今週末の鈴鹿ラウンドはスーパーフォーミュラ・ライツ(SFライツ)やフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップなどのサポートレースが盛り沢山でスケジュール調整が難しかったとのこと。そして8月のSUGOラウンドに関しては、遠方である東北の大会ということもあり、金曜搬入、土曜走行開始の1大会1レース制でスケジュールが組まれている。その性質上、搬入日の前倒しを含めて大会日程自体を大幅に変える必要が出てくるという点で難しさがあったようだ。

今後は「フレキシブルな対応」を目指す

Safety car

Safety car

写真: Masahide Kamio

 今季のスーパーフォーミュラは、開幕もてぎラウンドも雨に見舞われ、土曜日の第1戦はほとんどセーフティカー先導のレースに。続くオートポリス戦は前述の通り中止となり、今週末の鈴鹿戦も天気予報が好転してきているものの、当初は土日共に雨になるのではという予報もあった。

 天気自体は致し方ない部分もあり、コースコンディションが悪い場合は安全第一でレースの中断・中止の決断がなされるべきではあるが、今後の大会のほとんど、もしくは全てが雨に見舞われる可能性もゼロではない。今後ファンにレースを見せられる可能性を少しでも高めるために、シリーズ側ができることはあるのかと尋ねると、上野社長は今後レースの前倒しも含めたフレキシブルな対応ができるよう、業界全体の理解を得られるように取り組んでいく意向を示した。

 まさに4月のオートポリス戦も、サポートレースのSFライツが行なわれていた午前中〜昼頃のコンディションはそれほど酷くはなかった。したがって、SFライツとスーパーフォーミュラのスケジュールを入れ替えるなどすれば、雨が強くなると予想されていた午後を回避できたとも言えた。

 ただオートポリスで行なわれた会見でmotorsport.comがその件について尋ねた際、上野社長は「天気予報は確定情報ではありません」として、予報を受けてスケジュールを変更する判断はしていないと説明していた。またその一方で、スケジュール変更が難しい理由として、レース中継の兼ね合い、そして定刻にレースが実施される前提でサーキットに向かっているファンの兼ね合いがあると述べていた。

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「私が最近雨男と呼ばれていますので、先日は関谷(正徳)さんの奥様から、高円寺にある気象神社のお札をもらいました。今回もひとつ持ってきましたが、効果ありましたね(笑)」と笑顔を見せる上野社長は、オートポリス大会で議論された内容についてこう明かした。

「あの時(オートポリスでの記者会見)は、『予報は予報だ』とお話ししましたが、とはいえ最近は天気予報の精度が高いですので、お客様にレースを見せるため、我々のタイムスケジュールをもっとフレキシブルにアジャストするべきだという意見が色々なところで挙がりましたし、私自身もそう思っています」

「ただ、スタート時間を早めるということには我々としても相当リスクがあります。お客様もそこ(当初のレース時刻)に合わせて来るわけですから。会場に来たのにレースが見られないことにもつながりますので、前倒しはなかなか難しいという話もしています」

「しかしながらF1マイアミGPで天気予報を受けてレース時間を前倒しした事例を見ると、プロモーターとしてそういった可能性にも目を向けるべきだと思っています。今は何ができるかについてブレインストーミングを始めています。お客様にレースを見せるために何をできるかについて、過去の事例に囚われず、スタート時間を早めることを業界全体の皆さんの理解の上でできれば、大きな改善策になると考えています」

「我々はハード面で雨に弱いという性質もありますので、雨に強い車両を使うサポートレースとスケジュールを入れ替えるような、フレキシブルな対応ができる仕組みにしていきたいです」

 上野社長が語るようなフレキシブルなスケジュール調整に加えて、そもそもある程度の雨量でもレースが成立する形にできるかもひとつのキーポイントと言える。フォーミュラカー……中でも特にダウンフォース量の多いスーパーフォーミュラは車両から大きな水煙が巻き上げられ、それが視界不良に繋がる。タイヤが路面の水をしっかり排水してグリップしたとしても、マーシャルポストが見えないような状況下ではレースができない。

 これは当然ながら構造上難しい部分もあり、小林可夢偉も水煙を解決する策は「(車両)をスーパーフォーミュラじゃなくてLMP2に変える」ことだと話す。この突飛なアイデアは彼特有のジョークを含んだニュアンスだと思われるが、フォーミュラカーのウォータースクリーンの問題はそれほど解決が難しいのだということを彼なりに表現した……そう捉えることもできる。

 F1ではタイヤをカバーで覆うウエット用のパーツをテストしたことがあったが、上野社長はそれを引き合いに出し、「F1でもカウルをつけてテストをするなど実験を行なっていますが、雨の日の視界を確保するためにタイヤはどうあるべきかという点も、我々の次世代の車両に向けたひとつのテーマだと思っています」と述べた。

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