【スーパーフォーミュラ】松下信治、波乱の船出も2戦目で3位表彰台。チーム力向上にも手応え
スーパーフォーミュラ第3戦オートポリスで表彰台を獲得した松下信治は、B-Max Racingがチーム力の水準を上げることができていると語った。
Nobuharu Matsushita, B-Max Racing Team
Masahide Kamio
悪天候により途中終了となったスーパーフォーミュラ第3戦オートポリスは、ジュリアーノ・アレジが参戦2戦目にして優勝を飾ったことで話題となった。このレースで3位表彰台を獲得したのが、13番手スタートの松下信治(B-Max Racing Team)だった。
松下とB-Maxは今季、ホンダエンジンの使用契約がまとまらなかった関係で開幕前の合同テストと開幕戦富士を欠場し、第2戦鈴鹿からの参加となった。鈴鹿戦では13位と苦戦し「最悪のレースだった」と語っていた松下だったが、今回のレースではスタート直後の混乱をうまくかいくぐって大きくポジションを上げ、昨年の最終戦以来となる自身2度目の表彰台を獲得した。
そんな松下曰く、鈴鹿戦からオートポリス戦までの3週間で、チームの体制が大きく前進したという。
「4月の初めにようやく準備が始まり、急ピッチでチームの体制を整えました」
「案の定、鈴鹿では最悪な結果に終わりました。しかしチームは諦めていませんでした。くじけずにチーム全体の水準を上げていったんです」
「メカニックたちも毎日ハードなトレーニングに励んでいました。今回はピットストップの機会がありませんでしたが、次のレースでは(ピット作業に)自信があります」
また今回のオートポリス戦から、スーパーGTのAstemo REAL RACINGでチーフエンジニアを務める田坂泰啓が松下を担当することとなった。田坂エンジニアはかつてREAL RACINGでスーパーフォーミュラのレースエンジニアも務めた経験があり、そこでは塚越広大らとコンビを組んでいた。
「僕が全日本F3にREAL RACING(HFDP RACING)から参戦していた時、彼はスーパーフォーミュラを担当していて、その時から彼のことを知っていました」
松下は田坂エンジニアについてそう説明する。
「彼は親切な方で、頭も良くコミュニケーション能力が高いです」
「そして宮田さん(鈴鹿戦で松下を担当した宮田雅史エンジニア)、本山(哲)監督も『ここは風が強い』『ここで誰かがスピンしていた』など必要な情報を教えてくれました」
「僕たちは1台体制というハンデを背負っていますが、こういった方々が僕のことに集中してくれることにとても感謝しています」
松下は今回、雨の予選で13番手に終わったが、速さ自体には自信があったようで、この順位に留まったことにはピット位置が大きく関係していると主張した。予選では各チームが出来るだけ早くタイムを出すため、我先にと一斉にピットアウトしていったが、ピット位置が後ろ(ピットレーン入口寄り)だった松下は、どうしても集団の後方に埋もれてしまった。そのため松下は、前を走るマシンのスピンによるイエローフラッグ、そしてレッドフラッグによる影響を受けやすい状況に置かれてしまっていたのだ。
そして13番グリッドからレースをスタートした松下は、スタート直後の混乱をすり抜けて3番手に。その後1回目のセーフティカーランが終わってリスタートを迎えようかというタイミングで関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)がコースオフしたため、2番手に浮上した。ほどなくしてレースは赤旗中断となり、最終的にそのまま再開されずに終了となったが、松下はスタート時にスターティンググリッドの停止位置を「50cmほど(本人談)」オーバーしており、これにより5秒のタイムペナルティを受けた結果2位から3位に降格となった。
レース全体を振り返り、松下は次のように語った。
「(スタートでは)蹴り出しで3台ほど抜いて、(ターン1への)ブレーキングではスペースを見つけたのでそこに飛び込みました。クラッシュが起きていたことも僕に味方しました」
「僕は3番手にいましたが、関口選手がコースオフしたため2番手となり、そこからのペースも良かったです。予選でも速さがあったのですが、僕たちのピットボックスは悪い位置にあったため、常に赤旗の影響を受けてしまっていました」
「まだ良いコンディションでのスピードがチェックできていないので、不安な部分もありますが、新しいエンジニアさんも頑張ってくれていますし、今回の表彰台は次戦SUGOに向けてのモチベーションになりました」
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