WECトヨタ、難コンディションのスパ完勝。次戦ル・マンに向けて「この勢いを維持できたら」と小林可夢偉
Toyota GAZOO Racingは、WEC第3戦スパ6時間でワンツーフィニッシュ。次戦のル・マン24時間に向けて「勢いを維持したい」とチーム代表で優勝ドライバーの小林可夢偉は語っている。
4月29日(土)にベルギーで行なわれた世界耐久選手権(WEC)の第3戦スパ・フランコルシャン6時間レースの決勝では、Toyota GAZOO Racingの7号車『GR010ハイブリッド』がポール・トゥ・ウィンを達成。7号車のドライバーでチーム代表も務める小林可夢偉は、6月に控える次戦ル・マン24時間レースに向けて勢いを維持したいと考えている。
今季のWECハイパーカークラスには新たにフェラーリやポルシェ、キャデラックなどが参戦を開始し、一気にグリッドが拡大。現在王者として君臨するトヨタとしても相対するライバルが増えたこととなった。
開幕戦セブリング1000マイルではフェラーリ『499P』がポールポールポジションを獲得。スパでも、結果としてトラックリミット違反によるベストタイム抹消とはなったものの、タイムシートの1番手に浮上するシーンもあった。
そして、WECはカレンダーの”花形”ル・マン24時間レースを次戦に控えているが、今年のル・マンは一味違う。創立100周年という記念すべきレースなのだ。これに向けてポルシェやキャデラックは2台体制から3台体制へと参戦規模を拡大させている。
スパはそのル・マンへの前哨戦として重要なレース。競争が激しくなる中でも、トヨタはライバルを圧倒する強さと安定感をレースで見せつけた。
トヨタは予選で7号車がポールを獲得した一方で、僚機8号車はクラッシュにより最後列36番手からのスタート。しかしトヨタの2台は、ダンプコンディションで始まったレース序盤から快調に飛ばし、ライバル勢にマシントラブルやクラッシュが続く中、2時間が経過した頃には1-2体制を確立した。
その後はセーフティカー導入によってリードが帳消しになるなどしたものの、フィニッシュを担当した7号車の小林が、8号車ブレンドン・ハートレーをコース上で交わしてトップチェッカー。7号車が今季2勝目を挙げた。
#7 Toyota Gazoo Racing Toyota GR010 - Hybrid: Mike Conway, Kamui Kobayashi, Jose Maria Lopez
Photo by: JEP / Motorsport Images
「チーム全員が素晴らしい仕事をしてくれたおかげで、最高の結果を得ることができました」
レース後に小林はチームを通じてそう語った。
「チームと、今回の結果を達成するために大変な努力でサポートしてくれたみんなに感謝します。ここスパをGR010ハイブリッドで走るのはとてつもない体験で、特に大観衆が見守る中では格別でした。今日は特に、ここスパではこれまで見たことがないほどの大観衆で、多くの応援を感じることができました」
「今大会は、特にタイヤマネジメントの面で難しい挑戦となりました。新品タイヤは素晴らしいグリップ力を発揮してくれますが、摩耗してくるとどのくらいプッシュできるか判断するのが難しくなります。困難なレースだったことを考えれば、トラブル無く、1-2フィニッシュを果たせたのは本当に嬉しいです」
「僕のスティントでは、8号車とのバトルになり、チームメイト同士の戦いということで簡単ではありませんでしたが、良いレースを見せられたと思います。ル・マンでもこの勢いが維持できることを望んでいます」
また、クラッシュが相次ぐ中で最後尾から2位まで怒涛の追い上げを見せた8号車の平川亮は、スパでのレースがル・マンへ向けた良い準備になったと考えている。
「スターティングポジションを考えれば、とても満足のいく結果です」と平川は言う。
「簡単ではないレースウィークでしたが、決して諦めることなく戦い続けました。エンジニア、メカニック、そして、もちろん素晴らしい走りをしてくれたセバスチャン(ブエミ)とブレンドンの全員に、本当に感謝しています。残念な結果となった予選のあとに取り戻すことができた、みんなの頑張りによる素晴らしい結果です」
「チームの1-2フィニッシュは完璧で、ル・マンへ向けた最高の準備になったと思います。ル・マンが今から楽しみです」
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