今季唯一全戦入賞中のノリス、トリッキーなレース序盤からの挽回に満足「僕らは常に上位を狙える」
今季全レース入賞&2度の表彰台を経験しているランド・ノリス(マクラーレン)は、F1第6戦アゼルバイジャンGP決勝のスタートでは順位を下げたものの、挽回し5位入賞。彼は、常に上位を狙える位置にチームがいることを誇りに思っている。
写真:: Andy Hone / Motorsport Images
ランド・ノリス(マクラーレン)は、F1第6戦アゼルバイジャンGPでスタートで順位を下げたものの、5位まで順位を挽回したことに満足しており、チームが常に上位を狙えるポジションにいることを誇りに思っている。
ノリスは予選Q3で6番手タイムを記録するも、予選Q1で赤旗が提示されたタイミングでピットに戻らず、3グリッド降格ペナルティを受けた。彼は予選後、スチュワードからの処分を公平ではなかったと主張、「何も間違ったことはしていないと思う」と語っていた。
ペナルティにより9番グリッドから決勝に臨んだノリスは、スタート直後のターン1でイン側からバルテリ・ボッタス(メルセデス)、アウト側からセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)に挟まれ失速。エステバン・オコン(アルピーヌ)にも先行を許し、12番手に沈んだ。
ノリスは、スタートで順位を下げた要因として「コース上でのマシンの位置取り」を挙げ、一方順位を上げた再スタートではそれが有利に働いたと語った。
「最初のスタートは実際良かったんだ」とノリスは言う。
「ただ、自分のマシンを少し狭いところに向かわせてしまった。それが今回の出来事の全てだよ」
「僕のスタートと(マシンの)位置取りはずっと良いんだけど、時々思い通りにならないこともある。(コースの)真ん中に隙間があったから飛び込もうとしたんだけど、真ん中だと逆に遅くなってしまって、インとアウト両側の人たちが僕を抜いていったんだ。だから、あれはミスではないと思っていた」
「どう位置取りをするかを判断する時間は、0.25秒しかない。それが上手くいくときもあれば、いかないこともある。それに関して別にイライラしてはいないけいど、そのせいで僕らのレースはかなりトリッキーになってしまった」
ノリスは7周目にピットストップを完了。この戦略が功を奏し9番手まで挽回した。その後、ランス・ストロール(アストンマーチン)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)のふたりがタイヤトラブルによるクラッシュを喫したことにより、ノリスは7番手まで浮上した。
フェルスタッペンのクラッシュでレースは赤旗中断。残りわずか2周のスプリントレースとして、スタンディングスタートでレースがリスタートされた。ターン1で2番手のルイス・ハミルトン(メルセデス)がオーバーシュートし最後尾まで後退した上、ノリスは先行する角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)をターン4でオーバーテイクし、5位でチェッカーを受けた。
「あの位置から5位というのは良い挽回だったから、僕は満足しているよ」とノリスは振り返った。
「2回目(赤旗後のリスタート)も蹴り出しが良く、良いスタートが切れた。(1回目よりも)若干良いポジションを取ることが出来たんだ。2ポジションだけではあるけど、少しでも上位のグリッドからスタートした方が、自分の位置取りが楽になる」
「新しいソフトタイヤを履き、燃料が軽い状態で多くのグリップが得られたことが、事態を更に良くしてくれた。(タイヤの)ロックアップやレース1周目のようなミスも格段にし難くなる」
「基本的に、マシンの位置を変えれば自分に有利に働くこともあれば、そうでないこともあるというのが良い例だ。でも、最後は僕らに有利に働いてくれたんだ。『(先行する)シャルル(ルクレール/フェラーリ)とピエール(ガスリー/アルファタウリ・ホンダ)がクラッシュとかしたら、抜いていけるな』と思いながら、ふたりを追いかけていた。でも5位に僕は満足しているよ」
ノリスは、今季第2戦エミリア・ロマーニャGPと第5戦モナコGPで2度2位表彰台を獲得している。グリッド上で唯一ここまでの6レース全て入賞を果たしており、チームメイトのダニエル・リカルドに40ポイント差をつけ、ドライバーズランキングで4番手につけている。
「僕らは常にポイント圏内にいるでしょ? 今の所、それが僕らのベストな特色のひとつだと思っている」とノリスは語る。
「僕らは、常に僕らが求めているところにいる。ミスをした他のドライバーからチャンスを奪い去ることが出来る位置にいるんだ。」
「僕らには、まだ足りないモノがある。今回レッドブルはとても速くて、より普通のサーキットに戻ったらメルセデスも定位置の上位に戻るはずだ。とは言え、良いスタートを切れている。もっとポイントを得るためには、もっと開発を気にかけて、マシンの改良などやるべきことは沢山ある」
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