スーパーGT

aprが語る、スーパーGT新車両のベースにLC500hを選んだ理由。重量配分◎で癖がない反面、得意不得意が分かれるクルマに?

2023年シーズンから、レクサスLC500hをベースとした車両をスーパーGTに新たに投入するapr。ベース車両決定の背景と、新車両の強みなどについて聞いた。

戎井健一郎

公開日時: 2023/01/13 9:10

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apr LC500h GT

 昨年、スーパーGTのGT300クラスにGR86 GTを送り込んだaprが、今年も新たな車両を発表した。ベース車両はレクサスLC500h。これでaprが長年走らせてきたプリウスは姿を消すこととなるが、“トヨタ(レクサス)のハイブリッド車”は引き続きGT300の舞台で戦うこととなった。

 2021年のオートポリスでは31号車が優勝を飾ったものの、ここ数年は厳しい戦いが続いていたaprのプリウス。しかし金曽裕人代表によると、彼らはプリウスをラインアップから外したかった訳ではなく、むしろ最近発表された新型プリウスをベースにした車両の製作を計画していたという。しかし時間的な制約で断念せざるを得なかった。

「新型プリウスがスポーティな方向になるということで、トヨタ本社とも話をして、実際に新型プリウスでやろうということになっていました」

 金曽代表はmotorsport.comにそう語る。

「しかし昨今の半導体問題やウクライナ情勢などで、新車の発表がどんどん遅延しています。去年のもっと早い時期に新型プリウスが発表・発売されていれば僕たちにもやりようはあったのですが……」

「前の型のプリウスも、レースに使えるほどcd値(空気抵抗係数)も良いし、GTレースを走る上では悪くないクルマなんですよ。新しいプリウスはもっとスポーツ志向になり、乗って楽しいようなクルマとなったので、それを使ってさらにすごいプリウスを作ろうとしましたが、時間的に無理になってしまいました。プリウスを外したかったというわけではありません」

 “トヨタ(レクサス)のハイブリッド車”をスーパーGTで走らせるとなった場合、市販車にハイブリッドシステムが搭載されていないGR86やGRスープラをベースにハイブリッドマシンを作るのは、レギュレーション的には可能でもプロモーション的には良いとは言えない。そうなるとベース車の候補はレクサスRC、レクサスLC、そして新型プリウスの3択に絞られたという。その中でプリウスは前述の時間的制約で難しく、RCは既にRC F GT3がグリッドに並んでおり、そこと重複してしまう。そういった理由から、LC500hがベースに選ばれることになったのだ。

 かくして完成した『LC500h GT』だが、金曽代表はこの車両の強みは「重量配分」であり、バランスがとれていることで癖がなく扱いやすい車両になっていると話す。また空力性能も強みになると言うが、車両がかなりのロングホイールベースになっているということもあり、サーキットによって得意不得意が分かれる可能性が高いと語った。

apr LC500h GT

apr LC500h GT

Photo by: Motorsport.com / Japan

「日本車離れしたスタイルをしていて、床裏面積が大きいです。その反面ホイールベースがとてつもなく長いですが、空力(ダウンフォース)はかなり出すことができます。プリウスのような4ドア車両はコクピットが大きく、どうしてもリヤウイングの効率を上げるのが難しかったですから」

「ただ岡山やもてぎなど小さな(コーナーが多い)サーキットは難しいかもしれません。得意なサーキット、不得意なサーキットがはっきり出る可能性は高いですね。逆に期待できるのは鈴鹿、あとSUGOですね」

 なおこのLC500h GTは現状他チーム向けに製作・供給する予定はないとのことで、2023年シーズンは1台のみの参戦になりそう。金曽代表は新車両のポテンシャルに自信をのぞかせており、GT300クラスの台風の目になりそうな予感だ。

 

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