3号車CRAFTSPORTS、富士での事故乗り越え完勝。ランキング首位に|スーパーGT第3戦鈴鹿:GT500決勝
スーパーGT第3戦の決勝が鈴鹿サーキットで行なわれた。GT500クラスの優勝は3号車CRAFTSPORTS MOTUL Zだった。
写真:: Masahide Kamio
2022スーパーGT第3戦の決勝レースが5月29日、鈴鹿サーキットで行なわれた。GT500クラスの優勝は、3号車CRAFTSPORTS MOTUL Zだった。
3号車Zの大クラッシュなど、波乱に満ちた第2戦富士から3週間。舞台を鈴鹿に移し、300kmレースのラウンド3が行なわれた。
予選で速さを見せたのは、第2戦に続き19号車WedsSport ADVAN GR Supra。国本雄資がレコードラップでポールポジションを獲得した。2番手は37号車KeePer TOM'S GR Supra、3番手は富士のクラッシュを乗り越え、エンジンとシャシーを交換して鈴鹿に乗り込んできた3号車Zだった。
なお予選日にトラブルが発生した38号車ZENT CERUMO GR Supraは、予選出走を断念して同日の深夜まで作業を行なう姿が目撃されていたが、無事決勝のグリッドに並ぶことができた。
5月末と夏が近付く季節とはいえ、決勝は気温30℃、路面温度が50℃まで上昇するという夏本番のようなコンディションに。各タイヤメーカーが決勝に向けてチョイスしてきたタイヤがどう機能するのかに注目が集まる中で、52周の決勝レースが14時40分にスタートした。
スタートの1コーナーでは、3号車Zの千代勝正が37号車スープラのサッシャ・フェネストラズをオーバーテイク。千代はオープニングラップの130Rでポールシッターの19号車スープラ国本も抜き去り、一気にレースリーダーに躍り出た。
レースは序盤から波乱となる。12号車カルソニック IMPUL Zがスローダウンしてコース脇にマシンを止めると、38号車スープラも前日の懸命な修復も虚しく、11周目にマシン右側のエキゾーストパイプ付近から煙を上げてストップしてしまった。
GT300クラスの18号車UPGARAGE NSX GT3のクラッシュによりセーフティカーが出され、15周目にレース再開。3号車Zの千代は、37号車スープラ、17号車Astemo NSX-GTを従えて快調にマージンを築いていった。
19周目に突入し、ピットウインドウがオープンになったタイミングで16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT、8号車ARTA NSX-GT、36号車au TOM'S GR Supraがピットイン。これを皮切りにレース折り返しとなる26周目の段階で、39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraを除く全てのチームがドライバー交代を終えた。
その39号車は28周目にピットイン。これで全車がピットを終え、上位のオーダーは3号車Z、17号車NSX、37号車スープラ、39号車スープラ、19号車スープラとなった。千代から高星明誠に交代した3号車は17号車に対して15秒以上のリードを築いており、独走状態となった。
しかし、レースはこれでは終わらない。16号車NSXと、GT300クラスの244号車HACHI-ICHI GR Supra GTが接触。セーフティカー出動となった。これで3号車が築いたマージンは一気になくなり、残り9周から仕切り直しとなった。
ただ3号車の高星は強かった。相方の千代がレース後に「今回はウォームアップが強く、リスタートには自信があった」と語る通り、リスタートをしっかり決めると、2番手の17号車NSXとの差を広げてセーフティリードに持ち込んだ。そしてそのままトップでチェッカーを受け、今季初優勝。マシンを停め、勝利の喜びを分かち合う千代と高星に、観客からは万雷の拍手が送られた。
2位は17号車NSX、3位は37号車スープラ。なおポイントランキングでは14号車ENEOS X PRIME GR Supraと3号車Zが26ポイントで同点となったが、上位入賞の回数の差で3号車がポイントリーダーに躍り出た。
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