トヨタに完敗……グリップと信頼性不足に苦しむヒョンデ「現実的かつ楽観的でいないと……」
ヒョンデは完全にトヨタの後手に回った状態で2026年シーズンのWRCをスタートしたが、ギャップを埋めることはできると考えている。
Thierry Neuville, Martijn Wydaeghe, Hyundai World Rally Team Hyundai i20 N Rally1
写真:: Hyundai
ヒョンデは、2026年の世界ラリー選手権(WRC)の開幕から立て続けに大敗を喫したが、トヨタとの差を埋めるというミッションに現実的かつ楽観的であるようだ。
トヨタは先月の開幕戦ラリー・モンテカルロで圧倒的な強さを見せ、第2戦ラリー・スウェーデンでも1-2-3-4を独占し、2010年のシトロエン以来初めてWRCで連続表彰台独占を記録したメーカーとなった。
ヒョンデは2024年のラリー・スウェーデンにエサペッカ・ラッピを擁してトヨタに勝利しているが、今回はトヨタに太刀打ちできず、すぐにラリーがテストセッションに変化。無数のセットアップを試すことになった。
スウェーデンでのヒョンデの苦境はマシンのトラクション不足に起因し、ティエリー・ヌービル、アドリアン・フルモー、ラッピの3人は、トヨタ勢に対抗するためのスピードと自信の不足に苦しみ、最終的に1分50秒遅れの5位(フルモー)が精一杯だった。
それでも、イベントを通して実験を続けたヒョンデは、ヌービルがパワーステージで0.1秒差でトヨタのエルフィン・エバンスを下している。
ヌービルは速さを求めてイベント中に30~35通りのセットアップを試したと明かした。
「何と言っていいかわからない」と、7位に終わったヌービルは悔しそうに語った。
「まだ希望がある限り、人生は続くと言えるけど、僕たちは勇気を振り絞って、元の場所に戻るために懸命に努力する必要がある」
「週末に30~35回ほどセッティングを変えたが、全員がそれぞれ異なるセッティングで走行していたにもかかわらず、違いは感じられなかった。ブレーキングは最悪で、グリップが全くなく、アンダーステアがひどかった。たくさん練習して、たくさん走っているけど、どういうわけか正しい方向に進んでいないんだ」
Thierry Neuville, Hyundai World Rally Team Hyundai i20 N Rally1
Photo by: Hyundai
2024年以来初めてチームに復帰したラッピも、2年前のスウェーデンで優勝を飾ったマシンと比べてスピードが足りない理由を説明できずにいた。フィンランド出身のラッピは週末を通してヒョンデ勢最速だったが、最終日にフルモーに逆転を許した。
「チームとしてトヨタからどれほど離れているかを見ると確かに苛立たしい。最初は自分だけの問題で、まだペースが掴めていないだけだと思った。しかし結局は自分だけではないことが分かった」
「それでも、1年半のブランクを経てヒョンデ勢最速だったことは満足できる」
「(2024年と比べて)確かに軽量化は図られており、バッテリーとハイブリッドシステムは搭載されていない。ジオメトリにも多くの変更が加えられている。現時点で何が問題なのか、なぜスピードが出せないのか僕には分からない」
Esapekka Lappi, Enni Malkonen, Hyundai World Rally Team Hyundai i20 N Rally1
Photo by: Hyundai
チームが直面している現状について、ヒョンデのスポーティングディレクター、アンドリュー・ウィートリーは次のように述べた。
「我々は現実的であると同時に楽観的である必要があると思う。現実的であるということは、現在の状況を理解することであり、楽観的であるということは、そのギャップをどのように埋めることができるかを模索し、努力することだと思う」
「課題があることは承知しており、誰もそれを軽視しているとは思わない。この課題に真正面から立ち向かわなければ、戦うことすらできない状況に陥るだろう」
「もうひとつ分かっているのは、マシンは速いということだ。スウェーデンでパワーステージを制したばかりなんだ。その要因を理解し、再現する方法を把握する必要がある」
「問題はトラクションと、タイヤとグリップレベルへの適応方法だ。これが根本的な課題だが、改善の余地がある領域は他にも数多く存在すると思う」
「ドライバーたちから繰り返し聞かされるのは、信頼性の問題だ。このスポーツが信頼性に依存していることは承知しているが、現状ではその域に達していないのが課題だ」
「今大会で2つのステージ最速を記録したが、18ステージある中では不十分だ。昨年の7ステージ最速に近づきたかったが、もしマシンにその能力がなければ深刻な問題となる。しかしマシンにはその能力がある。我々が理解すべきは、それをいかに安定して発揮するかだ」
ヒョンデは今後数週間でケニアとクロアチアでのラウンドに備えテスト走行を行なう予定であり、これが現在の懸念の解決策を見出す鍵となる可能性がある。
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