WEC Fuji

WECフェラーリ、富士6時間は今季最悪のレースに「あらゆることがうまくいかなかった」残り2戦で逆襲目指す

フェラーリにとって、WEC富士はペース不足とメカニカルトラブルが重なり、今季最悪のレースとなった。

Francesco Corghi

公開日時: 2026/09/28 10:33

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#51 Ferrari AF Corse Ferrari 499P: Alessandro Pier Guidi, James Calado, Antonio Giovinazzi

写真:: Ferrari

 WEC(世界耐久選手権)富士6時間レースは、フェラーリにとって忘れたくなるような一戦だった。アレッサンドロ・ピエール・グイディ、アントニオ・ジョビナッツィ、ジェームズ・カラドがドライブする51号車が10位でフィニッシュし、1ポイント獲得するにとどまったからだ。

 ほとんどの時間帯を入賞圏外で走っていた51号車は、終盤のセーフティカー導入によって入賞争いに復活したが、平均ラップタイムはハイパーカーメーカーの中で最も遅いペースだった。

 フェラーリの苦境に拍車をかけたのは、51号車がレースの半分をミディアムタイヤで走行し、ライバルのペースに全く追いつけなかったことだった。さらに最後のピットストップでの時間ロスに加え、接触による10秒のペナルティが重なり、51号車の3人は10位という苦い結果に終わった。これにより、タイトル争いでもさらに後退することになった。

「あらゆることがうまくいかなかった。スタートでミディアムを選んだのは、おそらく理想的ではなかった。でも、セーフティカー後のリスタートが何度もなければ、そこから最大限の結果を引き出すことはできたはずだ」とカラドは嘆いた。

「タイヤを作動温度域に入れるのが非常に難しかった。その後、2つのペナルティを受けたが、ニュートラリゼーション(セーフティカー)中だったためピットで消化できず、ギャップがなくなったことで、その点でも不利になった。このレースは早く忘れて、残り2戦に目を向けよう」

 50号車のアントニオ・フオコ/ミゲル・モリーナ/ニクラス・二ールセン組は、さらに厳しいレースとなった。ソフトタイヤを履き、途中で左リヤにミディアムを装着する戦略を採用し、粘り強く戦った。レース中盤のピットストップまでは9番手前後を安定して走っていた。

 しかし、そのピットストップで車両がエアジャッキによって持ち上がらないトラブルが発生。3分以上を失って最後尾グループまで後退した。

 その後、モリーナは空気圧システムの圧力低下を示す警告が出たことを報告。マシンを再始動できなくなり、コース脇に止めてリタイアすることになった。

「本当に難しいレースだった。まずピットストップで問題が起き、その後はコース上でクルマが止まってしまった。引き出せたはずの結果を残せなかったことは分かっているし、残り2戦でもっと良くするために取り組まなければならない」とニールセンは語った。

#50 Ferrari AF Corse Ferrari 499P: Antonio Fuoco, Miguel Molina, Nicklas Nielsen

#50 Ferrari AF Corse Ferrari 499P: Antonio Fuoco, Miguel Molina, Nicklas Nielsen

Photo by: JEP

 レース後のインタビューでエンジニアのジュリアーノ・サルヴィは、フェラーリが富士で3年連続して苦戦している理由について説明した。

「499Pでの挑戦を始めて以来、ここは我々が得意としているサーキットではないのは明らかだ。ピットストップの問題は本当に残念だ。このクルマはかなり成熟しているので、あのようなことが起きるとは予想していなかったし、これまで一度も経験したことがなかった。空気圧系統からの漏れがあった。どこから漏れていたのかは、まだはっきりしていない。クルマを分析する必要がある」

「まったく予想していなかった。難しいサーキットで50号車がうまく走れていただけに、あれは本当に残念だった」

「ここにはダメージを最小限に抑えるというアプローチで来た。でも、適切なタイヤを履いて、我々が出せる最大限のパフォーマンスを発揮できる位置にはいた。それだけに本当に残念だし、完全に予想外だった。正直、起きてはいけないことだった」

 レース終盤、50号車がコース上でストップした理由について問われると、サルヴィは次のように説明した。

「現時点では別の問題のように見える。ただ、別の問題だというのも少し怪しい」

「バッテリー残量が少なくなっていた。2つの異なる問題のように見えたが、おそらく何かが壊れて、それによって別の箇所が切断された可能性が高い。再始動する方法はなかった。残念ながら、ピットストップの時点ですでにレースは終わっていた」

 フェラーリは2台で戦略を分けていたが、AFコルセが走らせる83号車のイェ・イーフェイ/ロバート・クビサ/フィル・ハンソン組も結果を残せず、1周遅れの12位でフィニッシュした。

「最終コーナーのような低速コーナーは、499Pには全く合っていない。我々が得意としている異なる速度域とは合わず、コーナーの曲率もまったく違う。そのため、ここでは依然として苦戦している」とサルヴィは語った。

「50号車は最大限のパフォーマンスを引き出そうとした。それでもBMWと同じレベルで、トヨタには大きく離されていた。アルピーヌとアストンは別次元だったが、少なくとも彼らとは戦えていた。彼らは表彰台に上がった。我々が目指すべきだったのは、少なくともそこだったと思う」

「我々のクルマのレイアウトやDNAには、改善できる部分がある。ただ、クルマそのものを完全に変えない限り、すべてを変えることはできない」

 タイトル争いにおいて、フェラーリの状況はかなり厳しくなった。それでもチームは諦めておらず、バルセロナとモンツァでの残り2戦に向け、すぐに巻き返すことを目指している。

「苦しい時こそ、強い者の真価が問われる」とサルヴィは語った。

「終わっていない限り、完全に決着がつくまでは、我々は戦い続ける。どちらのサーキットも、ここよりは我々に合っているはずだ。特にモンツァはホームレースだ。バルセロナについては情報が少ないが、少なくともここ富士のような悪夢にはならないはずだ」

「だから我々は決して諦めない。オースティンでもそうだったようにね」

「そして、ここではトヨタが素晴らしい仕事をした。レース終了30分前までは、トヨタが勝つとは誰も予想していなかったと思う。それでも彼らはやってのけた。我々にも同じことができるはずだ」

 現在、ディフェンディングチャンピオンの51号車はドライバーズランキング7番手。首位のトヨタ8号車とは30ポイント差だ。マニュファクチャラーズランキングでも、3番手のフェラーリは首位のトヨタに54ポイント差となっている。

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