0.6秒差で山本との一騎打ちを制した野尻「後半バランスが良くなりペースを上げられた」
2020スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス。今季初優勝を飾った野尻智紀(TEAM MUGEN)はレース後半の燃料が少なくなったタイミングでマシンのバランスが良くなったことが、勝利を手にする上で大きかったと語った。
写真:: Masahide Kamio
オートポリスで行なわれた2020全日本スーパーフォーミュラ選手権の第4戦。決勝レースで今季初優勝を飾った野尻智紀(TEAM MUGEN)は、山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)とマッチレースとなった1戦を振り返り、最後まで全力を出し切ったレースだったと話した。
ポールポジションからスタートし、序盤からレースをリードした野尻は、2度目のセーフティカーが入る直前にピットストップを完了した。後半スティントは山本とのタイムレースとなったが、何とか最後にトップに返り咲き、昨年の最終戦鈴鹿以来となる勝利を挙げた。
「すごく嬉しいの一言です。今週末はTEAM MUGENに移籍してから初めてポールポジションを獲得できましたし、決勝もそのままの流れを維持して優勝できました。いつもチームの皆さんがかなり頑張ってくれていた中で、特に今週末は大幅にクルマのセットアップを変更する場面もありましたが、しっかり対応してくれました。本当に良い形でこのオートポリス大会を終えられたので、非常にホッとしていますし、嬉しいです」
記者会見でそう語った野尻だったが、特にタイヤ交換直後のレース中盤は思うようにペースを上げることができず、山本に逆転されてしまうのではないかという不安も抱えながらの走行だったという。しかし、燃料が軽くなり始めたところでペースが良くなったことで、勝利に繋がったと振り返った。
「(2回目のSC解除後)コース上でのポジションとしては4番手を走っていました。その影響があったのかないのか分からないですけど、やはりペースを上げられないなというところはありました」
「どんどん前の集団が見えなくなっていたので、このままじゃ逆転される可能性があるなというのは自分でも自覚していたし、なんとかペースをあげなきゃと思いながらタイヤも労わらないといけませんでした」
「一瀬(俊浩)エンジニアからも『1分29秒後半くらいで走ってほしい』と無線でお願いされたんですけど、その時の僕は1分30秒台くらいで走っていて、『プッシュしているけど無理だ。ごめん!』と言っていました。その数周後くらいから燃料が少なくなってバランスが良くなったりしたので、一瀬エンジニアが言っていたターゲットの1分29秒後半くらいには入れました。そこが良かったなというところでした。最後まで自分の力を出し切ったレースだったので……本当に疲れましたね」
「ただ、ペースを改善しなければいけないという課題が明白になった思います。優勝はすごく嬉しいですけど、しっかりと改善すべきところはしていかないと、またこのポジションに戻ってこられないと思うので、しっかりと、みんなで歩んでいきたいなと思います」
今回のポール・トゥ・ウィンで今季の獲得ポイントを36に伸ばした野尻は、一気にドライバーズランキング3位に浮上した。彼自身としては先週のスーパーGT第7戦でも勝利を挙げており上り調子ではあるが、スーパーフォーミュラに関してはさらに改善をしていかないと平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)やニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)といった上位ランカーには勝てないと気を引き締めていた。
「シリーズランキング3番手になりましたが、今回は平川選手が予選で失敗するなど、本当の力を出し切れていない選手もたくさんいました。次の鈴鹿2レースと最終戦の富士は、もっと僕たちが頑張っていかないと勝つことができないです。まだまだ上がいますし、もっともっと頑張りたいなと思います」
野尻智紀 Tomoki Nojiri(TEAM MUGEN)
Photo by: Masahide Kamio
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