レースレポート

スーパーGT 第2戦:富士

40kgウエイトなんのその。最強au TOM'Sが完勝……開幕2連勝は松田/ロニー組以来10年ぶり|スーパーGT第2戦富士

スーパーGT第2戦富士の決勝レースでは、36号車au TOM’S GR Supraが優勝を飾った。

戎井健一郎

編集: 2026/05/04 10:02

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#36 au TOM’S GR Supra

#36 au TOM’S GR Supra

写真:: Masahide Kamio

 5月4日(月)、富士スピードウェイでスーパーGT第2戦の決勝レース(3時間)が行なわれた。優勝したのはGT500クラスが36号車au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)、GT300クラスが56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/木村偉織)だった。

 例年ゴールデンウィークに開催され、シーズンで最も多くの観衆を集める第2戦富士。大会前は天候が心配されていたが、雨は決勝日の未明まで猛烈に降った後に収まり、14時からの決勝レースはドライコンディションとなった。

 気温は24℃、路面温度は43℃まで上がった。給油を含む2回のピットストップが義務付けされる今回の3時間フォーマットは戦略の幅が広くないため、徐々に変わりゆく路面温度に合わせて適切な作動領域のタイヤを選択できるかが勝敗を分ける大きなポイントと言えた。

■GT500クラス

 GT500は14号車ENEOS X PRIME GR Supraがポールポジションを獲得。開幕戦を勝利して既に40kgものサクセスウエイトを搭載する王者・36号車au TOM’S GR Supraが2番グリッドにつけた。日産勢は23号車MOTUL Niterra Zの3番グリッド、ホンダ勢は64号車Modulo HRC PRELUDE-GTの5番グリッドが最上位であった。

 予選ポールシッターであり、スタートドライバーを務める14号車ENEOSの福住仁嶺は、オープニングラップから1分29秒台のペースで飛ばし、後続に対して差を広げにかかった。厳しいウエイトの影響からかついていけないau TOM'Sを23号車NISMO、38号車KeePer CERUMO GR Supraが追いかけ、その後方ではホンダ勢のARTAの2台が順位を上げてきていた。

 そんな中、3番手のNISMOを追いかけていたKeePer CERUMOの小林利徠斗が最終コーナーのブレーキングでNISMO高星明誠に追突し、スピンさせてしまった。高星は4番手で復帰することができたが、KeePer CERUMOには痛恨のドライブスルーペナルティが下された。

 ペースに苦しんで順位を落としてしまっていた8号車ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GTは、開始から40分も経っていないタイミングでピットに。これがGT500で最初のルーティンストップとなった。

 レース開始から1時間が経過したタイミングで、au TOM'S山下に対して20秒以上のギャップを築いて独走状態に入っていたENEOS福住がピットイン。続いてau TOM'S、NISMOと、トップ3が同じタイミングで最初のルーティンストップを行ない、それぞれドライバー交代を行なった。

 全車がルーティンストップを終えた頃、13番手スタートながら上位をうかがう好走を見せていた37号車Deloitte TOM’S GR Supraがスローダウン。ピットに戻ってくることができず、ホームストレート脇でストップしたため、車両回収のためにFCY(フルコースイエロー)が出された。Deloitte TOM’Sは開幕戦に続き、2戦連続でトラブルに泣いた。

 レースは後半に差し掛かる中、一時は20秒以上あった首位ENEOSとau TOM'Sの差は徐々に縮まってくる。ENEOS大嶋和也がスティント後半で1分31秒台のペースで走る中、au TOM'S坪井翔のペースは1分30秒台後半〜31秒台前半で安定しており、レース残り1時間となる頃には4秒差にまで縮まった。

 そしてau TOM'Sは76周を走ったところでピットイン。ドライバーは坪井のままだ。ENEOSはその2周後に大嶋から福住に再度ドライバーチェンジしてコースに出たが、au TOM'Sはすぐ後ろ。福住はコカ・コーラコーナーでオーバーテイクを許し、首位交代となった。

 そんな中、5番手争いを繰り広げていたKeePer CERUMOは序盤の接触の影響か、左のフロントフェンダー(フリックボックス)に損傷が見られ、ポジションを落としていく展開に。ピットに戻って応急処置が試みられたが、結局ガレージイン。開幕戦2位のチームが姿を消した。

 坪井は福住とのギャップをじわじわ広げていき、開幕戦に続いての横綱相撲でトップチェッカー。40kgのウエイトを感じさせない走りで2連勝を飾った。スーパーGTにおける開幕2連勝は、2016年MOTUL AUTECH GT-Rの松田次生、ロニー・クインタレッリ以来10年ぶりの快挙となった。

 2位ENEOSは、ポールから善戦するも力負けといったところか。3位には、39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraの追撃を振り切ったNISMOが入った。ホンダ勢は軒並み苦戦したが、ARTAの16号車が孤軍奮闘して5位でチェッカーを受けた。

■GT300クラス

 GT300のポールシッターは、61号車SUBARU BRZ R&D SPORT。水平対向6気筒の新エンジンとなり、最高速は最速の288km/hを記録するなど、コーナリングマシンからストレートも速いマシンへと変貌した。2番グリッドに並んだのは、BRZに引けを取らない最高速を記録していた31号車apr LC500h GTだ。

 ただ決勝前のウォームアップでスバルにトラブル発生。左フロントタイヤのパンクに見舞われた。スターティンググリッドでは、レースに影響を与えまいとメカニックが左フロントのタイヤハウスに頭を突っ込みながら入念に作業を行なっていた。

 迎えた決勝レースの序盤では、61号車SUBARU、31号車apr、52号車Green Brave GR Supra GTのトップ3は変わらず。しかし20分が経過した頃にはSUBARUの山内英輝に対してaprの小山美姫が接近してきていた。そしてほどなく52号車Green Braveと56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rも接近。ただ山内も首位を譲ることなく周回を重ねた。

 しかし25周目、無情にもBRZに再びタイヤトラブルが襲う。しかもウォームアップと同じ左フロントのバーストだ。山内はスロー走行で1周まわってピットイン。タイヤを交換してコースに復帰したが、上位争いからは脱落してしまった。その他、88号車VENTENY Lamborghini GT3や5号車マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号など、タイヤメーカーや車種にかかわらずタイヤトラブルに見舞われる車両が相次いだ。

 これでトップに立ったのは31号車aprの小山。56号車リアライズに追い抜かれたタイミング(33周)でピットインし、チャーリー・ブルツへと交代した。56号車リアライズはその8周後にピットに入り、aprの前でコース復帰した。

 一方、ステイアウトを続けてトップに立っていた52号車Green Braveだったが、ピットストップの準備をしているタイミングでGT500車両のストップによりFCYに。これでピットレーン入口がクローズされてしまった。ただ燃料もギリギリだったのか、Green Braveはペナルティ覚悟でピットへ。不運にもその直後にFCYは解除……わずか数十秒のタイミングの妙によって、60秒のペナルティストップという重い罰則を受けることになってしまった。

 これでトップは再び56号車リアライズ。ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ→木村偉織→デ・オリベイラと繋ぎ、2回のルーティンストップを問題なくこなした。2番手は接触によるタイムペナルティを抱える666号車seven x seven PORSCHE GT3R EVO、3番手は65号車LEON PYRAMID AMGで、31号車aprは4番手、1分のペナルティストップを受けた52号車Green Braveは5番手まで上がってきた。

 56号車リアライズは独走で今季初優勝。KONDO RACINGとして4年ぶりの王座を目指す上で大きな1勝となった。2番手チェッカーのseven x sevenは10秒ペナルティで4位降着。2位はディフェンディングチャンピオンのLEON、3位はaprだった。

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