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公式テストで最速タイム連発、“直線番長”脱却しコーナーでも速さ見せるトヨタGRスープラ:2022スーパーGT開発戦線

2度の公式テストを終え、いよいよ開幕戦を待つのみとなった2022年のスーパーGT。GT500クラスに参戦する3メーカーの首脳陣に話を聞いた。第3回はトヨタ陣営だ。

#36 au TOM'S GR Supra

写真:: Masahide Kamio

 日産が新型ZをベースモデルとしたNISSAN Z GT500を昨年末に投入、これを追いかけるようにホンダもベースモデルをNSXの最終モデル”Type S”に変更して車体を一新した新型Honda NSX-GTを年初に発表した。この2チームはプライベートテストでは両車ともに好タイムを連発していたようだ。しかし、全車が顔をそろえる公式テストが岡山と富士で2日間ずつ実施されると、TOYOTA GR Supraがあっさりとトップタイムを連発してみせた。4日間で行なわれた計8セッションのうち、半数の4セッション、ドライコンディションに限れば3分の2のセッションでTOYOTA GR Supraがトップタイムをマークして、昨年に引き続いての見事なパフォーマンスを見せつける結果となっている。

 この結果からも想像できるが、実際にドライバーからも、新型マシンに対する評価は高いものがあった。そして多くのドライバーからは「昨年モデルに比べて新型は乗り易くなった」、「クルマが安定しているから安心して走れる」などとするコメントが返ってきた。

 その辺りについてトヨタ・カスタマイジング・デベロップメント(TCD)でスーパーGT技術責任者のプロジェクトを統括する佐々木孝博パワトレ開発部部長に聞くと、「去年モデルのGR Supraはドラッグが少なく、ストレートの速さを武器にしていましたが、新型ではもう少しダウンフォース寄りに振った空力を目指しています」と話してくれた。そして富士の公式テストでのデータを例に、もう少し具体的に分析してくれた。

「我々の分析だと、ストレートスピードはZが速く、NSXがやや低いですが、GR Supraとほぼ拮抗しています。Zは、GT-Rでハイダウンフォースとして辛かったのをドラッグが少ない方に振ってきたけれども、ハイダウンフォースで得たデータを上手く生かしながら仕上げてきている感じがしました。一方、NSXはハイダウンフォースのキャラクターはそのままに、ドラッグを低減する開発をされたんだろうな、と理解しています」

 岡山での公式テストでは、ドライバーから「中低速コーナーが主体の岡山国際サーキットでも、ダウンフォースが増えているのを実感できた」とのコメントもあったが、佐々木部長もその効果には納得していたようだ。

 ちなみに、富士でパフォーマンスを測る際のひとつのキーポイントとなっている最高速に関して、ドライコンディションだった初日の午前と、途中からドライに変わって行った2日目の午後、ふたつのセッションについて手許にあるデータを見たところ、TOYOTA GR Supraが300.00km/h~294.27km/h。このうち最速は38号車ZENT CERUMO GR Supraと19号車WedsSport ADVAN GR Supraで、しかも38号車は2度も最速を記録している。

 ライバルの方はと見ていくと、Z GT500が299.99km/h~293.47km/h、NSX-GTが298.34km/h~292.68km/h。最速タイムで見るなら、トップのGR Supraに対してZ GT500がほぼ同等、NSX-GTは約1.6km/h後れを取っているが、これは誤差の範囲と見ていいだろう。データの見方にもいろいろあるようで、佐々木部長の分析とは少し数字が異なっているが、話の本筋としては大きく違ってはいないだろう。そして佐々木部長が話してくれたように、空気を切り裂いて富士のストレートを驀進する“直線番長”だった昨年のGR Supraと異なり、今年のGR Supraは“超高速”レイアウトの富士においても、コーナーでタイムを稼ぐコーナリングマシンに生まれ変わっていたことにも納得できた。

 エンジンに関しては「燃焼効率をより改善するという意味では正常進化ですが、このオフの開発では昨年までウィークポイントとされていた燃費の改善も大きなテーマになりました。我々はアンチラグを使用することを前提にしていますが、それでも燃費を2%ほど改善できています。今年は450kmのレースが3戦あるので、燃費は大きなカギとなると考えています。また(昨年)最終戦として開催されていた富士戦が夏(8月)に移動し、夏のレースが2戦となりました。そのため、我々が苦手としていた暑いレースでも活躍できるよう、エンジン開発にも力が入りました」とのこと。さらに「エンジンのパワーが上がれば、(空気抵抗を減らさずとも)ストレートの速さは伸ばせるので、その分、ドラッグレスからハイダウンフォースに振ることもできますから」とも話してくれた。

 ドラッグとダウンフォースはトレードオフの関係にあって、ダウンフォースを増やせばドラッグも増えてしまう。反対にドラッグを抑えていくとダウンフォースも減ってしまう。しかしその関係性をより効率よくしていくために、ダウンフォースを増やしていってもそれほどドラッグが増えないような、あるいはドラッグを抑えてもそれほどダウンフォースが減らないような、そんな夢のような空力を各社で目指している。3社のエンジニアからお話を聞き、スーパーGTの新たに始まるシーズンに、ますます興味が高まった。

 
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