スーパーフォーミュラ 第3戦:オートポリス
トヨタ育成チームの“小林コンビ”、キャラは対照的だがまずまず機能中。利徠斗の感謝に可夢偉「拒否られてるんかなと思ってた(笑)」
今季からKDDI TGMGP TGR-DCでチームメイトとなった小林可夢偉と小林利徠斗。ふたりはパーソナリティこそ大きく異なるが、ベテランの可夢偉がチームを引っ張り、ルーキーの利徠斗がそれを吸収するというスタイルはうまく機能しているようだ。
戎井健一郎
公開日時: 2026/04/28 9:01
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Rikuto Kobayashi, KDDI TGMGP TGR-DC
写真:: Masahide Kamio
スーパーフォーミュラに参戦するトヨタ系の人材育成チーム、KDDI TGMGP TGR-DCは、発足2年目を迎えた今季、ベテランの小林可夢偉とルーキーの小林利徠斗を起用している。奇しくも名字が同じふたりだが、そのキャラクターは大きく異なる。
ある意味どちらも我が道を行くタイプなのは共通項かもしれないが、遠慮のないストレートな言動でしばしば軽口も叩く可夢偉と違い、利徠斗は時折ウィットに富んだ言葉選びで周囲を笑わせるようなこともあるものの基本的には物静かで、感情の起伏も小さい。
写真: JRP
「あんま会話させてもらえてないんですよね……」
そう可夢偉がぼやくように、ふたりが仲睦まじく談笑しているシーンがあまり見られないのは確かで、このコンビが果たしてうまくやっていけるのか、個人的にも勝手ながら心配していたのが正直なところ。ただ、少なくともチームとしてうまく機能している面はありそうだ。
利徠斗はもてぎでの開幕ラウンドの際、チームと共にマシンセットアップの改善やドライビングの合わせ込みを進めていく中で、ルーキーの自分は「何から手をつければいいのか分からない」部分があるため、可夢偉がチームを引っ張ってくれていることには非常に助けられていると話していた。
このことを可夢偉に伝えると、彼としても意外だったのか、「ほんとですか、よかった〜。僕はもう拒否られてるんかなと思ってて、できるだけ喋らんとこうと思ってたんですけど」とのこと。“宇宙人”とも言われる新人を理解するにはまだまだ時間がかかりそうな様子だ。
では可夢偉はチーム内でどのような役割を請け負っているのだろうか?
「僕はあまりコソコソするタイプではないので、(利徠斗と)普通に会話をしながら話を聞いて、『こうした方がいいんじゃないの』とヒントをあげたりしています」
写真: Masahide Kamio
「それで彼なりに感じることもあると思います。そこで僕の方はエンジニアにちゃんと説明をすることで、エンジニアに『僕らが言っているのはこういうことですよ』『僕らはこう感じているからこういうところを見てよ』といったコミュニケーションをとっています」
「そういったことをやっているうちに、『このクルマはこういうところを重視しないといけないんだ』みたいなヒントを見つけていければ、強くなるんじゃないかと思っています」
「このチームとコミュニケーションを始めたばかりなので、ちょっと時間はかかると思いますが、良くなっていけると思います」
昨年のTGR-DCは、トヨタの育成ドライバーを3人起用しながらも無得点に終わった。今季はあえてベテランの可夢偉を起用することで、パフォーマンスの底上げをしたいというのがトヨタの狙いだ。
そのため、可夢偉のスタンスにも以前とは違いがあるようにも感じられる。
第3戦オートポリスの予選Q1では、利徠斗がQ2進出ラインとわずか0.051秒差のA組8番手に終わった一方、可夢偉はカットラインから0.457秒落ちのB組10番手に。これは可夢偉側がギャンブル的なセットアップをしたことが要因だという。
可夢偉が予選や決勝でギャンブルに出ることは何も珍しいことではない。しかし昨年までのギャンブルは、スーパーフォーミュラ未勝利が続く中で“一発勝ちに行く”ための側面が強かった印象だ。ただ今回は、あくまで今後より良いセットアップを見つけ出していくためのトライなのだという。
彼は予選を振り返り、次のように語る。
「結構博打をしてあまりハマらなかったのですが、なんでダメだったのかがよく分かりました」
「逆に利徠斗は、今分かっていることを基に(セットアップを)微調整する、ということをやっています。僕は振り幅を大きくして、チームのために見つけられるものを見つけようとしています」
「チームの目的はコンスタントに強いチームにすることなので、もっと高いところを見るという意味で色々チャレンジしています。色々と時間がないのですが、だからといってチャレンジしないと変わらないので」
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