23号車NISMOは“寒さ”への対策が急務。「完璧な解決策を見出せていない」とクインタレッリ
ロニー・クインタレッリ曰く、NISMOはスーパーGTの2021年シーズン開幕に向け、寒冷なコンディションで苦しむというミシュランタイヤの弱点克服に取り組んでいるという。


昨年のスーパーGTでは、鈴鹿サーキットで行なわれた2レースを共に制した23号車MOTUL AUTECH GT-Rの松田次生/ロニー・クインタレッリ組。彼らはタイトルの可能性を残して最終戦富士に乗り込んだが、結果は9位に終わり、ドライバーズランキング6位でシーズンを終えた。
2015年以来となるタイトル獲得の機会を惜しくも逃した松田/クインタレッリ組だが、クインタレッリ曰く、最終戦で苦戦したのはミシュランタイヤが寒いコンディションで極度のデグラデーション(性能劣化)を起こしたからだという。
3月上旬に岡山で行なわれた2021年の開幕前公式テストも、気温が10℃前後まで落ち込むこともあるなど、寒さの厳しいコンディションに。23号車は結果的に総合11番手タイムとなった。
「ポジティブな点もネガティブな点もありますが、ミシュランとは未だ完璧な解決策を見出せていません」
クインタレッリはmotorsport.comにそう語った。
「この時期はタイヤに厳しい時期です。路面温度が非常に低かったシーズン最終戦の富士と同じような感じです」
「IMPULは僕たちと比べて一歩先を行っているような気がします。それについては驚いていません。路面温度が低いときはいつもそうでしたから。でも比較することは良いことです」
10月の第6戦オートポリス、11月の第7戦もてぎ、そして最終戦富士は、気温が低くなることが予想される。そのためクインタレッリは、序盤2レースで結果を残すことが重要になってくるだろうと指摘した。
「最初の2レースが特に重要になります」
「(第2戦の)富士もこれまで良いレースができていますし、良い結果が残せるかもしれません。しかし終盤に関しては、タイヤに厳しいオートポリス戦があります。11月の2レースはチャンピオンの鍵を握ることになるでしょう」
スーパーGTを運営するGTアソシエイションの坂東正明代表は昨年、2021年のGT500クラスにおいて、コスト管理のためにエンジンや空力の開発を凍結すると明言していた。クインタレッリ曰く、この開発凍結は日産勢がライバルのトヨタ勢やホンダ勢に対して「一歩遅れたままになる」ということを意味すると認めた。
しかしながら彼は、エンジンに関しては昨年の開幕時と比べて進歩があったと語った。
「もちろん、オフシーズンはマシンにあまり手を加えることができませんでした。なので昨年後半と同じような状況にあります」
「良い点を挙げるならエンジン面です。ボッシュの電子制御システムとエンジンマッピングがとても正確になっていて、今ではマシンを走らせるのがより簡単になっています。この点では昨年に比べて一歩前進したと言えるでしょう。ただやはり重要なのはタイヤですね」
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