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“ARTA 無限 NSX” 誕生——「2台体制はホンダ/HRC全体の底上げにも繋がる」と野尻智紀が考える理由

来季から無限とジョイントすることにより、スーパーGTのGT500クラスで2台体制を敷くARTA。野尻智紀は、この2台体制はARTAにとどまらず、ホンダ/HRC陣営全体の底上げにも繋がると考えている。

#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT battling with #8 ARTA NSX-GT

写真:: Masahide Kamio

 先日、2023年シーズンのモータースポーツ活動計画を発表したホンダ/HRC(ホンダ・レーシング)。その中でも最も大きな反響を呼んだのが、スーパーGTに参戦するARTAがGT500クラスで2台体制を敷くということだ。

 ARTAは、今季16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTを走らせた株式会社M-TEC(無限)とジョイント。来季からは『8号車ARTA 無限 NSX-GT』、『16号車ARTA 無限 NSX-GT』の2台が走ることとなる。無限は来季の活動について、ARTAの“パートナー”になると発表しているが、具体的にはチームのメンテナンス等を請け負う形になるとみられる。

 またタイヤに関しては今季は8号車がブリヂストン、16号車がダンロップを使用していたが、ジョイントに伴い2台共ブリヂストンユーザーとなる。

 そしてドライバーに関してもシャッフルが行なわれた。今季まで8号車をドライブし、ARTA、そしてブリヂストンをよく知る野尻智紀、福住仁嶺がそれぞれ8号車、16号車のエースドライバーとして分かれ、野尻のパートナーは大湯都史樹、福住のパートナーは大津弘樹が務める。

 スーパーGTでは、トヨタ陣営で言えばTOM'Sが長らく2台体制を構築しており、日産陣営もNISMOが23号車に加えて3号車NDDP RACINGのメンテナンスも担当し実質的な2台体制を敷いている。そしてホンダ陣営もついに2台体制を復活させることになる。同一エントラントによる2台体制は2006年シーズンのTeam Honda Racing以来で、この時は童夢メンテナンスの下、8号車ARTA NSX、18号車TAKATA 童夢 NSXの2台を走らせていた。

 やはり2台体制のメリットは、2台でデータの共有ができるということ。チームが収集できるデータの量が単純に2倍となるため、セットアップや開発における進度や精度を上げることができる。

 この点について、福住は次のように語っていた。

「モータースポーツは物を使うスポーツなので、(セッティングなどを)一緒にしても一緒にならないこともたくさんあると思います。その中でお互いデータを共有しながら状況を把握して、2台で速いクルマを作っていくのが目標になると思います」

 福住が指摘する通り、モータースポーツはわずかなコンディションの違いや車体のコンマ数ミリ単位の個体差によってパフォーマンスが左右されることが珍しくない。レースは“生モノ”と表現する関係者が多いのはそういったところからだ。

 だからこそ同じチーム、同じメンテナンス体制、同じタイヤメーカーの車両でデータ比較をすることは、ホンダ陣営としても非常に意味のあることだと考えているのが野尻。野尻は車両メカニズムやセットアップに関する知識に長けていることでも知られているが、個人としてもこの体制を楽しみにしているという。

「スーパーフォーミュラにしても、モータースポーツはイコールコンディションとは言っても全く同じにはなりません。モノコックにも微細な違いはあって、それによってセットアップも違います」

「今までは8号車、17号車(Astemo NSX-GT)、100号車(STANLEY NSX-GT)がBS(ブリヂストン)を履いていましたが『なんであっちのチームはあのタイヤがうまく使えて、こっちは使えないんだ』ということが往往にしてありました」

「もし(ARTA)2台の中でもそういった違いが出るのであれば、モノコックの差の可能性があります。そういったように、今まではブラインドで見えなかったものが見えるようになるという意味では、HRC全体の底上げにも繋がりますし、そこを一番有効に使えるのが僕たちだと思うので、レーシングカーに関する知識量は増えると思います」

「今までしょうがないとされていた差が、どういう原理、理由なのかを知れることが僕は嬉しいですね。僕はセットアップなどが好きな人間なので、楽しみにしています」

 
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