イソッタ・フラスキーニ、新開発LMH『ティーポ6』のシェイクダウンを完了。今季WECモンツァ戦でのデビュー目指す
今季のWECデビューを目指すイソッタ・フラスキーニは、イタリアのヴァレルンガで『ティーポ6』のシェイクダウンを完了。大きなトラブルに見舞わることもなかった。
1950年以来の再興を目指すイタリアの高級車ブランド「イソッタ・フラスキーニ」。彼らは今季の世界耐久選手権(WEC)ハイパーカークラス参戦を目指し、ル・マン・ハイパーカー(LMH)『ティーポ6・LMHコンペティツィオーネ』を開発している。
4月11日から2日間にかけて、イタリア・ローマにほど近いヴァレルンガ・サーキットにてマシンのシェイクダウンが行なわれている。
イソッタのモータースポーツ・ディレクターを務めるクラウディオ・ベッロ曰く、ティーポ6の初走行は成功裏に終わったという。
「大きな問題もなく、新車の初回テストとしては普通だった」
ベッロはmotorsport.comにそう語った。
「電装系を確認したり、異なる解決策を試したりなどで走行していない時間も長かったが、全て順調に機能している」
「全く新しいプロジェクトとしては非常に有望な結果だ」
このシェイクダウンでは、開発を主導するミケロット・エンジニアリングのテストドライバーであるマウリツィオ・メディアーニがティーポ6のステアリングを握った。
ただ走り始めはハイブリッドシステムに頼らずテストを実施していたという。
「内燃機関であるエンジンとギヤボックスを最初にチェックすることが重要だった」
「しかし、全てが予想通りに機能し、1日の終わりにはハイブリッドシステムで走り始め、この仕様で走行を継続した」
Isotta Fraschini Tipo 6 Competizione, Vallelunga testing
Photo by: Isotta Fraschini
ティーポ6は、ドイツのHWAエンジニアリングが開発した3.0リッターV6ツインターボエンジンとボッシュが提供するフロントアクスル・ハイブリッドシステムを搭載。イタリアの大手コンポジット企業ARSテクノロジーズが担当したボディーワークの空力面では、ウイリアムズF1の風洞で開発が行なわれた。
ベッロは1周4kmのサーキットで、テスト初日に30周以上を周回したと推定。テストは2日目の4月12日(水)にも続けられる。
その後、AVLレーステックの4輪駆動ダイノでテストを行ない、空力効率チェックのために直線テストが行なわれる予定だ。
イソッタとパートナーシップを組むイギリスのベクター・スポーツは、5月から走行テストプログラムを開始予定。WECデビューを地元戦となる7月9日の第5戦モンツァ6時間と定めているが、参戦するためにはWEC主催のFIAとACOにレースごとのエントリー許可を受ける必要がある。
イソッタは2024年のWECフル参戦を目指し、今季はモンツァ戦以降、選手権外で参戦する計画を立てている。
なお、イソッタはレースだけでなく、市販車製造も復活させる計画も進んでいる。ティーポ6の”LMHコンペティツィオーネ”は、このマシンの3つのバージョンのひとつ。”ピスタ”と呼ばれるサーキット走行専用バージョンや、市販車バージョンの”ストラーダ”も用意される予定だ。
その他にも、イソッタは2026年に向けて、2シーターの新型スーパースポーツカーを開発中だ。
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