【スーパーGT】首位走行中の12号車カルソニックがまさかの失速……第7戦もてぎの最終ラップに何が起きたのか?
スーパーGT第7戦もてぎで、最終ラップにガス欠に見舞われた12号車カルソニック IMPUL GT-R。後半スティントを担当した平峰一貴が当時の状況を振り返った。

ツインリンクもてぎで行なわれたスーパーGT第7戦の決勝レースで、12号車カルソニック IMPUL GT-Rの平峰一貴と8号車ARTA NSX-GTの野尻智紀によるマッチレースが展開された。しかし、その幕切れは実にあっけないものだった。
首位を走る12号車の平峰は、追いすがる8号車の野尻を押さえ込んだままファイナルラップに突入したが、3コーナーであっさりとオーバーテイクを許した後に失速。スローペースでチェッカーを受けたものの、最後の直線で19号車WedsSport ADVAN GR Supraにも交わされ3位に終わった。
12号車が失速した原因はどうやらガス欠の模様。平峰は最終ラップに突入する直前、コントロールタワーを過ぎたあたりで異変を感じたといい、追いかける野尻も、1コーナーから2コーナーにかけて12号車の加速が鈍っていることを感じ取り「これは僕たちのレースだ」と確信したという。
12号車は8号車と同じく、GT500では最も早い23周終了時点でピットインしていた。しかし平峰はチームが燃費的にアグレッシブな戦略を採ったとは考えていない。チームからも「プッシュしていい」との指示が飛んでいたようだ。
前半スティントを担当した松下信治も、これは予測不可能なことだったはずだと語った。
「ピットアウトした際にライバルの前に出るために、できる限り(給油を)短くした結果、少しだけ燃料が足りなかったということです。これもレースです」
「エンジニアの判断が間違っていたとは思いません。8号車がプレッシャーをかけてきていたので、チームは平峰選手に『プッシュ、プッシュ』と言っていたようです。そして彼がプッシュを始めた結果、最終ラップにああいうことが起こったんです。正直予測はできなかったと思います」

Nobuharu Matsushita, Kazuki Hiramine, #12 カルソニック IMPUL GT-R
Photo by: Masahide Kamio
12号車は3位でチェッカーを受けた後、パルクフェルメにたどり着けずにコース上でストップ。マシンを降りた平峰は悔しさをあらわにした。しかし、今季のスーパーフォーミュラの王者である野尻と長きに渡って互角以上のバトルができたことには満足感がある様子だ。
「スーパーフォーミュラのチャンピオンと戦えるなんて最高だなと思いましたし、『やってやろう』という気持ちでした。ただ、野尻選手のうまさは感じましたし、すごいなと思いました。良い勉強をさせてもらいました」
平峰はそう語った。
「彼は常に良いプレッシャーをかけてきます。それでいて無理をしない。そのプレッシャーをどう受け入れるかをレース中に考えていたので、彼と戦えたことは僕にとって良い経験になりました」
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