大クラッシュから3週間……高星明誠、いざ鈴鹿へ。富士で感じた確かな速さを「結果に残したい」

3号車CRAFTSPORTS MOTUL Zの高星明誠は、クラッシュでリタイアとなった第2戦富士ではマシンの速さを示せていたとして、第3戦鈴鹿ではそれを結果という形にして残したいと意気込んだ。

Mitsunori Takaboshi, #3CRAFTSPORTS MOTUL Z

Mitsunori Takaboshi, #3CRAFTSPORTS MOTUL Z

Masahide Kamio

 スーパーGT第2戦富士で発生した、身の毛もよだつ3号車CRAFTSPORTS MOTUL Zの大クラッシュから3週間。ドライバーの高星明誠は、第3戦鈴鹿のパドックに姿を見せた。原型をとどめないほどの大きなクラッシュであったにもかかわらず、高星に大きな怪我はなく、先日のスーパーフォーミュラ第4戦オートポリス大会にもスーパーフォーミュラ・ライツのコーチングに出向いて元気な姿を見せていたが、この鈴鹿戦の搬入日で改めてドクターによるチェックが行なわれ、出場へのゴーサインが出された。

 振り返ってみれば、開幕戦岡山、第2戦富士と3号車は印象的な活躍を見せていた。開幕戦では予選14番手に沈むも、決勝では9ポジションアップの5位。第2戦では前述のクラッシュによりノーポイントに終わったものの、3番グリッドから優勝争いを展開していた。

 高星にとっては、今季は車両もチームもタイヤメーカーも新しくなり、あらゆる面で慣熟が求められるシーズンインとなった。「開幕戦を戦って、自分に足りない部分が垣間見えて、それをどうにかしようと富士に向かいました。富士ではパフォーマンスでまだまだ足りない部分もありましたが、速さは示すことができましたし、トップ争いもできていたので、改善の方向性は正しかったのかなと思いました」と振り返る。

 高星が言う“足りない部分”に関して、やはり一番はミシュランタイヤの使い方とのこと。グリップの出方やピックアップ(タイヤかすの付着)など、これまで彼が慣れ親しんでいたヨコハマタイヤとは特性が異なる。さらにミシュランはここまで決勝を重視したタイヤ選択をしているが、「その中でどう予選を戦うのか、という部分に取り組んでいますが、狙い通りに戦えていると思います」と高星は手応えを口にする。

 また今季は23号車MOTUL AUTECH Zに加え、NDDP RACINGの3号車もニスモがメンテナンスを担当しており、ニスモが実質的な2台体制を敷いている。この新体制によるメリットは感じられているかと高星に問うと、彼は次のように答えた。

「テストでは2台一緒にミーティングをしたり、情報共有はしやすくなっていると思いますが、3号車と23号車はニスモという括りこそあれど、それぞれ別のチームです」

「とはいえ、だからこそ良い意味で切磋琢磨できていて、その結果岡山でも富士でも速さを見せられているのではないかと思います」

 鈴鹿に向けては、まだまだライバルに対しての相対的なデータが十分ではなく、「正直、走ってみないと分かりません」と話すにとどめた高星。ただ富士が悔しい結果に終わったからこそ、鈴鹿でリベンジしたいという思いは強い様子。「(ここまで示してきた速さが)結果に残っていないので、結果を残せるように頑張っていきたいです」と意気込んだ。

 
Read Also:

Be part of Motorsport community

Join the conversation
前の記事 GT500を席巻。ブリヂストンはなぜ強いのか? 今も活きるF1時代の”遺産”
次の記事 トップ4に日産Zが3台。23号車が首位、“復活”の3号車は4番手|スーパーGT第3戦鈴鹿:公式練習

Top Comments

コメントはまだありません。 最初のコメントを投稿しませんか?
超異色! ラジコン世界一からカート経験ゼロでレースの世界へ……たった3年弱でスバルのスーパーGTオーディションドライバーまで漕ぎ着けた奥本隼士とは何者か

超異色! ラジコン世界一からカート経験ゼロでレースの世界へ……たった3年弱でスバルのスーパーGTオーディションドライバーまで漕ぎ着けた奥本隼士とは何者か

スーパーGT
岡山公式テスト
超異色! ラジコン世界一からカート経験ゼロでレースの世界へ……たった3年弱でスバルのスーパーGTオーディションドライバーまで漕ぎ着けた奥本隼士とは何者か 超異色! ラジコン世界一からカート経験ゼロでレースの世界へ……たった3年弱でスバルのスーパーGTオーディションドライバーまで漕ぎ着けた奥本隼士とは何者か
雨のスーパーGT公式テストでGT500最速を記録したヨコハマタイヤ。ダンプ路面に強いトレッドパターンはGT300でも採用の方向

雨のスーパーGT公式テストでGT500最速を記録したヨコハマタイヤ。ダンプ路面に強いトレッドパターンはGT300でも採用の方向

スーパーGT
岡山公式テスト
雨のスーパーGT公式テストでGT500最速を記録したヨコハマタイヤ。ダンプ路面に強いトレッドパターンはGT300でも採用の方向 雨のスーパーGT公式テストでGT500最速を記録したヨコハマタイヤ。ダンプ路面に強いトレッドパターンはGT300でも採用の方向
岩佐歩夢は初めてのスーパーGT・GT500車両をどう感じたか?「フォーミュラに近いとは聞いていたけど……想像よりもハコ車」

岩佐歩夢は初めてのスーパーGT・GT500車両をどう感じたか?「フォーミュラに近いとは聞いていたけど……想像よりもハコ車」

スーパーGT
岡山公式テスト
岩佐歩夢は初めてのスーパーGT・GT500車両をどう感じたか?「フォーミュラに近いとは聞いていたけど……想像よりもハコ車」 岩佐歩夢は初めてのスーパーGT・GT500車両をどう感じたか?「フォーミュラに近いとは聞いていたけど……想像よりもハコ車」
逆転タイトルを目指し、首位走行もまさかのスピン。3号車Niterraの高星明誠「勝ちきりたかった……申し訳ない」

逆転タイトルを目指し、首位走行もまさかのスピン。3号車Niterraの高星明誠「勝ちきりたかった……申し訳ない」

スーパーGT
第8戦:もてぎ
逆転タイトルを目指し、首位走行もまさかのスピン。3号車Niterraの高星明誠「勝ちきりたかった……申し訳ない」 逆転タイトルを目指し、首位走行もまさかのスピン。3号車Niterraの高星明誠「勝ちきりたかった……申し訳ない」
3号車Niterra、”悔しい鈴鹿”を取り返す圧巻の勝利。その勝因はミシュランタイヤのパフォーマンスと、千代勝正の”ある行動”にあった!

3号車Niterra、”悔しい鈴鹿”を取り返す圧巻の勝利。その勝因はミシュランタイヤのパフォーマンスと、千代勝正の”ある行動”にあった!

スーパーGT
第4戦:富士
3号車Niterra、”悔しい鈴鹿”を取り返す圧巻の勝利。その勝因はミシュランタイヤのパフォーマンスと、千代勝正の”ある行動”にあった! 3号車Niterra、”悔しい鈴鹿”を取り返す圧巻の勝利。その勝因はミシュランタイヤのパフォーマンスと、千代勝正の”ある行動”にあった!
千代勝正「鈴木豊さんに良い報告ができる」高星明誠「ここまで速さは常にある」【スーパーGT第3戦鈴鹿:GT500優勝記者会見】

千代勝正「鈴木豊さんに良い報告ができる」高星明誠「ここまで速さは常にある」【スーパーGT第3戦鈴鹿:GT500優勝記者会見】

スーパーGT
第3戦:鈴鹿
千代勝正「鈴木豊さんに良い報告ができる」高星明誠「ここまで速さは常にある」【スーパーGT第3戦鈴鹿:GT500優勝記者会見】 千代勝正「鈴木豊さんに良い報告ができる」高星明誠「ここまで速さは常にある」【スーパーGT第3戦鈴鹿:GT500優勝記者会見】

最新ニュース

岩佐歩夢が、SF開幕戦で無線交信に英語を使っていた理由「日本語での更新に違和感」 レポートも日本語と英語が混在……まるで”ルー”?

岩佐歩夢が、SF開幕戦で無線交信に英語を使っていた理由「日本語での更新に違和感」 レポートも日本語と英語が混在……まるで”ルー”?

SF スーパーフォーミュラ
第1戦:鈴鹿
岩佐歩夢が、SF開幕戦で無線交信に英語を使っていた理由「日本語での更新に違和感」 レポートも日本語と英語が混在……まるで”ルー”? 岩佐歩夢が、SF開幕戦で無線交信に英語を使っていた理由「日本語での更新に違和感」 レポートも日本語と英語が混在……まるで”ルー”?
レッドブルの今季マシンRB20、次世代2026年見据えた「大勝負」だったとチーフエンジニア

レッドブルの今季マシンRB20、次世代2026年見据えた「大勝負」だったとチーフエンジニア

F1 F1
レッドブルの今季マシンRB20、次世代2026年見据えた「大勝負」だったとチーフエンジニア レッドブルの今季マシンRB20、次世代2026年見据えた「大勝負」だったとチーフエンジニア
佐藤琢磨、15回目のインディ500へ。紅白基調のマシンカラー公開……多くの日本企業がスポンサーに

佐藤琢磨、15回目のインディ500へ。紅白基調のマシンカラー公開……多くの日本企業がスポンサーに

Indy IndyCar
佐藤琢磨、15回目のインディ500へ。紅白基調のマシンカラー公開……多くの日本企業がスポンサーに 佐藤琢磨、15回目のインディ500へ。紅白基調のマシンカラー公開……多くの日本企業がスポンサーに
ドゥカティ、期待の若手フェルミン・アルデゲルとの契約を発表。2025年にMotoGP昇格も、チームは未発表

ドゥカティ、期待の若手フェルミン・アルデゲルとの契約を発表。2025年にMotoGP昇格も、チームは未発表

MGP MotoGP
ドゥカティ、期待の若手フェルミン・アルデゲルとの契約を発表。2025年にMotoGP昇格も、チームは未発表 ドゥカティ、期待の若手フェルミン・アルデゲルとの契約を発表。2025年にMotoGP昇格も、チームは未発表

Sign up for free

  • Get quick access to your favorite articles

  • Manage alerts on breaking news and favorite drivers

  • Make your voice heard with article commenting.

Motorsport prime

Discover premium content
登録

エディション

日本